「インターナショナルスクールは学費が高い」という噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。日本の私立小学校の倍程度と言われることもあるインターナショナルスクール。学費補助は使えるのでしょうか。インターナショナルスクールのお金事情をご紹介します。
インターナショナルスクールの学費は高額!?
インターナショナルスクールは、外国語(主に英語)による授業が行われ、外国籍の子どもたちが通う国際学校のこと。もとは日本在住の外国籍の子どもたちの教育・学習の場として発展してきました。
近年では、日本で生まれ育った日本人でも、入学を希望する人が増えてきています。グローバルな視野を持てることや、高い英語力や英語コミュニケーション能力を身につけられるのがその理由です。
ただし、インターナショナルスクールは全般的に教育にかかるお金が高額。日本の私立小学校や中学校と比較しても、費用がかさむのが一般的です。
また、義務教育前に通う、いわゆる幼稚園や保育園のようなインターナショナルプリスクールにもお金がかかります。インターナショナルプリスクールは独自で教育環境を整えた私立の教育機関に当たるため、国の認める認定幼稚園や認可保育園とは扱いが異なるのです。
国が制定している保育費の負担軽減措置を受けることができないことも、インターナショナルスクールの学費が高額になってしまう一因となっています。
平均はどれぐらいの費用?
インターナショナルスクールでかかる費用は、日本の公立・私立小学校よりも高額になるのが一般的です。
年間の学費(学校教育費+学校給食費)を比べてみると、その差は一目瞭然。
・公立小学校……平均約10.5万円
・私立小学校……平均約91.5万円
・インターナショナルスクール……約200万円~(学校により異なる)
※学校教育費には、授業料、修学旅行・遠足・見学費、学校納付金等、図書・学用品・実習材料費等、教科外活動費、通学関係費、その他を含みます。
※インターナショナルスクールの場合は、授業料の他に、施設メンテナンス費、教材費、ランチ代、バス代などがかかります。
ひとくちにスクールにかかる「費用」といっても、そこにはさまざまなものが含まれます。受験をする際は、願書を提出するときに必要な志願料、入学時には入学金や施設使用料、授業料や教材費が必要です。
在学中には、毎年または学期ごとに納付する施設のメンテナンス費や授業料、カリキュラムに必要な教材費、スクールバス代やイベントの支援費などが必要になります。スクールによっては、寄付金の支払いを求められるケースもあるでしょう。
東京の相場はどれぐらい?
東京のインターナショナルスクールの学費の相場は、年間220万円~300万円くらいと全国的にも高額です。芸能人など著名人の出身校となった有名なスクールや、老舗のスクールが多いことも理由の一つかもしれません。東京近郊で費用が高いところといえば横浜で、年間270万円程度かかる場合があります。
同じ都市部でも、大阪の場合は東京よりも少し相場が下がります。もちろんスクールによって幅はありますが、相場は年間150万円~200万円程度です。
学費補助が出る諸条件は?
海外でも活躍できるような教育が受けられるというメリットはある反面、学費がかさみがちなインターナショナルスクール。しかし、国の制度がまったく使えないというわけではありません。
高校授業料無償化・就学支援金支給制度は、国が対象と認めたインターナショナルスクールであれば、授業料・施設費の減免措置を受けることが可能です。ただし、日本の一般的な私立校と同様、支給金額のランクは保護者の年収(所得)に基づいて決定されます。
教育面で発生しうるデメリットとは?
インターナショナルスクールは学校法人として認可されているところも多くありますが、日本の学校教育法の定めによる教育カリキュラムを行っているわけではありません。いわゆる一条校(学校教育法第1条に挙げられる教育施設)ではないため、専門学校と同じような扱いなのです。
義務教育を履行していないという扱いを受けるケースや、高校卒業後も自分で大検を受けないと大学受験資格を得られないケースも考えられます。将来の選択肢をかえって狭めてしまうこともあるため注意してください。
スクールによっては国際バカロレア資格等のプログラムに参加しており、卒業資格を得られるところもあるため確認してみましょう。
寄付金を払う必要はあるの?
インターナショナルスクールは自治体からの補助金がありません。そのため多くのスクールは、学費や教材費などのほかに親からの寄付金を求めて運営資金としています。
寄付金は一般的に強制ではないため、必ず支払わなければならないものではありません。とはいえ、多くの家庭が多少なりとも寄付金を納めていることが多いようです。
スクールによっては、学年ごとの寄付金参考額を明示しているところも。スクールへ寄付をするかどうかは各家庭の判断によりますが、参考にしてみると良いでしょう。
おすすめのインターナショナルスクールランキング3選
アオバジャパン・インターナショナルスクール
バランスのよいバイリンガルを目指せる!
アオバジャパン・インターナショナルスクールは、英語が話せなくても入学できるところが大きな特徴。英語の習得だけでなく、日本語を学ぶことにも熱心です。バランスのよいバイリンガルを目指せるでしょう。
また、国際学校らしく生徒や教師の出身国はさまざま。多様性が必要とされる、これからの社会で生きていく下地作りにも向いています。
CISや国際バカロレアなどの認定を 受けているため、教育面でも安心です。東京の練馬区光が丘と目黒区にキャンパスがあり、 小学生以上になると光が丘キャンパスを使用します。
アオバジャパン・インターナショナルスクールについての記事はこちら
スクール名 | アオバジャパン・インターナショナルスクール |
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住所 | 【目黒キャンパス】1.5〜6歳(K2-K5)…東京都目黒区青葉台2丁目11−5 【光が丘キャンパス】3~18歳(K3-K5, G1-G12)…東京都練馬区光が丘7丁目5−1 |
アメリカンスクール・イン・ジャパン
質の高い教育に定評!日本最初のインターナショナルスクール
質の高い教育を受けることができるとして志願者が多いアメリカンスクール・イン・ジャパン。東京都調布市にあり、日本で最初に設立されたインターナショナルスクールとしても有名です。
先生の質の高さにも定評があり、高い進学率を誇っています。卒業生のなかには日本の難関国公立大学だけでなく、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、シドニー大学など、世界のトップクラスの大学に進学する学生も。広大な敷地と充実した設備が整った環境で、子どもの可能性を十二分に伸ばすことができるでしょう。
ネイティブと英語漬けで過ごせるサマーデイキャンプのみの参加も受け付け。毎年多くの子どもたちが参加しています。
スクール名 | アメリカンスクール・イン・ジャパン |
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住所 | 東京都調布市野水1-1-1 |
聖心インターナショナルスクール
名門聖心女子学院系列のインターナショナルスクール
名門女子校として人気があるのが聖心インターナショナルスクール。東京都渋谷区広尾にあるキャンパスには、45か国以上の国や地域から生徒が集まっています。
国際的なリーダーシップをとれるような女性を育てるための生徒会システム「カウンシル」など、ユニークな教育方針が特徴です。また、音楽をはじめとした芸術教育にも熱心。
全人格形成にかかわる精神面、知性、感性、身体の発達を目標としたカトリック系の学校で、 WASCやCISの認定校でもあります。
スクール名 | 聖心インターナショナルスクール |
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住所 | 東京都渋谷区広尾4丁目3番1号 |
メリットとデメリットのバランスを考えて
インターナショナルスクールは国際感覚を養うのに非常に良い場を与えてくれますが、経済的な負担が大きく、また一条校でないことはデメリットといえます。進学先をインターナショナルスクールにするか迷っているパパママは、家庭の経済状況やメリット・デメリットのバランスをよく考えて検討しましょう。