2019年01月07日 公開

学問の神様「菅原道真公」の生涯とは?合格祈願ができる神社10選

学問の神様として知られる「菅原道真公」ですが、その生涯はどのようなものだったのでしょうか?神様と祀られるまでの生涯を追ってみましょう。「学問の神様」が祀られている神社もご紹介します。受験を控えたお子さまがいるご家庭は、参拝の参考にしてみてください。

学問の神様として知られる「菅原道真公」ですが、その生涯はどのようなものだったのでしょうか?神様と祀られるまでの生涯を追ってみましょう。「学問の神様」が祀られている神社もご紹介します。受験を控えたお子さまがいるご家庭は、参拝の参考にしてみてください。

「学問の神様」菅原道真(すがわらのみちざね)とは

中国書道筆 審美的な 芸術表現 · Pixabayの無料写真 (125528)

学生のころに学問の神様として、菅原道真公について習った記憶があるという方は多いでしょう。では、なぜ道真公は学問の神様とされているのかご存じでしょうか?道真公が神様として祀られるまでの生涯を辿ってみます。

生涯と神様として祀られるまで

【幼少~青年期】
菅原道真は承和12年(845)、京都で生まれます。祖父や叔父、父親も漢学に親しむ一家でした。道真も幼いときから漢学に触れ、大変頭が良く、その才能は若い頃から開花します。18歳の若さで、現在でいう大学生にあたる文章生(もんじょうしょう)に合格。当時40人いた文章生の中でも、最優秀の2人に選ばれるほど優秀だったと記録が残されています。26歳のときには、「方略試」(ほうりゃくし)という最難関の公務員登用試験にも合格します。

【転機を迎える30代】
30代になると、現在の大学教授の座である文章博士(もんじょうはかせ)に就きます。父親が亡くなったあと、父親が経営していた私塾を道真が引き継ぎ。多くの優秀な学者を生みだすようになりました。

【政治家としてのスタート】
当時の天皇であった宇多天皇にその優秀さを認められ、道真は政治の道に進むようになります。宇多天皇に重用された道真は順調に出世し、894年には遣唐使廃止を提案するなど、右大臣にまでのぼりつめました。当時の朝廷では、藤原時平が道真よりも上の位である左大臣に就いています。藤原氏という貴族家系である時平からすると、学者出の道真が政界で出世していくことは、あまり気分の良いものではありませんでした。

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【道真、大宰府へ】
道真の才能や天皇から受ける重用に嫉妬した時平を中心として、道真を政界から追いやろうする向きが高まります。そのころ宇多天皇には2人の息子がいて、そのうちの1人に天皇の座を譲り、自分は宇多上皇となっていました。天皇の座を譲り受けたのが醍醐天皇であり、もう1人の息子が斉世親王です。

道真の娘は斉世親王の元へ嫁いでおり、時平はこの関係性を使って道真を陥れることを思い付きました。時平は、醍醐天皇に「道真が娘を斉世親王に嫁がせ、政界での力を強めようとしている」と噂を流します。道真の優秀さをよく知っている醍醐天皇は、自分の座が危うくなると危機感を覚え、道真を都から遠く離れた地方の行政機関、「大宰府」(現在の福岡県)の役人に任命。左遷しました。

【神様として祀られる道真】
大宰府に左遷されて2年後、道真は死んでしまいます。その後、都では疫病が流行り、貴族が原因不明で相次いで死に倒れ、時平や当時の皇太子も死んでしまいました。ついには宮中に落雷があり、醍醐天皇も死ぬことになります。

人々が道真の祟りだとして恐れているところに、都の貧しい女性が道真から「右近の馬場(現在の北野)にほこらを建てて、私が立ち寄ることができるようにせよ」というお告げを聞き、天満天神(※)として菅原道真を祀るようになります。

大宰府で道真が息を引き取ったことから、道真の怨霊を鎮めるために大宰府にも社殿を造ることに。これが現在の北野天満宮と太宰府天満宮です。現在でも多くの人が天満宮を訪れ、道真公を神様(天神様)として信仰しています。

※天満:「怒りが天に満ちた」という意味 天神:人々に災いを与える荒ぶる神の総称

菅原道真と梅

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菅原道真公を祀る全国の神社には、梅が植えられていることが少なくありません。これは、道真公が読んだ和歌にちなんでいるとされています。
『東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな』
「春の東風が吹くようになったら、花を咲かせて風に乗せて大宰府へその香りを届けてくれ、梅の花よ。主の私がいないからといって、春を忘れないでおくれ」という内容。左遷されて大宰府に入る道真公が、京都の大好きな紅梅殿の梅の花に寄せて詠んだ歌です。

太宰府天満宮には梅が植林されており、飛梅伝説として語られています。

天満天神を祀る日本の神社

全国には天満天神、すなわち菅原道真公を神様として祀っている神社がたくさんあります。なかでも代表的な神社は、先にも登場した太宰府天満宮と北野天満宮。そのほかにも天満天神を祀る神社があるので、あわせてご紹介します。

太宰府天満宮

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太宰府天満宮は福岡県太宰府市にあり、現在は全国の天満宮の「総本宮」として人々から信仰されています。道真公の死後、その遺体を牛車で運んでいる最中に牛が座り込んで動かなくなったことを受け、その場所に遺体を埋葬し、現在の太宰府天満宮が建てられたとされています。
【所在地】
太宰府天満宮
福岡県太宰府市宰府4-7-1

【時間】
・開門時刻
午前6:00(春分の日~秋分の日前日)
午前6:30(上記以外)

・閉門時刻
午後7:00(4・5・9・10・11月)
午後7:30(6月~8月)
午後6:30(12月~3月)
午後8:30(毎週金曜日・土曜日)

