2021年05月24日 公開
幼児検定

幼児でも受けられる検定5選!学習方法やメリット・注意点は?

幼児でも受けられる検定の内容とその学習方法、検定を受けるメリットや注意点を紹介します。ぜひ子どもに合う検定を見つけて挑戦してみてください。

幼児検定

子どもに何かしら学んでほしいけれど、何をすればいいのか、どのくらい取り組めばいいのか迷いませんか?
せっかくなら知識を身につけるだけではなく、子どものためになるもの、今後に役立つものであってほしいですよね。
そんな時には検定受験を目標にしてみてはいかがでしょうか。
幼児でも受けられる検定とその学習方法、検定を受けるメリットや注意点を紹介します。

幼児でも受けられる検定5選

世の中に何千とある検定の中から、幼児でも無理なく受けられる検定を5つ紹介します。
各検定の出題内容やレベル、受験や学習の方法などをまとめていますので、検定選びの参考にしてください。

はじめての検定にぴったり「かず・かたち検定」

幼児のはじめての検定受験にぴったりなのが「かず・かたち検定」。
実用数学技能検定(数学検定・算数検定)の幼児レベルの級で、ゴールドスターとシルバースターの2階級に分かれています。幼児が対象の希少な検定です。
合格すれば「合格証」が発行されるほか、合格点に満たない場合でも「未来期待証」が発行されます。合否に関わらず検定への取り組みが評価されるので、モチベーションを保てます。
かず・かたち検定の上には、小学生レベルの実用数学技能検定11級から、大学・一般レベルの1級まであります。

かず・かたち検定
ゴールドスターシルバースター
内容10までの数の理解、合わせた数、
◯△□を含む形の基本的な理解、
やや複雑な積み木の数の理解、
大小・長短・高低・多少・重軽、
規則を見いだす力 など
5までの数の理解、
◯△□の基本的な理解、
簡単な積み木の数の理解、
大小・長短・多少、
規則を見いだす力 など
問題数15問
合格基準10問
検定時間40分
検定料2,500円
受験方法自宅受験
郵送される問題用紙に解答を直接書き込み、終了後に協会へ返送。
実施時期4月・7月・10月 ※2021年度
その他ゴールドスター、シルバースターは併願受検可能。
公式ホームページhttps://www.su-gaku.net/suken/examination/summary/kk/

公式ホームページにダウンロード可能な過去問が掲載されています。さんすうの学習を特にしていないわが家の5歳の娘でも、難なくできそうな問題でした。
解答方法は、丸を書いたり、線で結んだりするものがほとんどで、数字を書くことは求められません。また、保護者による名前や受験番号の代筆、問題文の代読も認められています。
検定に対応した問題集が市販されているので、検定に向けてこの1冊に取り組んでみるのもよさそうです。

「算数・数学 思考力検定」で考える力を育てる

算数・思考力検定は、算数・数学の問題を通して子どもの思考力を測る検定です。iML国際算数・数学能力検定協会が実施・運営しています。
小学校1・2年生レベルの10級から、高校1年生レベルの準2級まであるので、幼児ならまず10級を目指してみましょう。
先に挙げたかず・かたち検定と同じ算数の分野ですが、かず・かたち検定では単純に数を数える問題がある一方、思考力検定は文字通り考えて答える問題がほとんど。文章問題を読む、数字や文字を書いて答える必要があるという点でも、幼児にとってはかず・かたち検定より難しい内容かもしれません。
合格証は会場受験と異なりますが、自宅での受験も可能です。
3、4級以上を取得すると入学試験において優遇処置のある高校が全国にいくつかあり、将来の受験にも直接役立つ検定です。(自宅受験では無効)

算数・数学 思考力検定<10級>
受験年齢の目安小学1年~2年程度
内容・いくつかの簡単な情報の中から必要な情報を選び出す力
・試行錯誤しながら考える力
・平面の図形を捉える力
合格基準65%程度
検定時間45分
検定料2,100円
受験方法・会場受験
・自宅受験:郵送される問題用紙に解答を直接書き込む。1週間以内に実施し、協会へ返送。
実施時期6月・11月・2月
※2021年度
その他複数級の受験可能
公式ホームページhttps://www.shikouryoku.jp/

公式の対策問題集とサポート教材、過去問題集も販売されています。
ホームページでも過去に出題された問題などが載っているので、まずはそちらで力試しをしてみるといいかもしれません。

