日本と同じアジアに位置し、漢字の文化を持つ台湾ですが、名前は夫婦別姓やイングリッシュネームなど、日本と異なる点が多くあります。子どもの名前の付け方や改名、通称など、最近の傾向を踏まえた台湾の名付け事情をリポートします!
台湾は夫婦別姓が一般的!?
日本から台湾に嫁いだ場合でも、日本の姓が台湾でも通用する漢字であれば、結婚後もそのまま使えます。ママが日本の姓を使い続ける場合、子どもは日本では日本姓、台湾では台湾姓を名乗る人が多いようです。
イングリッシュネームを持つ人が多い台湾
イングリッシュネームは学生時代に英語の先生から付けられたり、留学前に自分で決めたりするようです。台湾人同士でもイングリッシュネームで呼び合うことがよくあります。日本好きな場合は、「ゆき」など日本名を名乗っている場合もあります。
ただし、何でも漢字化しないと気が済まないのが中華文化。イングリッシュネームにも漢字を当ててしまいます。例えば、デイビッドは大衛(ダーウェイ)、ジェニーは珍妮(ジェンニー)となります。その結果、中国語の本名と合わせて3つも呼び名ができてしまいます。
名前は占いで決める!?台湾生活に欠かせない「算命学」
筆者の周りの日本人妻に聞いただけでも、占いのために結婚式の日取りが変更になった、心待ちにしていた新居への引っ越しが半年延期になった、という話があり、占いの習慣に慣れない外国人妻が振り回されることが少なくないようです。
算命学は生年月日と時間が必要なので、名前は、生まれた後にしか決められません。事前にあれこれ悩んで考え出した名前を占いで却下されては辛いですよね。占いで却下されたら夫婦間や親子間でもめ事に発展する恐れがあるため、台湾家族が勧める占いを最初からお断りする、という国際カップルもいます。
筆者宅は長男出産に際し、義母が占いをしたいと言い出したため、候補の名前を幾つか見てもらうとともに、先生にも良い名前案を出してもらいました。幸い事前に挙げていた候補の名前でOKが出たので、皆が納得する名付けができました。ちなみに、考えてもらった名前はいずれも日本名にはならないものでした。
中性化しつつある台湾の名付け
最近流行の中性的な名前としては、「宥安」「品希」「宥希」といった名前が挙げられていました。漢字の字面を見ると女の子っぽいようにも感じますが、男の子でもこうした名前の子どもがいます。
名前に多様な選択肢を
夫婦でも同姓別姓にルールはなし、改名やイングリッシュネームもOK。こんなふうに、自分自身が納得した名前を名乗れるというのは、なかなか便利な習慣だと感じました。本人の選択肢が多く自由度が高いのは、日本人からすると少し羨ましいですね。