2019年08月14日 公開

ゴールデンエイジとは?運動神経が飛躍的に伸びる子どもの大切な時期

子どもの運動神経の発達を促すために、知っておきたいのがゴールデンエイジです。ゴールデンエイジの解説をはじめ、ゴールデンエイジを中心とした3段階の成長時期、それぞれの時期に最適なスポーツやトレーニング方法などを紹介します。

子どもの運動神経の発達を促すために、知っておきたいのがゴールデンエイジです。ゴールデンエイジの解説をはじめ、ゴールデンエイジを中心とした3段階の成長時期、それぞれの時期に最適なスポーツやトレーニング方法などを紹介します。

ゴールデンエイジとは

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スキャモンの成長曲線
ゴールデンエイジとは、子どもの運動能力が著しく発達する時期のこと。この時期に適切な運動やトレーニングをすることで、運動能力が飛躍的に高められます。運動系のならいごとなどで「運動神経をよくする一生に一度のチャンス」などと表現されているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

根拠となるのが「スキャモンの発育曲線」。人の発育を「一般型」「リンパ型」「神経型」「生殖器型」の4つのカテゴリにわけ、誕生から成熟期までの発育量を100%としたとき、年齢ごとにどのくらい成熟するかを表した有名な曲線です。

運動に関わるのはこのうちの「神経系」であり、これによると5歳までに神経系の約80%が発達し、12歳で神経系の発達はほとんど大人と同じ程度に成熟します。この神経系の形成期にさまざまな動きを経験し、成長に合ったトレーニングをすることが、子どもの生涯の運動能力を決めるといえます。

3段階に分けて、効率的に運動能力をアップさせよう

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matimix : shutterstock.com
ゴールデンエイジを中心に、子どもの運動能力を発達させるために意識しておきたい3段階の成長時期があります。

プレゴールデンエイジ(5~8歳頃)

ゴールデンエイジに入る前に、基本的な運動動作を身につけておくべき時期で、3歳頃からプレゴールデンエイジに含まれるとする考え方もあります。神経系の成長が顕著に見られる時期でもあり、この時期に身体にさまざまな刺激を与え、運動の基礎を経験しておくことで、ゴールデンエイジでの運動能力の身につき方に差が出ると言われています。

プレゴールデンエイジ期は、一つのスポーツに限定せず、さまざまな運動やスポーツを経験することが大切です。ボールを投げる、遊具で遊ぶ、鉄棒をするなど、日頃の公園遊びの中でもぜひ多彩な運動に挑戦してみましょう。

親子で取り組めるプレゴールデンエイジ期の運動として、思い通りに身体を動かせるようになるためのコーディネーショントレーニングもおすすめです。

ゴールデンエイジ(9~12歳頃)

脳がやわらかく、身体つきもしっかりしてくるこの年代の子どもは、どんな運動も見よう見まねですぐに実践できる「即座の習得」ができるのが特徴。大人は頭で考えてから動こうとするのに対し、この時期の子どもはパッと見ただけで脳が複雑な動きや技術を把握し、即座に身体に伝えることができるのです。子どもの頃に自転車の乗り方を習得すれば、大人になってもいつでも乗ることができるように、この時期に習得した運動能力は身体で記憶することができます。当然ですが、プロのスポーツ選手を目指す場合も、この時期に効果的に運動能力を高めることが不可欠。そのため、スポーツ系のチームやスクールなどの指導では、ゴールデンエイジの考え方が一般的に取り入れられています。

ポストゴールデンエイジ(13歳以降)

神経系の発達が止まる一方、筋肉や骨格などの身体が大人に近づいてきます。新しい技術の習得には向きませんが、筋力をつけてパワーアップしたり、頭を使った練習により、動きの質を高めたりするのに適した期間です。成長段階によって以前できていたことができなくなるケースもあるので、その原因などを見極め、正しく指導する必要があります。

ゴールデンエイジにおすすめの習い事・スポーツ

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YanLev / shutterstock.com

水泳

全身運動ができる水泳は、さまざまな動きを経験しておくべきプレゴールデンエイジやゴールデンエイジの習い事として最適です。歩く、走るなどと同様に「泳ぐ」という神経系も5歳までに80%が完成します。また、神経系が飛躍的に伸びるのに対し、筋肉や骨格がまだ整わない幼児期は、あまり体に負担をかけすぎるスポーツをすると成長を阻める可能性が指摘されます。その点、水泳は浮力を活かして取り組めるので、体に過剰な負担をかけることなく全身運動ができるのが魅力です。

体操

プレゴールデンエイジ期には、「投げる」「引っ張る」「跳ぶ」など36の基本動作をなるべくたくさん経験することが大切です。器械体操や跳び箱、縄跳び、球技、鉄棒など、さまざまな運動を専門の講師が指導してくれる体操教室は、まさにこの時期にうってつけ。多彩な動きを経験することで、動作だけでなくリズムやバランス、巧緻性などの調整力も養えます。

サッカー

ゴールデンエイジという言葉が一般的に有名になったのは、サッカーの世界でこの時期の重要性が語られるようになったからというのも大きいでしょう。リフティングや複雑なプレーなど、サッカーの多彩で巧妙な動きを習得するには、ゴールデンエイジ期の重点的な練習が効果的です。走ることは下半身を強化し、持久力や基礎体力をつける上で重要ですが、サッカーを通して走ることにも集中的に取り組めます。ゴールデンエイジ期にしっかりと体の基礎を作ることが、怪我の防止にもつながります。

ゴールデンエイジは、学力も伸びる時期

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実はゴールデンエイジはスポーツだけの話ではなく、学力も飛躍的に伸びる時期だといわれています。体育の授業がないよりもあったほうが算数や国語、英語などの成績が上がるといった、学力と運動能力の相関関係も報告されています。運動を通して複雑な動きをマスターすることは、集中力の向上にもつながります。吸収率が高く、柔軟な脳を持つこの時期は、スポーツも勉強もバランスよく取り組むべきだといえるでしょう。

鬼ごっこなど普段の遊びでも効果あり!

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Syda Productions / shutterstock.com
近年、ゴールデンエイジの重要性が注目されるようになった理由の一つが、子どもの外遊びが減っていること。昔の子どもはゴールデンエイジを意識しなくても、外遊びを通して自然にさまざまな動きを習得していたのです。特にプレゴールデンエイジの幼児期には、子どもたちが楽しくて夢中になれる運動に取り組むのが効果的。たとえば、鬼ごっこなどのルール遊びは、楽しみながら基本動作やコミュニケーション能力をバランスよく高められる、この時期の子どもにぴったりの遊びです。

鬼ごっこのメリットや、おすすめの鬼ごっこはこちら。

ゴールデンエイジに身体の基礎を作ろう

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Robert Kneschke / shutterstock.com
ゴールデンエイジを意識しておくことで、子どもの運動能力を効率的に伸ばすことができます。プロのスポーツ選手を目指しているわけではなくても、何をするにも身体は資本。成長に合わせた運動を取り入れることで、しっかりと身体の基礎を作ってあげたいですね。

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この記事のライター