「お風呂入るよ~」と声をかけても毎日嫌がられるとストレスがたまりますよね。お風呂を嫌がるお子さまと一緒に読みたい、お風呂が大好きになる絵本をご紹介します。さまざまなシーンでパパママを助けてくれる絵本を紹介する連載『絵本はお友だち』Vol.11です。
「お風呂入ろう」「いや!」の攻防がなくなるかも!?
汗をかいたらさっぱり流し、寒い日はぽかぽか温めてくれる……いつの季節もお風呂は気持ちいいものです。
でも、「さあ、お風呂入るよー」と声をかけてスムーズに応じる子どもっているでしょうか!?
いや、いないと思います。
むしろ嫌がる子の方が多いかもません。
「顔が濡れるのが嫌だ」「服を脱ぐのが嫌だ」というお風呂嫌いの子もいれば、そこまではいかなくても、「今の遊びを中断したくない」「なんとなくめんどくさい」という子が多いのではないでしょうか。
「お風呂入るよ~」
しーん
「お風呂入るから、一回おもちゃ置いておこうっか」
しーん
「早く、ほら、お風呂入るよ!」
しーん
……この不毛なやりとりを毎日毎日繰り返していると、地味にストレスが溜まってメンタルが削られてきますよね。
でも、大人でも「お風呂、めんどくさいなぁ」と感じるときがあるくらいですから、欲望に忠実な子どもにとっては、より一層、そう感じられるのかもしれません。
めんどくさいと思うことを無理にやらせようとするより、それをそもそも「楽しいもの」にしてしまえば、子どもは自らやるようになるもの。
めんどくさい→楽しいに変換したい、そんなときに助けてくれるのは、やっぱり絵本です!
今回は、お風呂が大好きになる絵本をご紹介します。
楽しい「洗い合いっこ」で、お風呂に入りたくなる!
おふろだいすき!しろくまきょうだい
著者:まつおりかこ(作/絵)
出版社:教育画劇
お風呂が大・大・大好きなしろくまのきょうだいが、楽しく入浴する様子を描いた絵本です。
にこにこ笑顔で楽しそうに入浴する二匹の様子を見ていると、本当にお風呂が大好きなんだ、楽しいんだなぁと感じられて、なんだかお風呂に入りたくなってきます。
この絵本で注目してほしいのは、銭湯で出逢ったミケネコさんに洗い方を教えてもらうシーン。
3匹並んで座り、「イチ・ニ・サン・ニャー!」「ニーニ・サン・ニャー!」と洗い合いっこするのですが、これが本当に楽しそうなんです。
ぜひ、読みながらお子さまとこの「洗い合いっこ」のマネをしてみてください。
はじめは、大人がお子さまの背中を「イチ・ニ・サン・ニャー!」「ニーニ・サン・ニャー!」と洗うマネっこ。
つぎにくるっと後ろを向いて、お子さまが大人の背中を「イチ・ニ・サン・ニャー!」「ニーニ・サン・ニャー!」とゴシゴシします。
そんな楽しい絵本時間を過ごしたら、「あぁ、これ、お風呂でもやってみたい!」と思うことでしょう。
そこで、次にお風呂に誘うタイミングで「お風呂でイチ・ニ・サン・ニャー!やろうっか!」と声をかけてみてください。
きっと、目を輝かせて一目散に脱衣所に向かうこと、間違いないでしょう。
ぜひ、親子で試していただきたい一冊です。
動物たちの表情が伝える、「お風呂って気持ちいい!」
どうぶつえんの おふろやさん
著者:とよたかずひこ(作・絵)
出版社:ひさかたチャイルド
お風呂で温まると、どうしてあんなにも気持ちいいのでしょうか。
どんな寒い日でも、お風呂さえ入れば体の芯から温まります。
この、お風呂の持つ「ぽかぽか」「ぬくぬく」「気持ちいい」を体験できるのが、この絵本です。
動物園にいるいろんな動物たちが、次々とお風呂にやってきます。
動物の子どもたちは、ゾウさんのお鼻を使ってお風呂ですべり台!
そして、大人も子どももみんなでぽかぽかぬくぬくと温まるのです。
その様子が、なんと気持ちよさそうなことでしょう!
みんなの表情を見ているだけで、幸せな気持ちになってきます。
あぁ、お風呂って本当に気持ちがいいんだなぁ、私も入りたいなぁ。
そんな風に思ってくれるのではないでしょうか。
こちらは、「ももんちゃん」のシリーズでおなじみの絵本作家・とよたかずひこさんによる「ぽかぽかおふろシリーズ」シリーズの中の一冊です。
「ぽかぽかおふろシリーズ」シリーズには、「やまのおふろやさん」「うみのおふろやさん」「まちのおふろやさん」などいろんな「おふろやさん」を楽しむことができます。
どれもお風呂の楽しさ、気持ちよさを感じられる絵本なので、他の絵本もぜひチェックしてみてくださいね。
シャワーが苦手な子もトライしてみたくなるしかけ絵本
シャンプーだいすき
著者:きむらゆういち(作)
出版社:偕成社
「お風呂が嫌い」な子は、「シャワーが苦手」という子が多いのではないでしょうか。
顔に水がかかっても平気な子もいれば、極度に嫌がる子もいます。
「あかちゃんのあそびえほん」シリーズの一冊であるこの絵本では、ことりのピイちゃんやこいぬのコロ、かいじゅうさんなどおなじみのキャラクターたちが順番に、腕、足、背中、顔をごしごしと洗います。
しかけ絵本になっているので、泡でごしごしあらって、ページをめくるとシャワーで流す、という構成です。
そして、最難関であるシャンプーに挑戦するのは、ゆうちゃん。
自分と同じくらいの人間の子どもが挑戦するので、お子さまもシンパシーを感じるのではないでしょうか。
もこもこの泡で頭をゴシゴシ洗うページから、しかけをめくれば、シャワーでジャーと流してさっぱりきれい!
「ピイちゃん、お顔ジャーっと流したね」「かいじゅうさん、お背中上手に流したね!」「ゆうちゃん、シャワー上手にできたねぇ!」なんて声をかけながら一緒に読み進めていると、お子さまの中に「自分もできるかもしれない」という自信が生まれてくるかもしれません。
絵本を読みながら、キャラクターたちのマネっこをして洗ってみるのもいいですね。
「自分もできるかもしれない」という気持ちを積み重ねていくことが、お子さまの自信につながるはずです。
ぜひ、お試しください!
絵本の力でお風呂大好きに
そして、親子にとって最高のスキンシップの時間でもあります。
そんなお風呂タイムを楽しく迎えられるよう、ぜひ、絵本を取り入れてみてくださいね。