幼児の英語学習に欠かせない「フォニックス」ですが、わが子をイギリス現地校に通わせるなか、本当に必要で効果がある方法……?と疑ったことも。学習しはじめたころから現在までの紆余曲折と体験談、結果的にフォニックスは効果があったのか?などを英国すくすくレポでお届けします。
イギリスの小学校は1年目からフォニックス学習をスタート
わが家は妻日本人、夫イギリス人の国際結婚。英語は小学校に入れば否応なしに学んでくると考えて、日本語学習に力を入れていました。なので家庭で長女の英語学習は一切何もしないまま、4歳になった年度の9月から小学校に入学。
どちらかといえば日本語が母国語状態のまま小学校に入ったので、英語の読み書きはゼロ。毎日少しずつ学校でフォニックスを習ってきましたが、入学後しばらくの間は何を聞いても沈黙のみ!で、「本当に理解できてる?」と、親が不安に思うような有様が続きました。
そもそもフォニックス(Phonics)とは、英語圏の子どもたちに読み書きを教えるために開発された指導方法。アルファベットの発音の法則や関係を学ぶことで、はじめて見聞きする単語でも、正しく読み書きできるようになるものですが、日本で英語を習った私たち親世代には馴染みが無いものです。
「本当に、これで英語が読めるようになるのかなー?」とフォニックスの効果自体を疑ったことも……(暴露)
ですが、家庭では、英語より日本語で育ててきたこともあって、小学校での英語学習は焦らずに行こうと決めていました。
そして、先輩ママからも「日本語を使ってくれる時期は、そちらを優先した方が良いと思う」と経験者としてのアドバイスをいただいていたので、しばらく本人のペースに任せて様子を見ることにしました。
そんなこんなでのんびり様子を見ていたのですが、さすが、子どもの若い脳!少しずつではありますが、いつの間にか確実にフォニックスを理解して覚えていきました。
ただ、A(ア)B(ブッ)C(クッ)というようなフォニックスの発音で覚えてくるので、アルファベットを使った遊びや説明をすると、親子でかみ合わないことも……。
学校で綴りを説明するとき、例えばbookは「ビー・オー・オー・ケイ」ではなく、「ブッ・ウゥ・クッ」とフォニックス発音で教えているからです。
※文字で説明しやすいように、発音をカタカナ英語発音で書いています。ご了承ください。
イギリス人の子どもたちは、フォニックスをどうやって学ぶ?
2学年上の長女に続き、次女も小学校生活がスタート。初年度なので、ゆっくりフォニックスを一文字ずつ覚えている途中ですが、お姉ちゃんを真似して早くも正しい英単語をつづりたい気持ちになることもあるようです。
同じ音のもの、似たような音のものなどは、姉妹間で教え合って練習していることもあり、成長を感じます。
ところで、「クッ」という音になるのは、「C」と「K」があるのですが、次女につづりを教えるときに「C(シー)」や「K(ケイ)」と説明してもピンと来ないようです。そんなとき、「カーリーキャタピラ(クルっとまるまった毛虫)のクッ」、「キッキング(蹴ること)のクッ」と長女が説明しているのを聞いて、なるほどこれは分かりやすい!と思いました。
フォニックスは音を覚えるのが大切なので、イメージが湧きやすい形のものと音を結びつけたり、自分の名前に入っている文字から覚えはじめて親しむ方法で学ぶのです。
小学校の教室には、イラストつきのフォニックスの表がラミネートされて何枚も用意してあり、つづりに迷ったらそのカードを使えるようになっていました。絵で見るとわかりやすいですよね。
【イギリス学校便り】黒板も教壇もない!?教室の中をのぞいてみよう
結論:フォニックス効果は、すごかった!
最初は、アルファベットを見せても「???」の表情を浮かべて固まっていた筆者の子どもたちでしたが、フォニックス学習の毎日の積み重ねで、英語が読めるようになってきました。
また、学年が進むにつれて、フォニックスの発音と、通常のアルファベットの読み方(A・エーなど)も併用できるようになりました。
「こんな調子で、わが子は本当に英語が読めるようになるの?」とフォニックス学習を疑ったあの頃の自分を叱りたい気分です(苦笑)。
発音がきれいになる効果もあるので、子どもたちを見習って、筆者も今からフォニックスにトライしてみようかと思うことも。
みなさんもご家庭で歌や動画など楽しく学べる教材を使いながら、ぜひ親子一緒にフォニックスに挑戦してみてくださいね。
イギリスの子どもたちに人気のTV番組「Alphablocks」
Alphablocks – Three Letter Combinations! | Learn to Read | Phonics for Kids | Learning Blocks
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。