童話では、イソップやグリム、アンデルセンなどが有名ですが、他にもたくさんの童話や民話があります。そこで今回は、北欧民話やロシア民話など、世界中にある民話の中から読み聞かせに最適なお話絵本を4作品、あらすじやおすすめポイントと共にご紹介します。
みんなの力を合わせる『おおきなかぶ』―ロシア民話
著者 :文 A.トルストイ, 絵 佐藤 忠良, 翻訳者 内田 莉莎子
出版社 :福音館書店
おじいさんが植えた「かぶ」は、とても大きく成長しました。おじいさんは収穫しようと「うんとこしょ、どっこいしょ!」と、 かぶをひっぱりますがぜんぜん抜けません。
そこで、おばあさんを呼んできてかぶをおじいさんがひっぱり、そのおじいさんをおばあさんがひっぱり、2人で力を合わせて「うんとこしょ、どっこいしょ!」とひっぱります。でも、やはり、抜けません。
孫娘や犬や猫、ネズミまで加わり、最後にはついにみんなの力を合わせて、大きなかぶは抜けたのです。
パパママも、子どものころに読んだことがあるのではないでしょうか。ロシアの代表的な民話です。
「うんとこしょ、どっこいしょ」という掛け声がリズミカルで、思わず子どもたちも声に出して言いたくなる、そんな楽しい物語です。ユーモラスな姿の中に「みんなで力を合わせることの素晴らしさ」を感じられることが、オススメのポイントです。
動物がたくさん!『てぶくろ』―ウクライナ民話
著者 :絵 エウゲーニー・M・ラチョフ,翻訳者 内田 莉莎子
出版社 :福音館書店
寒い冬の夜、雪の降りしきる森の中で、おじいさんがてぶくろを片方落として行きました。
そのてぶくろをはじめに見つけた「くいしんぼうのねずみ」は、「ここでくらすことにするわ」と、てぶくろのなかに入ります。
次に「ぴょんぴょんがえる」が、その次には「はやあしうさぎ」、「おしゃれぎつね」、「はいいろおおかみ」と、いろいろな動物たちがどんどんてぶくろの中に入っていく物語です。
だんだん膨らんでいきはちきれそうなてぶくろに、ドキドキ・ハラハラ・ワクワクする、楽しいストーリーです。
温かいてぶくろに体を寄せ合って「心地よい家」を作っていく動物たちの姿は、とても愛らしくほのぼのとした気持ちにしてくれます。オススメの一冊です。
『三びきのやぎのがらがらどん 』―北欧の民話
著者 :絵 マーシャ・ブラウン,翻訳者 瀬田貞二
出版社 :福音館書店
あるところに、大中小と大きさの違う3匹のやぎがいました。名前はみんな同じ「がらがらどん」。ある日、草を食べて「ふとろうと」(太ろうと)思って3匹は山へ向かいます。でも、山に行く途中にある橋の下には、大きくて不気味な妖精「トロル」が住んでいました。けれど、3匹は危険をものともせず、楽しそうに橋を渡っていくのですが……。
1番目に橋を渡るやぎは「かた こと」、2番目に橋を渡るやぎは「がた ごと」、そして3番目に橋を渡のやぎは「がたん、ごとん」と、小さいやぎから大きなやぎへと橋を渡る音はだんだん大きくなっていき、不気味な妖精トロルとの対決が迫ってくる様子が臨場感あふれる筆致とユーモラスなイラストで描かれています。
少し怖いストーリーですが、ドキドキが楽しい子どもたちに人気の作品です。
『せかいいち おいしいスープ』―フランスの民話
著者 :文・絵 マーシャ・ブラウン,翻訳者 こみや ゆう
出版社 :岩波書店
登場人物は、はらぺこの3人の兵隊です。ある村でのこと、彼らは「食べものをわけてほしい」とたのみましたが、村人たちは冷たく首を横にふるばかり。そこで兵隊たちは仕方がないので「石のスープを作る」と言い出しました。
3人の兵隊が知恵を凝らして、望みの物を手に入れる、ほのぼのとした物語です。
暴力ではなく知恵を凝らす3人の兵隊の姿が、痛快に楽しく描かれていて、子どもだけではなく大人も楽しめる、心に残る一冊です。
世界の民話で、楽しい読み聞かせのひとときを!
どの作品も有名で人気が高いお話なので、知っているパパママも多いのではないでしょうか。
古くから語り継がれてきた民話には、いろいろな学びの要素が盛り込まれています。この機会に、世界の民話を読み聞かせに取り入れて、お子さまと楽しいひとときを過ごしてみてくださいね!