近年、小学校でのICT教育が急速に進んでいます。文部科学省によると、全国の公立小中学校のタブレット配布率は2021年時点で約96%であると発表されました。さらに2022年度中には、配布されていない自治体への配布を完了するともいわれています。
家庭でも、就学前からタブレットを導入されている家庭も増えているのではないでしょうか。この記事では、子ども向けタブレットの選び方と注意点など、家庭でのタブレット利用の注意点を紹介します。
タブレットでできること
タブレットを使ってできることは、学習から遊びまでと多岐にわたります。ダウンロードできるアプリの種類は、各タブレットに若干の違いはあるものの、楽しくゲーム感覚で文字や算数を学習できるものや、プログラミングを取り入れたものまで数多くあります。YouTubeなどの動画視聴ももちろん可能。
わが家の小1の子どもは、タブレットを使った通信教育の受講をはじめ、気になることがあるとインターネットでの検索にも活用しています。他にもプログラミングや動画を楽しんだり、写真を撮影したりとすっかり使いこなしているようです。
子ども向けタブレットの選び方
子どもが使うタブレットの選び方は大きく2通りあります。まず1つ目は、子ども向けに発売されている機種を選ぶこと。衝撃に強く、壊れたときの保障が手厚いものが多いので、タブレットを初めて使う子どもには特におすすめです。
2つ目は、特に子ども向けではない機種を購入し、キッズモードなど制限をつけて使用すること。また使用に当たり、家庭内の決まりごとを守れるようならキッズモードがないものでもいいかもしれません。ある程度操作に慣れている場合や、高学年になっても長く使いたい場合は、キッズ専用タブレットを必ずしも選ぶ必要はないでしょう。
初めてでも安心!キッズ専用タブレットおすすめ2選
子どもが使うためにはじめから機能が制限されているキッズ専用タブレット。低年齢から扱いやすく、初めてのタブレットにもおすすめの機種を2種類紹介します。
Amazon Fire HD 10 キッズモデル
お馴染みAmazon Fire のキッズモデル。 対象年齢は3歳から12歳と、低年齢から安心して使わせられます。子ども向けの知育アプリからゲーム、動画、本など数千の独自のコンテンツが用意されており、子どもの年齢に合わせたものが自動的に表示されます。また、子どもの不注意による故障にも対応可能な2年間の保障がついているのも安心。動画や本は、ダウンロードしておけば、オフラインの環境でも視聴可能です。重さは716g、10.1インチの大画面と大きめサイズではありながらも、キッズカバーの持ち手がしっかりしていて、小さな子どもの手にもフィットしやすいのが特徴。
15分単位でタイマー設定できるといったペアレンタルコントロール機能が充実しており、低年齢から安心して持たせられる一台です。
注意点は、初めの1年間はAmazon Kids+が無料で使えますが、その後は有料で月額980円、Prime会員の場合は月額480円が必要になります。数千もの多くのコンテンツが利用できますが、中には一部品質があまりよくないものもあるので注意が必要です。
ドラゴンタッチキッズタブレット
中国の家電メーカー「ドラゴンタッチ」から出ているキッズ用タブレットです。対象年齢は3歳以上。重さ280gで画面7インチとタブレットとしては小さめですが、低年齢の子どもには扱いやすいサイズです。小さいながらに容量は32GBで、さらにSDカード追加で最大132GBの大容量。シリコン製の保護ケースは、落下の衝撃を防ぎ、360度調整可能なスタンドが付属しています。
また、スクリーンには目の保護機能がついているのも嬉しいポイント。不適切コンテンツを表示させない機能や、タイマー機能が搭載されたキッズモードがあるのも安心です。
タッチの感度が良いため操作に慣れない幼児にも使いやすく、1万円前半のコスパの良さにも納得の一台。大人とアカウントを分けての使用も可能なので、親子それぞれに楽しめそうです。
注意点は、日本語使用はできるものの、初期設定は英語で行う必要があることと、カメラの画素数が200万画素しかないこと。とはいえ、スマートフォンで撮った写真に比べると粗さはありますが、子どもが使用するのには十分かもしれません。
長く使える!キッズモードのあるタブレットおすすめ3選
キッズ用タブレットではなくても、子どもに使いやすいタブレットは他にも数多くあります。キッズモードが搭載された機種を3種類紹介します。
HUAWEI Media Pad T5
