2019年01月14日 公開
バースプランというものをご存じですか?事前に理想の出産や入院について、思いをまとめておく用紙のことを言います。病院スタッフや家族と、出産についてのすり合わせができるとして、最近取り入れる病院が増えてきました。バースプランを記入するときのポイントをご紹介します。
バースプランというものをご存じですか?事前に理想の出産や入院について、思いをまとめておく用紙のことを言います。病院スタッフや家族と、出産についてのすり合わせができるとして、最近取り入れる病院が増えてきました。バースプランを記入するときのポイントをご紹介します。
バースプランとは
バースプランとは、妊娠中からお産、出産後の生活についての希望をまとめることを言います。分娩方法や出産後、入院中の生活の希望などを事前に用紙に記入しておくことで、ママの理想を医師や助産師さん、家族と共有することができます。
バースプランを作成することで、妊婦さんの出産・育児へ向けた具体的なイメージが湧きやすくなるとして、導入する病院が増えてきました。ただし病院の設備や方針によっては、理想を叶えられないというケースもあります。事前にしっかりと確認をして病院を選ぶことも重要です。
バースプランの書き方
バースプランの作成には、いくつかのポイントがあります。さっそくチェックしてみましょう。
書く内容はできるだけ具体的に
書く内容は、できるだけ具体的に記します。抽象的な表現をすると、妊婦さんの思いが伝わりにくく、結果的に理想とはかけ離れたお産を迎えることになるかもしれません。
してほしいことと、してほしくないことを明確に
例えば分娩中、パパにはついていてほしいけれど、義両親には気を遣ってしまうため立会ってほしくないなど、してほしいこととそうでないことをきちんと分けて記入することが大切です。その際に、理由も添えておくと病院スタッフにも伝わりやすいでしょう。絶対に譲りたくないポイントは何か考えてみてください。
夫や家族の意見も参考に
お産の主役はやはりママです。しかし出産や育児の先輩である実母や、一番身近な理解者である夫にも意見を聞いてみましょう。主役の立場でないからこそのアドバイスが受けられるかもしれません。
周りの意見を参考にしながら、一緒に理想の入院生活を考えてみます。相談することで、出産に対する不安などが少なくなるケースもあるためです。
早めからの準備を
バースプランの作成は、妊娠中の時間に余裕があるうちに進めておくことをおすすめします。出産予定日に近づくほどに、何かと準備も忙しくなったり、気持ちがなんとなく落ち着かないということも。イメージが湧きにくいかもしれませんが、満足のいく出産を迎えるためにも、少し早めから準備しておくようにしましょう。
ママと赤ちゃんの安全を一番に
いくら理想的な妊娠・出産を迎えたいと思っても、その理想が現実的でなければ意味がありません。やはり、母児の安全を第一に考えたプランを練ることが大事です。
バースプラン通りにいかないこともある
バースプランはあくまで理想であって、自分の望みがすべて叶えられるとは限りません。理想的な出産・産後の生活を思い描いてバースプランを作成しても、状況に応じてその理想通りに行かないこともあるということをきちんと理解しておきます。
産院・病院に確認を
設備・環境によって、産院や病院で可能なこととそうでないことがあります。ホームページなどを検索するとある程度の情報は分かりますが、ホームぺージの更新がされていないなどで古い情報のままになっているケースも多いもの。確実に希望する内容がある場合は、直接病院に確認を取っておくと安心です。
バースプランの内容別の記入例は?
