子どもが成長するにつれ、気になりはじめるのが勉強のこと。特に文字や数字の基本的な部分は、小学校入学までに家庭学習で身につけさせたい、と考えるパパママは多いのでは?そこで今回は、子どもが無理なく数字について学べる家庭学習方法をご紹介します。
七田式の右脳教育には楽しく学べる工夫がいっぱい
お子さまが無理なく楽しく取り組める学習法の一つに「右脳教育」があります。これは、小さな子どもがもともと持っている右脳の能力を、最大限に活用して行う勉強法です。
たとえば、フラッシュのように現れる数字を次々と暗算する、「フラッシュ暗算」。これも右脳の力によるものです。
右脳には、高速で大量に情報を入力し処理する能力があるといわれています。ここに注目したのが「右脳教育」なのです。
この右脳教育を取り入れた教育法の一つに、「七田式」があります。七田式の右脳教育では、子どもが楽しく学習に取り組めるよう、さまざまな工夫がなされています。
そんな七田式の中で、今回ご紹介したいのが「数」の教え方。特別な教材などは必要なく、家庭学習として取り入れられることがたくさんあります。学習方法を段階ごとに見ていきましょう。
ステップ1:1~10まで数唱させる
日常生活の中で、「数」に触れる機会はたくさんあります。この毎日の体験を上手に利用することで、無理なく数への興味を引き出すことが可能です。
なかでも「数唱」は、小さなお子さまにも取り入れやすい活動です。たとえばお風呂に入るときに、「10数えたら上がろうね」などとお子さまに声をかけることはよくあること。生活の何気ない場面で、お子さまと一緒に数唱することを繰り返しましょう。お風呂以外にも、「階段を上るとき」「手を洗うとき」など、工夫次第でさまざまな場面で数唱が可能です。
ただし、「10数えてごらん」というと、お子さまは「無理強いされた」と感じてしまうことも。日常の場面で取り入れることで、無理なく自然に数唱をさせることができます。最初はパパママも一緒に数唱し、少しずつお子さま一人でも数唱ができるように導いてあげてください。
ステップ2:物と数を対応させる
たとえばおやつの時間に、「お皿の中にクッキーを2個、あめを2個入れてね」と、お子さまに準備を手伝ってもらいます。最初は保護者の方が一緒に行いましょう。
このとき、2種類のものを用意し、それぞれ同数入れさせることがポイントです。「種類が違っても数は変わらない」という、数の基本的な概念を伝えることができます。お菓子の数は、少しずつ多くするなど変化をつけていきましょう。
お菓子以外にも、おもちゃや絵本などさまざまなものを使って取り組んでください。好きなものを数えることで、楽しみながら物と数を対応させる経験を積むことができます。
ステップ3:数字と数を対応させる
まず、1~10までの数字が書かれたカードを用意し、パパママと一緒に1から順番に読み上げながら並べていきます。それができるようになってきたら、カルタのように、読み上げられた数字のカードをお子さまがとってみましょう。保護者の方と競争しながら行うと、一層ゲーム性が増して楽しめます。
カレンダーや時計など、身の回りの数字が付いたものを使うのもおすすめです。「今日は何月かな?」「今、長い針はどの数字のところにある?」などクイズのように聞いてみると、無理なく数字をマスターできるのではないでしょうか。
ステップ4:物と数字を対応させる
ステップ2と同様、お子さまの好きなものを取り入れ、無理なく進めていきましょう。たとえばおやつなら、お皿の前に数字のカードを置いておき、その数字の数だけお菓子を入れてもらいます。
小さな数からはじめて、少しずつ大きな数に挑戦させるようにしましょう。
ステップ5:数の合成を理解させる
たとえば、紙に1~5の数字を書き、数字の下に一つずつあめを置いていきます。並べたあめの下に、あめを2つ並べ、「上と同じようにあめを並べてね」とお子さまに声をかけます。お子さまが並べてあった2つのあめの横に、3つあめを並べることができたら、「2つと3つで5つになったね」と声をかけましょう。
これを「1と4」「3と2」などあめの数を変えて何度か繰り返します。こうすることで、足して5になる数字の組み合わせを知ることができます。
5に慣れたら、最初に並べるあめの数を少しずつ大きくしていきましょう。最終的には10個のあめで試してみてください。
数の合成が理解できたら、足し算九九にも挑戦してみましょう。
「足し算九九」とは、掛け算の九九と同様、理屈抜きで足し算の答えを覚えてしまうことを言います。「1と1、2」「1と2、3」というように順に覚えていきましょう。これで速く正確に計算をすることができるようになります。
できることからコツコツと
また、机の前で「さあ、やってごらん」というのではなく、生活の中で自然に取り入れていくことも大切です。
今回は数の学習の方法を、七田式で取り入れられているやり方をもとにご紹介しました。しかし、発達の仕方は子どもにより差があります。今回ご紹介した方法を参考にしながら、お子さまの個性に合った家庭学習を模索してみてくださいね。