モンテッソーリ教育における重要な成長の法則【敏感期】。子どもをモンテッソーリ教育のプレスクールに通わせてからはじめてその詳細を学んだ筆者が、【敏感期】とはどんなものなのか、種類や時期、気を付けたいポイントなどをご紹介します。
モンテッソーリ教育の発達第一段階とは?
モンテッソーリ教育では、0~6歳のさまざまな発達段階のことを「発達の第一段階」と位置付けているそうです。また、何かに強く興味を持ち、同じことを繰り返すこの時期を【敏感期】と呼んでいます。大人は「この【敏感期】を理解し、適切に手伝ってあげることが必要」と考えられています。
子どもはよりよく生きるために自ら成長しようと、自発的にそのときどきに必要な課題に取り組んでいるのですね。では【敏感期】にはどんなものがあるのでしょうか、また家庭では、親はどのように接してあげればよいのでしょうか。
【言語】の敏感期(胎生7カ月~5歳半くらい)
最初にはじまるのが「話し言葉」における敏感期で、胎内で親の声を聞くことからスタートします。周囲の言葉をイントネーション、アクセントも含め難なく習得できる時期で、どんな国の言葉でも習得できるそうです。
3歳半くらいから書き言葉の「文字」に興味・関心が深まります。この時期にその心を満足させられる機会を多く持つことで、子どもは集中して「文字」を理解していきます。
【秩序】の敏感期(6カ月~3歳前後)
この時期の子どもは「順番」や「場所」「位置」「やり方」「誰のもの」などにとてもこだわり、それがいつもと異なると混乱し、不安になってしまいます。大人にとってはどうでもよいようなポイントに強くこだわるため、親はその行動にイライラしてしまい、叱ったり、厳しくしてしまいがち。筆者の次女はまさにこの時期で、毎日格闘中……。
でもこれらの行動は、抽象的な思考ができるようになるための基礎づくりの最中なのだそうです。いつも決まった秩序を保つことが、この時期の子どもの安心感に繋がるそうなので、家の中の秩序をなるべく一定にすることを心掛けています。
【感覚】の敏感期(0歳~3歳半)
0~3歳は感覚器官の成熟、五感による感覚的印象の吸収期。3~6歳は吸収したその印象を整理・分類・秩序化し、感覚器官を洗練していく時期。この頃に五感を洗練しなかったら、その子の一生は鈍感のままとなってしまう!?とまでいわれているそうで、これを聞いて大袈裟だなと思う反面、確かに重要かも……とも感じました。
この時期には、画面や絵からくるバーチャルな体験ではなく、五感を最大限に使う、本物に触れる実体験をたくさんさせてあげることが大事になってくるのですね。
【運動】の敏感期(6か月~6歳)
2歳頃になると「自分でしたい」と何でも自分でやりたがり、周りの大人の真似をする「模倣期」になります。自分のバッグを持ちたがったり、ボタンを自分でやりたがったり、飲み物を自分で注ぎたがったりしませんか?
見ている大人は、危ないから、時間がかかるから、邪魔になるから、と先回りして手伝ってしまいがちですが、子どもは自らの運動機能を獲得するため、実際に自分の体を動かしていろいろなものに働きかけてみているのです。
この時期には子どものサイズに合った道具を用意し、お料理やお掃除などのお手伝いを積極的にさせることで、子どもの欲求を満たすことが運動機能の発達に繋がるといわれています。
【数】の敏感期(4歳~6歳)
この時期には、自分から自発的に活動できる環境を用意し、手順や段取りが必要な作業をさせてみましょう。
失敗しても当然。失敗したら、その後始末の手順をやって見せることが大事だそうです。
【文化】の敏感期(6歳)
この頃から「子どもの世界」が拡大し、友だちやグループで一緒に何かをすることを好むようになるそうです。また社会性が発達するとともに、モラルや道徳心も育ってきます。
物事の本質が気になり「どうしてなの?なぜ?」と疑問を多く持つ時期でもありますね。
子どもを観察しよう
そのためにはまず、【子どもがやりたがっていることは何か】【難しがっていることは何か】を注意深く観察することが大切なのだそう。
この【敏感期】を知り、子どもへの接し方を知るだけでも、きっと気持ちが楽になるのではないでしょうか。
筆者は、モンテッソーリ教育に触れ、目の前の子どもが何をしたがっているのか、どの【敏感期】にいるのかがわかるようになってきたことで、わが子の成長をさらに楽しめるようになりました。
「ひとりでできた!」と子どもが喜ぶ機会をたくさんつくってあげられるとよいですね。