これから英語を学ぶ子もOK「英検Jr.」

英検Jr.は、英語学習をはじめたばかりの子どもが英語に親しみ、異文化を理解することを目的としたオールリスニングのテスト。音声を聞き、それに合ったイラストに丸を付けるなど解答方法も簡単です。
BRONZE、SILVER、GOLDの3つのグレードがあります。幼児はまず一番下のBRONZEにチャレンジしてみましょう。BRONZEなら文字の学習がまだでも大丈夫
結果は合否ではなく、正答率で表されるほか、進級の目安も通知されます。80%以上正解することが次のグレードへ挑戦する目安です。
受験方法には、会場で受けるペーパー版と自宅で受けられるオンライン版があります。オンライン版は、テストのほかにドリル&ゲームやカードアルバムなどの学習教材とセットでの申し込みも可能です。英検Jr.受験を目標に、ゲーム感覚で英語を学べるので、これから英語をはじめるという子にもおすすめの検定です。

英検Jr.<BRONZE>
内容語句:定型表現や基本文中の名詞、形容詞、動詞の聞きとり
会話:あいさつや、動詞を含んだ初歩的な会話(1往復)の聞きとり
文章:簡単で短い文章(1〜3文)の聞きとり
問題数40問
合格基準合否ではなく正答率
検定時間約30分
ペーパー版オンライン版
検定料2,500円2,300円
(テストのみの料金)
受験方法会場有効期限内にインターネットで受験。結果はテスト終了後すぐに見られる。
実施時期6月・10月・1月 ※2021年度選択したの有効期限内(1・3・6ヵ月)
その他ペーパー版とオンライン版のレベル、形式、試験時間などは同様。ただし問題は異なる。
いずれもREPORT CARD(個人成績表)とCERTIFICATE(成績証明書)が発行される。
公式ホームページhttps://www.eiken.or.jp/eiken-junior/

公式ホームページには各グレードのサンプル問題があります。実際のテストより少ない問題数ですが、レベルの確認や腕試しに活用してみましょう。
本番形式の問題を解ける対策問題集もいくつか市販されています。

「子供英単語検定」で単語力をチェック

子供英単語検定は、その名の通り英単語力を計る検定です。
中学生レベルの5級から、ネイティブレベルの1級まである単検(英単語検定)の、幼児~小学校低学年を対象とした級です。2018年から実施されています。
漢字は私用されておらず、二者択一のマークシート方式です。

子供英単語検定
受験年齢の目安幼児~小学校低学年
内容子どもが日常使う英単語
曜日、食べ物、動物、色など
問題数100問
合格基準80%程度
検定時間35分
検定料3,900円
受験方法会場受験
実施時期6月・11月
※2021年度
その他マークシート方式、二者択一
公式ホームページhttps://www.eitangokentei.com/kodomo-eitanngo-kentei/

1~5級には公式の過去問題集がありますが、子供英単語検定には過去問がありません。そのためか合格率は69%で、上の4、5級よりも低い数値となっています。
検定に向けた学習には、出題範囲である子どもが日常使う英単語(曜日、食べ物、動物、色など)が学べる教材か何かを探さなければなりません。参考までに5級の問題例を見てみると、男の子・今日・明日などの英訳、ride・enjoy・happyなどの和訳があり、学生時代に英語を学んだきりの私でも解ける問題が並んでいました。

幼児でも挑戦できる「漢検」

漢検(日本漢字能力検定)の一番下の10級は小学校1年生レベルですが、幼児でも挑戦してみたい検定です。漢字を単に読んだり書いたりする知識だけでなく、意味を理解し、文の中で適切に使える力も身につけることができます。
幼児期に漢字は早すぎではと思うかもしれませんが、幼児はひらがなやカタカナよりも複雑な漢字のほうが識別しやすいとも言われます。1文字で具体的な意味や内容を表わす漢字は、抽象的なひらがな・カタカナより理解しやすいそうです。教育学博士の石井勲氏は、幼児期こそ漢字教育が有効であると提唱していました。
実際に3歳から受ける子もいるようです。

漢検<10級>
受験年齢の目安小学校1年生修了程度
内容読み書き:小学校第1学年の学習漢字を読み、書くことができる。
筆順:点画の長短、接し方や交わり方、筆順および総画数を理解している
問題数80字 150点満点
合格基準80%程度
検定時間40分
検定料1,500円
受験方法会場受験
実施時期6月・10月・2月
※2021年度
その他合格率95.3%(2020年度第2回)
公式ホームページhttps://www.kanken.or.jp/kanken/

