姿は見えなくても、昔話や絵本にたびたび登場する妖怪は、子どもにとって身近な存在です。日本三大妖怪の1つである鬼をはじめ、妖怪にはたくさんの種類がいます。今回はその中でもポピュラーな妖怪をご紹介。妖怪について知っていくと、より物語を楽しむことができますよ。
日本の昔話には欠かせない鬼
日本三大妖怪の1つと言われ、日本の昔話や地域の伝承、節分や祭りなどの行事にもたびたび登場します。鬼を含む慣用句も多く、怖いものや強いものなどの比喩にも用いられる言葉です。
鬼と言えば頭に角が生え、寅柄のパンツをはいて金棒をもつ姿が定番のスタイルです。実はこの姿は、陰陽道において北東を「鬼門」とすることに由来しています。
鬼門は鬼や災いがやってくる方向とされ、方角を十二支で見ると丑と寅の間。そこで鬼の姿は、「寅の毛皮を身につけた丑の角をもつもの」と考えられるようになりました。
ちなみに、鬼門を封じる対となる方角から時計回りに進むと申、酉、戌が登場します。桃太郎で鬼退治にお供した動物ですね。
全国に伝承が残る河童
河童は「緑色の体で、背中に甲羅、頭に皿を乗せている」「頭の皿が乾くと弱る」といった点が特徴です。また、かっぱ巻きの由来であるキュウリ好きについては、「河童は水神が零落した姿で、キュウリは水神のお供物である」という説があります。
河童には人々を困らせた話や、その逆に水辺の工事を手伝うなど友好的な話も多く残されています。地域の河童伝説について調べていくと、歴史や郷土への関心につながる楽しいおうち知育となるでしょう。
天狗は妖怪?神様?
天狗は鋭いくちばしをもつ「烏天狗(からすてんぐ)」、大きな鳥のような「木の葉天狗」など種類が多い妖怪であり、中でも鼻が高い「大天狗」は神格化され、最も位が高い天狗とされています。
天狗伝説は各地にありますが、源義経に剣術を教えたとされる「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」をはじめ、八大天狗は大変有名です。魔道に導く妖怪とされる一方で、山の神としての一面をもち、山地の多い日本では伝承と切り離せない妖怪と言っていいでしょう。
ポピュラーな妖怪の1つ!雪女
雪女は美しい女性の妖怪であり、人を凍らせてしまう話や風呂に入って消えてしまう話などが残されています。
地域によっては呼び方が違ったり、若い女性ではなく老婆の姿をしていたりすることもあります。山への信仰のあらわれという見方もあり、地域によって違う雪女の姿を調べてみても面白いですね。
怖い昔話に登場!やまんば
一見人間に見える姿が余計に子どもの恐怖心をあおり、そこから逃げるための攻防がスリルある物語として喜ばれています。
恐ろしい話が多い一方で、地域によってはやまんばが福を授ける話も残っています。
不思議で魅力的な妖怪が子どもの想像力を刺激する
妖怪について知識を深めることで地域の伝承などを知ることができ、より物語のすばらしさを知ることができます。不思議な魅力をもつ妖怪のお話を家族で楽しみ、想像を広げてみましょう。