2024年08月05日 公開

夏は短し!ビーチへ急げ!イギリス海事情【英国すくすくレポ】

みなさんのイギリスの夏はどんなイメージですか?イギリスの夏って短いんですよ。今回の英国すくすくレポでは、イギリス生活での夏のビーチ事情をお伝えします。

日本の夏といえば、7月8月暑いのは当たり前という、気温的には良くも悪くも「夏気分」が保障されている気候だと思います。ところが、筆者が住むイギリスは残念ながらそうでもありません。イギリスに住んでいると「イギリスって寒いんでしょう?」と聞かれますが、イギリスにもちゃんと夏があって、気温が上がれば汗ばむ日中があったり寝苦しい夜になることもあります。

ただ、日本のように○月だから気温はこれくらいという予想はつきにくく、その時々で気温がかなり上下するため、夏のレジャーを計画するのが難しいというのが正直な感想です。
だからこそ、天気予報が「これからしばらく暑くなります」と言ったらば、テンションアップ!!夏を満喫するために、心はウキウキ、ビーチに行く予定を立てて張り切るのです!

今回の英国すくすくレポでは、そんなイギリス生活での夏のビーチ事情をお伝えします。

ヒートウェーブ(熱波)がやってくる~!

日本でも時々「ヨーロッパに熱波が来て、暑さが大変なことになっています。」という報道があるらしいのですが、皆様はご覧になったことがありますか?このようにイギリスでは、熱波がやってきたらその期間だけ夏気分が味わえるというような感じが否めません。熱波が去ってしまうと、7月8月でも涼しい日が多く、「あれ?もう夏は終わったんだっけ?」というようなジョークが交わされます。

熱波が『いつ来るか?』や、『一年に何度来るか?』は決まっていませんが、熱波が来るときにはある程度事前に予想が発表されます。「2週間後くらいに来るらしい」「来週から暑くなるらしい」と天気予報を見た人々の間でしばらく挨拶と共に会話にとりあげられます。そして、多くの家庭で暑いうちにビーチへ遊びに行こうとなるわけです。このチャンスを逃すと、次に水遊びをしにビーチへ行ける日がいつになるかがわからないので、自然と気持ちが盛り上がります(笑)夏休みに海辺のホリデーに行きたいなと思ったとしても、いったいどの日が子ども連れでビーチ遊びに適している日なのかは、ちょっとした賭けです。
日本のように、今週行けなくても来週行けばいいかなとか、今月中に良ければいいかなというふうな計画が立てられないのが、とっても残念!日本が羨ましいです!

熱波はだいたい数日から1週間ほど、長くて2週間くらいのときもあります。この期間は、ビーチに訪れる人の数が通常の何倍にも増え、人気のビーチでは事前にオンライン予約をしないと入れないビーチもあるほどです。とは言え、ほとんどのビーチは予約は不要ですが、それでもビーチ日和に海へ行くと、駐車場が満車で入れないということは大いにあり得ます。それほど、イギリスに住む人々の多くが、夏らしい気温になってビーチに行くのをを心待ちにしている感じがします。

ということで、ちょうど海辺のホリデーを計画していた期間が熱波または天候に恵まれたら気分は最高潮!「ツイてるー♪」と思わず叫ばずにはいられません。(ビーチ日和に駐車場に空きがあったときも同じく!)

イギリスのビーチと言えば…

イギリスは島国なので、ビーチは沿岸に多く存在しています。各地で特徴はありますが、それでも「イギリスのビーチや海辺」といえばコレというものがいくつかあります。その中でも代表的なものが『ビーチハット』。ハットと言っても帽子のハット(hat)ではなく、小屋などを指す(hut)のことです。

日本のビーチには海の家(風通しの良い、大きな建物)が建っていることがよくありますよね。海の家ではその中の一部の空間やテーブルとイスのスペースをレンタルするかと思いますが、イギリスのビーチには、海の家のようなみんなで使う建物というのはあまり見かけません。その代わり、ビーチ沿いにずらりと並んで建てられたビーチハットという小屋があります。大体のビーチハットはカラフルにペイントされていることが多く、カレンダーの写真や夏を表すもののデザインモチーフなどによく使われる、イギリスの海らしい建物です。大きさやデザインもビーチによって少しずつ異なるようですが、同ビーチエリアに横並びになっているビーチハットは大体共通のデザインで統一されています。ビーチハットの中には紅茶をいれられるスペースや日光を避けてくつろげるスペースが作られていて、小さなおうちのような感じで可愛いです。

