春の七草は食べて楽しみ、秋の七草は目で見て楽しむといわれています。この七草に関する特別な国民行事はありませんが、古くからこの季節にちなんだ草花をもとに人々は俳句や短歌を詠む習慣があったようです。今回は「秋の七草」をテーマにいろいろご紹介します。
観賞で楽しむ……秋の七草を調べてみよう
どれも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。今は「春の七草」のほうが浸透しているように感じますが、古来「七草」といえば「秋の七草」を連想したそうです。
花を見てそこから感じたことを俳句や詩、そして短歌に表現していました。
秋の七草の由来となる短歌が存在します
「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」……秋の野に咲いている花を指折り数えてみると七種類の花があります。
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花」……はぎのはな おばな(ススキ) くずのはな なでしこのはな おみなえし またふじばかま あさがおのはな。
それぞれ万葉集の中の一つですが、秋の野花を表現しており、後者の短歌は秋の七草をそのまま詠っています。
あさがお……桔梗やヒルガオという説もあり、現在は「桔梗」でも浸透しているほどです。
親子で秋の七草を探してみよう!
リズミカルに口ずさめば簡単に覚えられます
秋の七草に関連した絵本もあります
著者 :かこさとし(文・絵)
出版社 :小峰書店
だるまちゃんシリーズでおなじみの「かこさとし」先生が一年を月ごとに区切って、その時期の特徴や地域のイベント、暦の意味や古くからの習わしなどといったものを子ども向けに解りやすくした大型の行事絵本です。
「9月のまき」に秋分や台風、月の満ち欠けにおいてといった秋ならではのことが書かれていて、その中に秋の七草についても記されています。絵と文で子どもたちが楽しく学べる絵本です。
時代は変われど自然はそのまま
秋になって道端を歩いてみてください。自然に関心を寄せるとてもよいきっかけづくりになるのではないでしょうか。