「春」という言葉は、季節を表すものであるとともに、幸せや未来といったポジティブなイメージもあります。厳しい冬に耐え、春を待つ人の思いがしのばれることわざを集めました。春を迎える喜びを感じながら、お子さまと一緒に春のことわざを味わってみましょう。
春の雪と子どもの喧嘩は長引かぬ
「春なのにこんなに雪が降って、積もったらどうしよう」「こんなにひどい喧嘩をして、明日から仲良しに戻れるだろうか」なんて心配はまさに杞憂。恐れるに足りないものを表すことわざです。
同じような意味のことわざに、「春の雪と年寄りの腕自慢はあてにならぬ」「春の雪と歯抜け狼は怖くない」などがあります。どれもユーモラスなことわざなので、ぜひ口に出して言ってみてください。
春眠暁を覚えず
この詩がことわざとして、現代まで伝わっているのは、春の朝の寝心地に共感する人が多いためでしょう。
「まだ眠いよ、まさに春眠暁を覚えずだね」、「うちの子、春眠暁を覚えずで、まだ起きないのよ」というふうに使います。
格調高い言い回しに反して、内容は誰でも身に覚えのあることなので、お子さまも気に入って使うかもしれませんね。
春宵一刻値千金
「春の夜はたいへんすばらしく、短い時に千金の価値があるほどだ」という、春の夜を称える言葉です。
花が咲き、鳥が歌う明るい春の日もよいですが、日が沈んだ後も趣深いもの。お子さまと一緒に、夜に「春さがし」をしてみてはいかがでしょうか?
春植えざれば秋実らず
「春植えざれば秋実らず」も、よく似た意味のことわざです。春に種をまかないと秋の収穫はできない、つまり、やるべきことをやっておかないと成功は望めないといった意味で使われます。
何かがほしい、何かをやってみたいと思っているお子さまにぴったりではないでしょうか。親子で一緒に「種をまく」ことで、小さな実りを味わうことができるといいですね。
我が世の春
すべてが自分の思い通りになる絶頂期を、思う存分楽しむときに使われます。お子さまにとってみれば、お誕生日やクリスマスなど、ごちそうやプレゼントが待っている時期にあたるでしょうか。
春のことわざには楽しいものがたくさん
ときに子育ては、親にとってつらく苦しいものでもあります。しかしそんなつらい時期も、春の雪や子どもの喧嘩と同じく、過ぎてしまえばあっという間かもしれません。日々の忙しさもあり、「春眠暁を覚えず」といった朝にも、いつか「我が世の春」が来ることを信じて、一緒にがんばりましょう。