動物たちの幸せな暮らしを追求した動物園に贈られる、エンリッチメント大賞2017が決定しました。東京都恩賜上野動物園です。動物園の動物たちが、本来の生活に近い環境の中でいきいきと生活しているのを見るのは、私たちもうれしいもの。楽しそうに生活している動物たちに会いに出かけてみませんか?
環境エンリッチメントとは?
檻の中に閉じ込め、水と餌を与えるだけの環境ではなく、動物たちの特性を活かした生活をおくることができる環境を作るのです。
これまでは、飼育員の方などの個人での取り組みが多かったのですが、今では動物園全体で環境エンリッチメントに取り組む団体が多くなっています。
2002年度にはじまったエンリッチメント大賞の実施は、2017年度で16回目を迎えました。
今年の大賞受賞は「東京都恩賜上野動物園」です!
市民ZOOネットワーク
2017年度大賞受賞!「恩賜上野動物園」
恩賜上野動物園では、ニホンザルの野生でのデータと飼育下でのデータを比較し、野生本来の食べ物を導入したり、餌の回数を増やしたりと野生に近い状況を再現することに成功。その成果を評価され、受賞にいたったものです。
この取り組みによって、日本の動物園のニホンザルにおける、今後の飼育方法や施設に変化をもらたすことが期待されています。
開園時間/9:30~17:00
休園日/月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日が休園日)、
年末年始(12月29日~翌年1月1日)
アクセス/JR上野駅(公園口)から徒歩5分
上野動物園公式サイト – 東京ズーネット
2016年度大賞受賞!「大牟田市動物園」
福岡県大牟田市にある動物園です。「もっとも勢いを感じさせる動物園」と評されるなど、園としてのエンリッチメントやハズバンダリートレーニング(世話や治療がしやすいように飼育動物に行うしつけ)への積極的な取り組みが評価されました。
こちらの動物園ではエンリッチメントの導入・評価・反省を組織的に行っていることも評価のポイントになりました。また、ハズバンダリートレーニングを行うことで、トラやライオンの採血などで無理やり押さえつけることがなくなり、動物たちのストレスを軽くすることができました。手書きの可愛い案内があるので、お子さまにも分かりやすく、興味を持つことができそうです。
【所在地】
福岡県大牟田市昭和町163
【営業日・時間】
午前9:30~午後5:00
12月、1月、2月の冬季は午前9:30~午後4:30
☆閉園の30分前には入園できません。
【休園日】
第2・4月曜日
【アクセス情報】
JR鹿児島本線、西鉄天神大牟田線 大牟田駅 徒歩20分
大牟田市動物園
2016年度大賞受賞!「日立市かみね動物園」
園では、カワウソに対するエンリッチメントのアイデア募集といったイベントや、ブログなどを利用して市民のエンリッチメントの理解を深める広報活動を行っています。来園者も参加できる取り組みをしているので、お子さまと一緒に訪れることで、エンリッチメントを身近に感じ学ぶことができそうです。
【所在地】
茨城県日立市宮田町5-2-22
【営業日・時間】
(3月~10月)午前9:00~午後5:00(入園は午後4:15まで)
(11月~2月)午前9:00~午後4:15(入園は午後3:30まで)
【休園日】
年末年始(12/31~1/1)
【アクセス情報】
JR常磐線日立駅 日立電鉄バス10分
日立市かみね動物園公式ホームページ
過去の受賞動物園をご紹介!
キリンとアフリカハゲコウのエンリッチメント!
そこで餌をイネ科植物から、自然と同じように枝や葉っぱに変えることで食事にかかる時間を長くし、さらに、歯の状態を改善することができたのです。
2012年に大賞を受賞した「秋吉台自然動物公園サファリランド」(山口県)では、アフリカハゲコウの飼育環境への取り組みが評価されました。通常、園内にて鳥類を飼育するときには逃亡を防ぐために切羽をするのが一般的ですが、この園ではアフリカハゲコウを自由にはばたかせ、そして飼育場所まで帰らせる訓練を行いました。大型鳥類が大空を飛ぶ姿を子どもたちに見せてあげたくなりますね。
動物園ブームの先駆け!「旭川市旭山動物園」
テレビでもよく紹介されている、上と下のプールを結ぶトンネルをアザラシが悠々と泳ぐ姿や、高い塔の上を移動するオランウータン、来園者のすぐ近くで泳ぐ大きなシロクマなどはお馴染みとなっています。
また、旭山動物園では、あざらし館やほっきょくぐま館、ぺんぎん館の様子をライブ配信しています。なかなか行く機会がない場合には、おうちでお子さまと楽しんでみてはいかがでしょうか。