【拝観料】
無料

【アクセス】
西鉄太宰府駅より徒歩5分

北野天満宮

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北野天満宮は京都府京都市上京区にあり、全国の天満宮、天神社の「総本社」として信仰されています。京の都で疫病を流行らせ、多くの人や重役人を死に至らしめる道真公の怨霊を鎮めるため、947年に建立されました。

道真は北野の地を大変気に入っていたとか。なかでも梅の咲く頃に強い思い入れがあったとされています。

【所在地】
北野天満宮
京都府京都市上京区馬喰町

【時間】
午前5:00~午後6:00(4月~9月)
午前5:30~午後5:30(10月~3月)

【拝観料】
無料

【アクセス】
JR京都駅より市バス北野天満宮前下車

防府天満宮

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防府天満宮は山口県防府市にあり、大宰府へ向かう途中に立ち寄った場所だとされています。京都と陸続きで、つながりがある最後の場所で無実の知らせを待ちたいと道真が言っていたという伝えも。道真の死後、魂の宿る住まいとして天満宮が建てられたとされています。
【所在地】
防府天満宮
山口県防府市松崎町14-1

【時間】
午前6:00~午後8:00

【拝観料】
無料

【アクセス情報】
JR山陽本線防府駅より徒歩15分

全国の「学問の神様」を祀る神社

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全国には「学問の神様」を祀る神社が数多くあります。毎年受験シーズンになると、それらの神社には合格祈願をする多くの受験生が参拝に訪れます。

ちなみに学問の神様とされているのは、菅原道真公だけではありません。小野篁や吉田松陰も学問の神様として祀られることがあります。こちらでは、全国にある学問に関係する神社を見てみましょう。

東日本

・札幌八幡宮(北海道)
北海道で最初に菅原道真公を祀ったのが、札幌八幡宮です。道真公のほか、開運・勝負の神様である八幡大神(応神天皇)も祀られています。
【所在地】
札幌八幡宮
北海道北広島市輪厚中央5-3-16

【時間】
終日開放

【拝観料】
無料

【アクセス】
中央バス輪厚(札幌八幡宮前)徒歩1分

・盛岡八幡宮(岩手県)
山車の巡行や流鏑馬が有名な盛岡八幡宮でも、菅原道真公が祀られています。境内に末社が10社以上あるという大変規模の大きな神社です。受験生はもちろん、全国から多くの参拝者が訪れます。
【所在地】
盛岡八幡宮
岩手県盛岡市八幡町13-1

【時間】
終日開放

【拝観料】
無料

【アクセス情報】
JR盛岡駅より車で20分

東京の湯島天満宮 - No: 1944611|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (125759)

・湯島天神 / 湯島天満宮(東京都)
458年に雄略天皇の名によって建立された神社で、天之手力雄命と菅原道真公を主祭神としています。学問だけでなく、宝くじ運や縁結びなどのパワーもあるとされる神社です。
【所在地】
湯島天神 / 湯島天満宮
東京都文京区湯島3-30-1

【時間】
午前6:00~午後8:00

【拝観料】
大人500円  高校・大学生 300円  小・中学生 200円

【アクセス】
東京メトロ湯島駅から徒歩2分

・小野照崎神社(東京都)
東京の下町にあり、小野妹子の子孫であり漢詩人・歌人の小野篁を学問の神様として祀っている神社です。同じく学問の神様、菅原道真公も相殿神として祀られています。
【所在地】
小野照崎神社
東京都台東区下谷2-13-14

【時間】
終日開放

【拝観料】
無料

【アクセス】
東京メトロ入谷駅より徒歩3分

西日本

・長岡天満宮(京都府)
菅原道真が太宰府へ左遷されたときに、立ち寄ったとされるのが京都の長岡です。道真公の死の知らせを聞き、中小路宗則が道真公を祀って建てられました。
【所在地】
長岡天満宮
京都府長岡京市天神2丁目15番13号

【時間】
終日開放

【拝観料】
無料

【アクセス】
JR長岡京駅より徒歩20分

・菅原天満宮(奈良県)
日本最古の天満宮だとされているのが菅原天満宮です。小さな神社ですが、道真公が生まれたという伝説のある天満宮で、受験シーズンには全国から多くの受験生がお参りに集まります。道真公のほか天穂日命、野見宿祢命を祀っています。
【所在地】
菅原天満宮
奈良県奈良県奈良市菅原町518番地

【時間】
終日開放

【拝観料】
無料

【アクセス】
近畿日本鉄道尼ヶ辻駅より徒歩10分

松陰神社 - No: 1992677|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (125762)

・松陰神社(山口県)
松下村塾で明治時代に活躍する多くの偉人を育てたことから、吉田松陰を学問の神様として祀っているのが松陰神社です。1月に開催されている学業成就をお祈りする勧学祭には、毎年多くの受験生が訪れます。
【所在地】
松陰神社
山口県萩市大字椿東船津1537

【時間】
終日開放

【拝観料】
無料

【アクセス】
山陰本線東萩駅より車で5分

受験前には学問の神様へお参りしよう

頭脳明晰だった菅原道真は、その頭の良さから嫉妬され悲運な運命をたどります。しかし今では「学問の神様」として、全国の人々から親しまれるようになりました。菅原道真公を祀る神社は、全国に建立されています。そのパワーを受けるために、受験前にはゆかりの神社を参拝してみてはいかがでしょうか?

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この記事のライター

コバヤシ トモコ
コバヤシ トモコ

奈良県出身/フリーライター/週末釣り部/海と釣りが好き/ 優しいダンナ君と優しい中学生の双子男子のステップファミリー