購入する方法とレンタルする方法がありますが、最近ではAirbnb(エアビー)でも貸し物件として登録されていることが多く、夏の旅行に合わせてレンタルし、ビーチでの時間をのんびり過ごす方や、誕生日パーティーなどのイベントに利用する方などもいるようです。

他にもイギリスのビーチでは日差し除け用のテントや、パラソル(parasol – 直射日光を遮るための大きな日傘)や、ウィンドブレーカー(Windbreaker – 数本の棒にビニール生地の布がついており、砂に突き立てて壁を作るもの。風や視線を遮る用途としても使われる)、デッキチェア(Deckchair – 折り畳み式の枠に、布製の背面と座面がついている椅子)などを持参したりレンタルして使ってらっしゃる方も多くみかけます。

その他の『夏の定番』いろいろ

ビーチハット以外にも、イギリスのビーチの定番があります。それはIce Cream Van(アイスクリームバン)と呼ばれる移動式のアイスクリーム屋さんです。袋入りの棒アイス(アイスロリー)や、スクープアイスやソフトクリーム(ミスターウィッピーと呼ばれることが多い)を扱っているお店(車両)もあります。ビーチ沿いやビーチの駐車場にアイスクリームバンを停めて販売しているので、暑い夏の日は行列ができ、すぐに見つけることができます。

とはいえ、アイスクリームバンはビーチだけに来るものではなくて、人が集まりそうな場所なら結構どこでも出現します。ピクニックでにぎわう広大な土地の公園や、国立公園や森の駐車場、熱波が来て暑くなれば住宅地にもやってきてアイスクリームを売ってくれます。アイスクリームバンは、可愛い音楽を鳴らしながら現れるので、その音を聞いた子ども達は「アイスクリームバンが来た!ダディ、マミィ、アイスクリーム買いたい!」とソワソワ。あの音楽を聞くたびに、夏が来たなぁ~と思います。

最後にもう一つ。イギリスのビーチの定番と言えば『日焼けする人々』を語らずにはいられません。本当に文化が違うのだなぁと実感するのが、このイギリスの「日焼けしたい」文化と日本の『日焼けしたくない文化」についてです。私は日本人の肌の中でも、特に日焼けをしやすい体質ですぐに肌の色が変わってしまうので、できれば焼きたくないと思いながらも毎年日焼けしてしまいます。(イギリスの日光・紫外線は意外と強いのです…)そんな私の気持ちとは正反対に、イギリスの方は焼けにくいからこそ日焼けしたいようで、ビーチサイドで寝そべって肌を焼いている方が本当に多いです!日本だとなかなか見かけない光景かもしれません。

イギリスの夏に、ぜひ遊びに来てください!

イギリスのビーチは砂浜と小石のものがあります。砂浜のビーチはSandy Beach(サンディビーチ)、小石のビーチはPebble Beach(ペボゥビーチ)と呼ばれます。海辺の町は観光地や人気のあるホリデー先になっていて、レストランや店が集まるエリアが近くにあることがほとんどです。そういった場所にはフィッシュアンドチップスの有名な店もあるので、レストランで海を感じながら食べたり、フィッシュアンドチップスをテイクアウェイ(テイクアウト)で買ってから海辺に戻り、景色を眺めながら食べることがビーチの過ごし方の定番の一つでもあります。

上の写真はDurdle Dooe(ダードルドア)と呼ばれるイギリス南部の観光名所です。この一帯はジュラシックコーストと呼ばれ、世界遺産にも登録されています。運が良ければ浜辺で化石を見つけることができるらしいですよ!

イギリスの夏は日本より湿気が少ないぶん過ごしやすく、こういった知育にピッタリの場所も多く存在しているので、お子さまとの夏の旅行先としておすすめです♪機会があれば、ぜひイギリスの夏にも遊びにきてくださいね!

■いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの記事はこちら↓↓↓

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この記事のライター

いしこがわ理恵
いしこがわ理恵

在英16年目の2児の母。現在は日本語教育に携わる仕事とライター・イラストレーターとして活動中。興味の範囲が幅広いので、常にいろいろな方向にアンテナをはりつつ情報収集が日課です。ハッピー子育てに役立つ情報をみなさまにお届けできれば嬉しいです。Instagram 無料プリント @uk_warakado プライベート @rie_emily2023