転勤族の夫、2013年生まれの長女「おみ」、2015年生まれの長男「ゆうし」と暮らしているライター・イラストレーターの幡池未由(はたいけみゆ)です。毎日がてんてこまいの日常をお伝えする「転妻(てんつま)てんてこ育」、第2回目は地域付き合いのポイントです。
転妻と地元の人は温度差が違う!自分の話をしすぎない
今回は、5回の引越し経験から得た「転勤先での地域付き合いを続けるためのポイント」をお伝えします。
田舎では転勤族が珍しいため、いろいろと聞かれて話していたように覚えています。しかし、このときに連絡先を交換した相手とは、ほとんど連絡を取っていません。今思えば、お互いにその場の雰囲気でとりあえず連絡先を交換しただけです。
コミュニケーションに力を入れすぎるあまりに必死の形相になって、相手の方にドン引きされていたのかもしれないと後から気づきました。また、田舎では方言が共通言語のようなもの。方言を話せないわたしは得体の知れない人間として認識され、警戒されていたのかもしれません。
近くに友人や知人のいないわたしとは違って、ずっと田舎で暮らしている方にはすでにたくさんの友人たちがおり、温度差もかなりあったでしょう。努力はむなしく空回りだったのです。
この経験から、今では最初から自分の話をしすぎず、聞く側にまわることを意識しています。空気を読むことで熱くなりそうな自分を抑え、相手の方に警戒心を持たれないようにしているともいえますね。
地域にとらわれず、複数のコミュニティに参加してみる
わたしの場合は、転妻会や趣味、仕事の業種(イラスト、ライターなど)でキーワードを入れてネット検索し、コミュニティを探しました。SNSでは共通点のある方や興味のある方をフォローしているうちにわたしもフォローされ、ときどきセミナーや交流会に参加するようになったのです。
地元や前任地の友人に連絡をするのもひとつの方法ですが、「あの場所に帰りたい…」とかえってシックになってしまうこともあります。わたしは前任地の友人のSNSを見ると余計に辛くなったため、関連のSNSを休止したこともありました。それで疎遠になってしまった人も多いですが、そこまでのご縁だったのだと割り切るようにしています。
参加コミュニティが複数あると、地域での付き合いに疲れたときの気分転換にもなります。また、逆のパターンもあるでしょう。複数のコミュニティに参加することで居場所が増え、「身近に仲の良い人ができなくても、他のところで関われる人がいるからいいや」と気楽になれました。そうしているうちに、自然と地域での付き合いもできるようになったのです。
子どもと一緒に地域に関わることで、うまくいくことも!
おみがいつの間にかお友達と遊ぶ約束をしていて、幼稚園のお迎えに行ってそのままママ友さんの家に直行したこともあります。おみが家の駐車場の隣にある畑を管理しているおじさんにあいさつしたら、農作物をくれたことも!
こういったとき、コミュニケーションのきっかけを作ってくれていたのは子どもたちです。わたしが幼稚園児だったころは引っ込み思案でお友達に話しかけられなかったため、物怖じしないおみに感心したり、感謝したり。
これは長女おみのケースであって、お子さんがおしゃべり上手でなければならないというわけではありません。長男ゆうしはうまく話せませんが、「かわいいね〜」と声をかけられます。
子どもはトラブルやハプニングを起こすことも多いもの。しかし、その場にいるだけで交流のチャンスができたり、なごやかな雰囲気になったりすることもあるんですね。
「子どもと一緒なら自然とうまくいくこともある」という気持ちでいるくらいがちょうどいいと思います。
それでもダメなことも。ほどよいあきらめも肝心
わたしが疲れたときには「一人でもいいや」「友達はできなくても、顔見知りくらいでもいいや」くらいの気持ちでいるようにしていました。
一見矛盾していて、強がりにしか見えないかもしれません。でも、肩の力を抜いたことで、よい結果に繋がりやすくなったと感じています。結果論ですが「押してもダメなら引いてみな」という言葉を実践していたのだと思います。
力を入れたり抜いたりしているうちに自然と適度な加減ができるようになって、自分なりの地域付き合いのペースがわかるようになりました。
焦る気持ちをおさえて、人間関係はゆっくり築いていこう!
わが家も長い方ではないので、最初は焦ってしまいました。そこをなんとかこらえましょう。人間関係は、少しずつ時間をかけてできあがっていくのが当たり前だからです。
気をつけておきたいこともあります。自分に声をかけてくれる人がいても、信用できる人かどうか、冷静に判断しましょう。
焦っていたり冷静に判断できない状況にいたりすると、その場の状況に流されてしまい、気がつくと怪しい人たちの中に入ってしまっていたという事態にもなりかねません。こちらに知り合いがいないという弱みにつけこんでくる人もいるのです。
一気に距離を詰めてしまうと見失うことでも、距離を取りながら観察していると見えてくることもあります。転妻の人間関係づくりには、距離感との付き合い方もポイントかもしれませんね。
皆さんの地域付き合いがうまくいきますように、応援しています!