2017年05月28日 公開

夫が海外赴任に!子連れ同行するメリット&デメリット

グローバル化が進み、海外に長期滞在する日本人の数も年々増加しています。ご主人が海外赴任をする可能性があるご家庭も増えているのではないでしょうか。夫の海外赴任に同行し、インドで3年暮らした筆者が、子連れで海外赴任に同行するメリットとデメリットをご紹介します。

グローバル化が進み、海外に長期滞在する日本人の数も年々増加しています。ご主人が海外赴任をする可能性があるご家庭も増えているのではないでしょうか。夫の海外赴任に同行し、インドで3年暮らした筆者が、子連れで海外赴任に同行するメリットとデメリットをご紹介します。

子連れ赴任をして良かったこと

海外駐在員の生活は、渡航先の国や地域、会社のサポート体勢などによって大きく異なります。そのため、あくまでも筆者が体験した範囲での話とはなりますが、インドへ子連れ同行をして良かったと感じたことをご紹介します。

子どもを通じて交流が広がる

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子連れで一番恩恵を受けたと感じたのは、子どもを通じて日本人や現地の方との交流の輪が広がったことです。

インドでは日本人会にママサークルがあり、近しい月齢の赤ちゃんを連れてきたママたちと交流ができました。また、現地の保育施設を利用しているうちに、同じスクールに通っているインドのママたちと顔見知りになり、一緒に遊ぶこともありました。

特に長女の学校で出会ったママ友たちとは、日本に戻ってきた今でも交流が続いています。日本とはまるで環境の異なるインドにひるまず、子連れで乗り込んできたママたちですから、とてもパワフルでたくましく、柔軟性があって気分転換が上手な方が多く、見習いたいと思う点がたくさんありました。

社交的とはいいがたい筆者が、夫の渡航先で孤独に陥らなかったのは、子どもを通じて素晴らしい友人に巡り合えたからだと感じています。

子どもに世界の多様性を教えられる

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筆者の長女は、インド滞在中に現地のナーサリースクール(保育施設)やインターナショナルスクールに通っていました。

そこではインド人はもちろん、中国や韓国、オーストラリアやイギリス、フランスやイタリアといったさまざまな国の子どもたちが集まって生活していました。目や肌の色、話す言葉や文化も、皆それぞれ異なります。

長女はその中で暮らすことで、自然と「世界には自分とは違う考え方を持っているひとが大勢いる」ことを学び、「違いはあっても、ちゃんと仲良くなれる」という自信をつけてくれたように思います。

長女の英語力は、ごく簡単な単語を2、3語ほど組み合わせて話すことができる程度でしたが、それでもインドのお友だちの家へ1人で遊びにいき、「楽しかったよ!」といって帰ってくる様子に、親の方が驚いたものです。

基本的な価値観などが形成されるともいわれている3歳から6歳のころに、こういった体験ができたことは、かけがえのない財産になったのではないかと思っています。

家族の絆が強くなる

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今でこそインドの首都には無印良品も出店し、暮らすのもずいぶん楽になったと聞いていますが、筆者がインドで暮らしはじめたころは、お店といえば小売店ばかりで「文房具ってどこで買うの?お肉はどこで売っているの?」と、まずはリサーチからはじめなければならない状態でした。

また、道路が慢性的に渋滞しているので買い出しにいくのも一苦労ですし、自宅はしょっちゅう停電(ときどき断水)、インド人の「ハーン、ティーケ(大丈夫の意味)」は全然大丈夫じゃないことばかり……。

日本で働いていたときは、夫の会社の働く環境や同僚などを知る由もありませんでした。けれど海外駐在に同行すると、夫の同僚のご家族と知り合う機会も増えますし、一緒に暮らしているので「インドならでは」の苦労も想像ができます。過酷な環境の中で働く夫への感謝の気持ちを強く持てるようになりました。

一方で、会社と自宅を往復するばかりの夫に代わり、生活を回すための細々とした作業で悪戦苦闘している筆者に、夫も常にねぎらいの言葉をかけてくれるようになりました。

インドに渡航する前は、筆者の夫は「家事育児の第一責任者は妻(筆者)」というスタンスで、良くも悪くも仕事に邁進するタイプでした。けれどインドの上司などから、「家族のケアをきちんとできないのはプロじゃない。家族の問題は仕事に大きく影響する」と言われたこともあり、家事や育児に積極的に取り組んでくれるようになりました。

インドでの生活を経て、筆者の家族のあり方は大きく良い方向へ変わったと感じています。

子連れ赴任のデメリット

リスク予測が難しい

一方で子連れ同行のデメリットもあります。ひとつは、子どもに関するリスク予測が難しいということです。

海外に住むと生活環境が大きく変わりますが、子どもが現地の生活になじめるかどうかは、行ってみないとわかりません。どうしてもなじめない場合は、帰国せざるを得ないこともあります。

また、特にインドのように水や空気の汚染が心配な場合は、子どもへの健康被害も心配です。筆者の知人の中にも、インドで生活しているうちに喘息のような症状が出るようになり、ご主人を残して母子で先行帰国をされている方がいらっしゃいました。

日本で暮らし続けることに比べると、思いもよらないことが起きる可能性も高くなるため、そのリスクを受容する覚悟が必要です。

自由に動けない

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渡航先でやりたいことができたとき、場合によっては子どもの預け先や学校などを確保しなければなりません。

信頼できるベビーシッターや保育施設、子どもが楽しく通える学校などがすぐに見つかれば良いのですが、うまくいかない場合もあります。

筆者もインドでやりたいことがいろいろとあったのですが、長女が気に入った学校は預かり時間が短く、0歳の次女を信頼して預けられるベビーシッターを見つけるのも難しかったため、結局多くの時間を主婦として自宅にこもって過ごすことになりました。

育児環境が日本よりも整っている国や地域も多いため一概には言えませんが、子どもの事情によっては思ったように自由に動くことができず、海外での生活を存分に味わえないこともあります。

子どもの教育が難しい

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筆者の長女はまだ幼稚園児でしたので、それほど学習面での悩みは深くはなかったのですが、やはり日本で暮らす同年代の子と比べると日本語の発達が遅いことや、外遊びの時間が少なく体力がないことなどが気になっていました。

小学生以上の子どもを抱えるご家庭では、日本の教育と現地の学習の両立に苦労したり、受験はどうするのかということで悩んだりされる方が多かったのも事実です。

特に赴任期間が指定されていない海外駐在の場合、例えば中学3年生の時期に突然帰国を命じられ、慌てて日本の高校を探すことになってしまうなど、子どもの進学ルートに大きな影響が出てしまうこともあります。

またピアノやバレエなどの習い事を続けさせてあげたくても、渡航先の国や地域では良い先生や教室が見つからず、断念しなければならないこともあります。

それでも子連れでインドに滞在して良かった!

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数えきれないほどのトラブルに見舞われながら3年を過ごし、日本へ帰ってきましたが、あのとき思い切ってインド行きを決意して本当に良かったと思っています。

3年間滞在しても、知ることができたのはカオスなインドのほんの一部分だけだったと思いますが、「日本の常識は世界の非常識」であることを嫌というほど実感でき、家族そろって予測不能なトラブルにもめげないタフな精神が養われたことは、その後の生活にも大きな影響を与えています。

また、子どもが日本以外の国々を身近に感じ、興味を持って接することができるようになったことは、とても大きな収穫だったと感じています。

海外駐在に同行することは、リスクもありますが、海外にいるからこそ得られるメリットもたくさんあります。ぜひ状況が許す場合には、家族そろって海外で駐在生活をすることに挑戦してみてくださいね。

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この記事のライター