465gと軽量で薄く、持ち運びが簡単。タイマー機能はもちろん、姿勢サポート機能がついたキッズモードが搭載されています。姿勢サポート機能をONにすると、画面に近づきすぎていたり、横になった姿勢で使用していると警告メッセージが表示される優れもの。また、画面には目にやさしいブルーライトカットが施されており、目への負担が少ないです。
OSは最新のAndroid 8.0、さらに高性能ステレオスピーカーを搭載。10.1インチの大画面で動画やゲームを目いっぱい楽しめます。
iPad
タブレット売上シェアトップのiPad。大人の愛用者も多いiPadですが、子ども用タブレットとしてももちろん使えます。
ペアレンタルコントロール機能で、使用時間やネットの閲覧制限や、オンラインでの課金を禁止する設定にできます。
2021年9月発売の第9世代は、64GBか256GBの2種類と従来よりも容量がアップしているのが特徴です。とはいえ複雑なゲームや多くの動画を保存する使い方でなければ、必ずしも最新の機種でなくても。32GBあれば、十分学習や動画視聴は可能です。重量は、どれも480g前後で以前のものでもそこまで変わりません。
第7世代以降は、画面サイズはどれも10.2インチの大画面で、学習にも最適。第6世代以降はApple Pencil(別売り)に対応しています。
他社のタブレットよりも比較的値段が高い傾向にあるので、新型ではなく旧型のものを探してみるのもおすすめ。もしお家に以前使っていたiPadが眠っていたら、子ども用として活用してみてもいいですね。
ChromebookエイサーCP311
Googleが作った、タブレットとノートパソコンの両方の良さを併せ持った一台。全国の700の自治体の小中学校で配布されていることも、教育用タブレットとして最適なことが伺えます。
360度回転させるとタブレットのような形になるのが特徴。画面をタッチしてもキーボード操作もどちらでも可能です。筆者の小1の子どもが学校用として使用していますが、キーボード操作を覚えるのにも役立っているようです。
画面サイズは大き目の11.6型、重量は1047gと他のタブレットより重量はありますが、問題なく子どもでも持ち運びできる程度。Crome OSが搭載されておりGoogle Playの使用が可能。容量は32GBか64GBの2種類から選択可能。複数のアカウントを切り替えられるので、家族で共有するのにも最適です。
タブレット使用で気を付けること
子どもがタブレットを使用するのにあたって、いくつか注意するべきことがあります。使い始める前に、親子で話し合って約束を決めてみるのもいいですね。しっかりと理解できるまで少し時間がかかるかもしれませんが、慣れるまでは一緒に使って見守ってみましょう。
取り扱いは丁寧に
いくら頑丈なカバーを付けたとしても、タブレットは精密機械です。水濡れや、落下の衝撃は故障の原因につながります。
わが家では低年齢からタブレットを使っていますが、絶対に飲み物を飲みながら使わない、濡れた手で触らない、歩きながら使わないと細かく約束ごとを決めています。
とはいえ、気を付けていても子どもが使うと、故障の可能性は上がってしまうもの。メーカー保証だけでは心配な場合は、有料で保障が追加できる機種もあるので検討してみるのもいいでしょう。
使用時間を決める
タブレットの長時間使用は目に悪影響を与える恐れがあります。タブレットのタイマー設定か、自宅のタイマーや時計で使用時間を決めた上で使うようにしましょう。スクリーンに保護機能がついた機種もありますが、目のダメージが軽減できる市販の保護フィルムを貼ってみるのもいいでしょう。
また総務省情報通信政策研究所の調査によると、10代の平日1日あたりのネット利用時間の平均は224分と、5年前から倍増しているそう。長時間のネット利用から学力に悪影響という調査結果も出ているほどです。
タブレットを使う場合は、きちんと時間を決めて使いすぎには注意したいですね。
正しく使って、デジタル教育を楽しもう
タブレットを使うにあたっていくつか注意点はあるものの、正しく使えばデジタル教育の初めの一歩になるはず。特に初めて使う子どもは、タブレットを使うこと自体が楽しくてたまらなくなるでしょう。
「子どもがちゃんと使えるか不安」な場合は、初めから子ども用として一台を与えるのではなく、親と共有から始めてみても。
筆者の家庭では、元々あったAmazon Fire タブレットを家族で共有していましたが、子どもが小学生になったことをきっかけにiPadを購入しました。始めはなかなか時間の約束が守れずトラブルになりましたが、今では自分で時間管理ができるようになってきました。
タブレットは、使い方さえ気を付ければ、新しい知識や情報が得られ、世界が広げられる優れものです。「まずは親子で楽しく触ってみる」くらいの気軽な気持ちで始めてみるのもいいですね。