日本との違いも多く、おもしろい発見があるイギリスの教育事情レポート。第2回目は筆者の娘が通う小学校を元に、一般的な公立小学校の教室に関する話題をお届けします♪
登校したらカバンを引き出しへ
登校したらブックバッグと呼ばれる登下校用のカバンを、自分の引き出しに入れます。ブックバッグだけでなく、先生から配られたプリントや家へ持って帰るアート作品なども、下校時までここに保管しておきます。
秋から春にかけては、コートを着る日が多いイギリス。コートは、個人のコート掛けにかけます。自宅から飲み水を入れてきた水筒やランチボックスは、専用の棚へ集めて置いておきます。
日本とかなり違う教室の中
教室で一番驚くのは、普通の黒板がないこと。その代わりに、一番前には一見「大きなテレビ?」と勘違いしてしまうような電子黒板(電子ボード)が設置してあります。
電子黒板の前には大きめのラグが敷いてあり、集まって話を聞くときの場所として使用します。下校前には、担任の先生がここで本を読んでくれたり、みんなで歌ったりします。
また、日本の学校にあるような教壇がありません。先生の机は教室の端にあり、教師専用のパソコンやファイル・資料などが並んでいて、ちょっとしたオフィスの机のような雰囲気です。
教室の壁中には生徒が描いたアート作品や、現在勉強中の単語のスペル、算数の資料などが貼ってあり、教室はとっても賑やかな空間なんですよ。
普通の黒板は使いません!
なにかとグループワークが多いんです
日本の学校とは違い、机が1人ずつに割り当てられていません。グループワークを前提にした形で机が配置されていて、いろいろな教科をグループ学習で行います。たとえば1年生の算数で、「ここに〇ポンドあります。このページのそれぞれの食べものを買ったら、いくらおつりが出ますか?」というような問題も、グループで話し合って答えを導き出します。
正しい答えを見つけるということも大切ですが、クラスメイトと意見を出し合うこと、人の話を聞くという訓練も同時に行える方法ですね。
一日中同じ場所に座るのではなく、教科や作業内容ごとにグループと机が決まっていて、移動して授業を受けます。
できることなら、通ってみたい!
日本で生まれて日本で教育を受けて育った筆者にとって、イギリスの学校は違うことだらけ。常識と思っていたことが違った!ということも多々ありました。意外とハイテクだったり、日本と全く違う面で厳しかったり、ゆるかったり……。まさに発見の連続です。
便利だとなれば、比較的早い段階で新しいものを取り入れる姿勢のあるイギリスの教育機関は、イギリス人の国民性を表しているなぁと思うことも。型にはまりきった教育環境ではないので、魅力的なシステムもいっぱいです。「もし、自分が子どもに戻ることができるなら、イギリスの小学校に通ってみたい」なんて思う、今日このごろです。
取材・文・イラスト:いしこがわ理恵
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。
※いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの過去記事はこちら↓↓↓