では実際に、どのような内容を記入しておくと良いのでしょうか?記入例をご紹介します。
分娩方法
分娩スタイルはさまざまにありますが、その病院でできることもそうでないこともあります。事前に病院でどのようなスタイルの出産が可能なのか、確認しておくと安心です。また赤ちゃんや妊婦さんの状態によっても、できないことが出てくる可能性があると理解しておきましょう。
【出産の種類】
経膣分娩、帝王切開(母子の状況で希望通りにならないこともあります)
【分娩時の姿勢】
普通分娩、座位、水中、フリースタイル(病院の設備によってできないことがあります)
【呼吸法】
ラマーズ法、ソフロロジー(病院によって推奨しているものは異なります)
【分娩する場所】
分娩室、LDR、自宅(LDRは施設のない産院も多くあります)
【痛みや麻酔】
自然分娩、和通分娩、無痛分娩(病院によって対応しているものが異なります)
【環境】
陣痛室でのアロマセラピーの利用や、陣痛中は好きな音楽を流してほしいなど、リラックスできる環境作りについての希望を書きます。アロマや音楽など必要なものは、自分で用意して渡しておきましょう。
分娩時の処置
会陰切開をしたくない、陣痛促進剤を使用しても良いなど処置の希望を記入します。導尿や剃毛、浣腸などは「してほしくない」という内容を記載しても、分娩後の処置のしやすさ、感染の危険性などの理由で理想通りにはいかないかもしれません。
吸引分娩は極力避けたいなど、医療処置についての希望も書いておくと安心ですが、お腹の子どもと母体の安全が第一優先です。こちらも状況によっては、希望通りに行かないケースもあります。
出産時の希望
分娩室での立会い出産の希望があるか、誰に立ち会ってほしいか、カンガルーケアの際に写真を撮ってほしい、ビデオ撮影がしたい、へその緒はパパに切ってほしい、最初の抱っこは上の子にさせてほしいなど希望を書いておきます。希望に沿った形になれば、家族そろって出産の感動を味わうことができるでしょう。
入院する部屋
個室、大部屋それぞれに違うメリットがあります。産後はゆったりと過ごすために個室が良いというママもいれば、同じ時期に出産するママと情報交換がしたいからと、大部屋を希望するママもいます。よく考えて希望を記載しておきましょう。
入院中の要望
母子同室が良いというママもいれば、入院中はできるだけ身体を休ませたいので別室を希望するというママもいます。病院や産院によっても対応が異なるため、事前に確認しておくのがベターです。
育児について
母乳育児を希望している旨を記載しておくと、おっぱいマッサージの方法や授乳について詳しくアドバイスをもらえるかもしれません。仕事復帰の予定がある場合にはその旨を伝えておけば、ミルクと母乳の混合育児について話を聞かせてもらえることもあります。
そのほか育児について教えてほしいことや、事前に不安に思うことなど、直接聞きづらいことがある場合も書いておくと良いでしょう。
バースプランの用紙はどこでもらえる?
最近では、妊婦さんと出産や入院生活での理想のすり合わせができるとして、バースプランを導入している産院・病院が増えています。そのような場合は、用紙を病院側で準備してくれているケースが多いでしょう。病院側で準備されていないときは、自分で作って提出すればOKです。
バースプランを提出する時期
あまりに早い時期にバースプランを考えても、イメージが湧きにくいものです。病院側で用紙を準備してくれている場合には、妊娠後期に入る頃に受け取るケースが大半です。用紙を受け取るときに、出産が近づく正期産の頃までに提出するようにと指示されるでしょう。
用紙をもらう時期、提出する期限は病院によって異なります。心配がある場合や早めに知りたい場合は、病院スタッフに直接尋ねてみてください。
バースプランの体験談
バースプランは、妊婦さんやその家族の理想が記されているため、内容はじつにさまざまです。たとえば、出産後に胎盤を触らせてほしいと書いた方もいれば、退院までに赤ちゃんを取り上げてくれた医師と一緒に写真を撮ったという方も。バースプランを記入するときは、先輩ママさんの体験談を参考にしてみるのも良いかもしれません。
満足のいく出産を迎えるために
バースプランを作成することで、具体的な出産シーンをイメージできます。パパや上の子どもと一緒に完成させると、家族も赤ちゃんを迎える実感が湧きやすいでしょう。バースプランは提出後に返却してもらえるのが一般的ですが、念のためにコピーを取っておくのも忘れずに。