英語などの外国語、ずっと勉強してきたのに、なかなか自信が持てないという方が多いのでは?子どもには語学に自信を持たせたいと思っているご家庭も多いでしょう。ヨーロッパに住んでみると、エリートでなくても3カ国語、4カ国語を話せるという人がたくさんいます。そんなヨーロッパの外国語学習について、フランスからお伝えします。
実は外国語が苦手なフランス人
フランス人がフランス語に自信を持っているからだ、と言われていますが、筆者はそれだけではないと思います。実は、フランス人は英語を含めた外国語に自信がない人が多いのです。フランス人たちと外国語について話すと、日本人並みの外国語コンプレックスを持っていることが分かります。
そんなフランスでも、2001年に始まったヨーロッパ共通の外国語学習システムの中で、2008年以降は小学校1年生から外国語教育を始め、高校卒業後には最低でも2つの外国語を使えるようになろうという目標が、国民教育省によって定められました。
ヨーロッパの外国語教育
A1・A2・B1・B2・C1・C2というレベル分けを見たことがありますか?このレベル分けは、ヨーロッパ言語共通枠を使っているんです。
英語やフランス語だけを重要視するのではなく、全ての言語を平等に扱っている、というのが新しい考え方です。
複言語主義って何?
例えばフランスでは、両親とはアラブ語で、学校ではフランス語で、仕事では英語でコミュニケーションをとる、というような人がたくさんいるからです。それぞれの言語を使ってできる能力を認めようという考え方なのです。
日本に住んでいても、幼稚園では日本語で、プリスクールでは英語で、友達とは片言の中国語で会話ができる子どもは、立派な複言語主義を実現している子どもだと言えます。
ネイティブのように話せなくてもいい?
ヨーロッパでは3カ国語、4カ国語を話せる人も少なくありません。筆者は8カ国語話せる人に会ったこともあります。彼らに共通して言えるのは、発音の良さなどにこだわっていないということです。言語はコミュニケーションのための、「ツール」にすぎませんから、それを使って何かを伝えたり、何かが分かれば、それだけでも素晴らしいことなのです。
行動をする中で言語学習♪
例えば、英語を使ってインターネットで何かの情報を探すことができれば、これも一つの外国語能力です。韓国語や中国語で観光客に挨拶ができることも、一つの能力なのです。
いい点数をとるため、試験に合格するための外国語ではなく、それを使って実際の生活で何ができるか、というのが大切なのです。外国語のレベル判定は、現在自分がその言語を使って何ができるかを知るためにあり、高いレベルの証書をもらうためのものではない、というのが根底の考え方としてあります。
外国語を使って「できる」ことを増やそう!
外国語のアニメや映画を見せるのも一つの方法でしょう。外国語を理解することができるようになります。
いろいろな言語を使う家庭と交流させることもいいかもしれません。いくつもの言葉を使うことへの精神的ハードルを下げることができます。
海外旅行で積極的に子どもに質問などをさせるのも、「コミュニケーションができた!」という自信をつけてあげることができるかもしれません。
その際、「こんなことができるんだね!」と褒めてあげてください。「できる」というポジティブなイメージが子どもの外国語学習への自信につながります。
外国語学習へのプレッシャーをなくそう!
「できる」能力を評価したり、行動しながら学んだり、お子さまの外国語教育を行う上で、ポジティブな力になるアイデアがたくさんあるのではないでしょうか。
現在フランスの子どもたちが外国語を使用するのに自信を持っている姿をみたとき、外国語に自信がなかったり、発音が気になったりするのは、受けた教育によるものなのだな、と実感します。教育方針によっては、自信を持って外国語を話せる子どもを育てることができるのです。
ヨーロッパとは地理的事情も違う日本ですが、参考にできるアイデアは積極的に取り入れていきたいですよね!