公式の問題集があるほか、絵本や無料の漢字学習アプリなど、楽しく漢字を学べる教材が豊富がたくさんあります。まずは絵本やアプリで漢字にふれ、興味を持たせるところからはじめてみてもよいかもしれません。


幼児期に検定を受けるメリット

バンザイする女の子

幼児期から検定を受けると、知識の習得以外にもさまざまなメリットがあります。

計画的に学習する力がつく

検定という目標ができると、それに向けて計画的に学習を進める必要がでてきます。目標に向かって計画的に学ぶ習慣を身につけることは、小学校以降の学びにも大事なことです。
成績上位者は下位層よりも「何から勉強したらよいか順番を考える」「目標を決めて勉強する」「計画を立てて勉強する」といった学習スタイルの子が多いという調査結果もあります。
はじめは親のサポートが必要となりますが、幼児のうちからこの習慣を身につけ、その後の学びにもつながるようにしたいですね。

成功体験が自信につながる

成功体験の積み重ねは、子どもの自信につながります。
検定は、その合否や賞状から「できた!」がわかりやすいもの。努力して結果に結びついた経験は、学習面以外にもよい影響を与えてくれるはずです。

学びのレベルを確認できる

幼児期に家庭で何かしら学習をしている子も多いですが、今現在のレベルやその後の成果がわかりにくくありませんか。
検定を受けることでそれらが目に見える形で確認できます。
子どものモチベーションになることはもちろん、サポートする親側にとっても嬉しい機会です。

進学に役立つ

先述したとおり、思考力検定の4級以上に合格すると、入学試験で優遇処置を受けられる高校があります。
ほかの検定についても、上位級を取得は今後の進路選択の際に影響してきます。
せっかくなら幼児期以降も挑戦を続け、上の級を目指していきたいですね。

幼児期の検定受験で気を付けたいこと

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さまざまなメリットのある検定受験ですが、気を付けておきたいこともいくつかあります。

子供の「やりたい!」を尊重

幼児期の検定挑戦は、なんといっても子どもの「やりたい!」「たのしい!」という気持ちが重要です。
親としてはつい役立つ検定にチャレンジしてほしい、合格してほしいと思ってしまいますが、子どもの意思を尊重しましょう。
まずは子どもの興味のある分野の検定にチャレンジ。親が無理やりやらせて、学ぶ意欲を失わせる結果にならないよう気を付けなければなりません。

子供に合った受験方法を選ぶ

受験方法も子どもに合う検定を選びましょう。
検定によっては、会場で試験時間中座っている必要があります。本番に近い状態で問題を解いてみるなど、受験方法への対策も必要です。
まずは自宅で受けられる検定に挑戦するのが安心かもしれません。自宅で受けられるものは、ある決まった1日ではなく、数日ある期間内に受験すればよいものが多いので、その日の子どもの様子に合わせて受けられます。

不合格となったときの対処

不合格になる可能性があることを、子どもも親も頭に入れておかなければなりません。
もし不合格となった場合、それに対する親の対応が重要です。結果ではなく、それまでの経過に目を向けてみましょう。
親が子どもの努力の過程を認めて、やればできると励ますと、子どもの自己効力感(自分の能力への期待や自信や確信)が高まるそうです。
不合格となることに不安があれば、合否のない検定を受けるという手あります。

幼児期から検定にチャレンジしてみよう

幼児期からの学びにぜひ活用したい検定。紹介した検定に受験の年齢制限はありません。子どものやりたい気持ちを尊重し、楽しく受けられるよう、子どもに合った検定を選んで挑戦してみてください。

かず・かたち検定 https://www.su-gaku.net/suken/examination/summary/kk/
算数・数学思考力検定 https://www.shikouryoku.jp/
英検Jr. https://www.eiken.or.jp/eiken-junior/
子供英単語検定 https://www.eitangokentei.com/kodomo-eitanngo-kentei/
漢検 https://www.kanken.or.jp/kanken/

<参考>
ベネッセ教育総合研究所,小中学生の学びに関する実態調査,2014|https://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey-on-learning_ALL.pdf
同上,2015|https://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey_on_learning_report_5.pdf

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この記事のライター

かすみ
かすみ

東京都在住、2016年生まれ女児の母。大学卒業後は料理教室、食品マーケティング会社に勤務。出産を機に専業主婦となったものの、子どもと2人きりの日々から抜け出したく、地域のママ向けフリーペーパーの製作に携わるように。そこからライター・デザイナーとして活動中。