2020年度より外国語活動が早期化され、小学3、4年生からスタートします。これを受け、英会話教室のイーオンが小学校教員を対象に調査をしたところ、約90%が早期化に賛成と回答。その理由と結果から見えてきた課題を、外国語活動の早期化についても解説しながら説明します。
小学校における外国語活動の早期化とは?
そして5、6年は英語が教科書を使う正式な教科に格上げされ、「外国語科」に。これに伴い、数値による成績がつくことになります。
小学3、4年の外国語活動は、「聞く」「話す」が中心で、15コマ新設されます。5、6年ではさらに「読む」「書く」が追加され、現在より15コマ増の50コマとなります。コマ数増加による時間確保のため、総合学習の時間を15コマまで外国語活動に振り替えることが認められています。
「次期学習指導要領」の施行は2020年度で、2018年度から2年間は移行期間。全面実施されると、英語の授業時間はさらに増え、小学3、4年が35コマになり、5、6年は70コマとなります。
約90%の小学校教員が早期化に賛成
その結果、「外国語学習の早期化」については、87%が賛成と回答。その理由は、大きく次の2種類にわけられました。
ひとつ目は「英語に慣れ親しむ年齢は早いほうがよい」「中学年からはじめた方が興味をもったり、抵抗なくはじめられたりする」など早期化そのものを評価。ふたつ目は「高学年の英語科がスムーズに行える」など、教科化の前段階としての早期化を評価したものです。
また、「小学5年生から英語が教科化されること」については、63%が賛成という結果になりました。「中学英語にスムーズに移行するため」など、小中連携を見据えた上での賛成意見が特に多くみられました。一方で、 「評価をすることで、英語嫌いが増える」と懸念する声も出ています。
ニュースリリース|英会話 AEON イーオン
教員自身の英語力アップの時間確保に苦労
昨年の結果と比較すると、1日および週あたり、どちらの学習時間も下回る結果に。目前に迫った英語学習の早期化に賛成する意見が多いものの、自身の学習時間を確保することが難しい状況がうかがえます。
外国語活動の課題は「評価の仕方」がトップ
2位以下は、「クラスルームイングリッシュ」が83%、「授業案の作成」が81%という結果に。評価だけでなく、授業内容にも課題があることがうかがえます。
子どもがグローバル化に対応できるように……
しかし、小学校教員の長時間労働や指導力の向上、教材開発など課題も多くなっています。また、全面実施に向けたコマ数確保のために、1日の授業時間数を増やしたり、土曜日や夏休みを活用しようという案も。教員だけでなく、子どもの負担増や保護者の反発も予想されます。
早期化に向けての課題は多く、それぞれの立場で意見があるのは事実。文部科学省と教育現場が連携し検討を重ねながら、子どもの将来のために、よりよいカリキュラムで進むことを願います。