英語の場合、どんなふうに九九を覚えるのか、ご存知ですか?日本では、小学校2年生で習う「かけ算九九」。暗唱できるように、親子で練習しているご家庭もあることでしょう。今回は、筆者が住むオーストラリアの小学校で習う、かけ算九九の覚え方を現地からレポートします。
かけ算九九、オーストラリアではどう学ぶ?
日本の学校では、かけ算九九は小学校2年生で学びます。筆者は家族とともにオーストラリアに住んでいますが、小学4年生のわが子も学校でかけ算九九を練習しています。
英語で九九ってどう表現するんだろう?日本のように、英語にも決まった覚え方があるの?と、疑問に思う方もいるかと思います。今回は、英語での九九の覚え方について、筆者の住むオーストラリアの教育事情を中心に紹介します。
英語で「かけ算九九」は"times tables"
英語では、times tables と言います。times というのは、「かける」という意味。たとえば、「2かける3は6」という場合、英語では “Two times three is six.” といいます(または、”Two threes are six.”とも)。
日本語では、「2×1、2×2……」を「2の段」、「5×1、5×2……」を「5の段」のようにいいますが、英語ではそれぞれ 2 times table、5 times table と言います。
ところで、日本では「九九」という名の通り、1×1 から 9×9 までを覚えるのが一般的ですが、オーストラリアでは、times tables というと、12×12(twelve times twelve)までを覚えます。
英語で九九はどうやって覚える?
英語ではどう覚えるのかというと、日本のような「定番の覚え方」はありません。たとえば、9×8=72は、”Nine times eight is seventy two.” となります。やや長く、日本の九九のようにリズムよく覚えるのはちょっと難しく感じますね。
そのため、やはりオーストラリアでも、かけ算を覚えるのが苦手な子どもは多いようです。times tablesをどこまで覚えるかは、担任の先生によるところが大きいようです。学校では、主にプリントをやったり、算数の時間に練習したりします。
times tablesを覚えるための歌がネットにたくさんアップされており、それらを授業で使っている先生もいるようです。たとえば以下のような動画です。
The 7 Times Table Song (Multiplying by 7) | Silly School Songs
現在、息子の先生はとても算数教育に熱心で、かけ算のプリントをよく宿題に出すほか、クラスでも毎日、かけ算を使ったクイズやゲームを行っています。そのおかげで息子もだいぶ九九を覚えました。やはり繰り返し練習するのが、一番確実に九九を覚える方法なのでしょうね。
オーストラリア教育で九九を覚える前に行う【スキップ・カウンティング】
なぜならオーストラリアの学校では、かけ算をするためにまず先に、「skip counting (スキップ・カウンティング)」というものを練習するからです。
たとえば、”skip counting by 2″ なら、「2、4、6、8、10、12 ……」というように、2ずつ数えていきます。これは小学1年生からはじまり、普通に1から100まで数えることができるようになったら、次に2、5、10のskip counting を練習します。年齢が上がったら、3、4、6、7……とふうに、skip counting が難しくなっていきます。
低学年では、skip counting を使ってかけ算を練習して、数のしくみや考え方に親しみ、高学年でより複雑な計算に発展していきます。オーストラリアでは、かけ算の考え方を身につけることが目標であり、九九を覚えること自体はカリキュラムの中ではあまり重視されていないと、筆者は感じています。
Counting to 100 Songs for Children – Count to 100 – Count 1 to 100 – Count by 1’s 2’s 5’s 10’s to 10
パパママも一緒にtimes tablesに挑戦してみよう
逆に、九九をすんなりと覚えられた子どもや、すでに九九がバッチリの大人の方は、英語の times tables に挑戦してみてください。筆者もわが子と一緒に練習していますが、とてもよい頭の体操になります。