2023年10月18日 公開
小6からの中学受験

【中学受験体験談】学校説明会で確認すべきポイントと注意点

体験レポ連載「塾なし!小6からの中学受験」。5回目の記事では、 我が子の受験体験談含め、学校説明会で確認すべきポイントや注意点をご紹介します。受験生本人のモチベーションを上げるためにも、親子でぜひ足を運びましょう!

小6からの中学受験

数年にわたる受験勉強と金銭的負担がある中学受験。地道に勉強を続けるには、親子共にモチベーションを保たなくてはなりません。このモチベーションを支えるののは「この中学に行きたい!」という志望校への熱い思いです。
それには、まず行ってみたい中学、憧れている中学の説明会に行き、学校の雰囲気を体感してみましょう。

校舎に入り、他の受験生と共に、教育方針、進学実績、部活動紹介、先輩方の学校説明などを聞くことは、志望校合格への士気を高めます。

4,5年生で志望校選びに迷っている場合は、気になる中学校の説明会に気軽に参加しましょう。(学校によっては6年生と、その他の学年の日程が分けられていることもあるので、ご確認ください。)

もちろん、学校説明会に行くことで、志望校が変わることもあり得ます。学習のカリキュラム、資格試験の勧め方、部活動の熱量などに、「何か違うな。」、「自分とは合わないな。」と気づくこともあるでしょう。

3年または6年通う学校です。入学後に後悔しないように、学校説明会やオープンキャンパスなどに、複数回通い、疑問や不安を解消しておくことをおすすめします。

中学受験 学校説明会はいつ頃からはじまる?

学校によって、開始時期・回数はさまざま。一般的に国公立中学よりも私立中学の方が開始時期が早く、回数も多い傾向があります。

例として

学校説明会スケジュール一例国立中学・・・9,10月に1回ずつ(1回60分、4,5,6年生)

都立中学・・・6月、10月、11月に1回ずつ(学年しばりなし)

私立中学・・・5月、6月、7月、8月、9月、12月、1月に1回ずつ(同日複数回あり、学年しばりなし)

人気校は予約がとれないことも

特に国公立中学は、あっという間に予約が埋まります。筆者の娘のお友達は国立中学の第1回目、7月の予約がとれませんでした。

予約開始時間は平日午前中。ママが予約日の開始時間1時間前から、パソコンの前で待機していました。
人気がある学校で、日程も2日のみでしたが、各日複数回あったので、どこかの回はとれるだろうと思っていたそうです。
予約開始時間と同時に、パソコンとスマホを両方使い、指定された時間ピッタリに、第一希望の日時の予約ボタンをクリック。が、エラーとなり予約ができません。再度、同じ日時で予約しようとしたら、その日は満席になっていました。
その時点でほとんどの日時が満席表示に。「もう何日でも何時でもいい!」と空いている日時をクリックしましたが、またもエラー。
その間にすべてが満席となりました。予約開始時間からわずか5分だったそうです。

娘は私立中学の学校説明会に行きましたが、多くの受験生が参加を終えたであろう10月だったので、予約をとることができました。
しかし、同じ中学の7月の説明会に参加したママ友の話では「早い時間から次々予約が埋まっていって焦った!」とのことでした。

時期が早いほど、予約は取りにくいですが、「受験勉強のモチベーションを高める」ために、できるだけ早い時期に学校説明会に行くことをおすすめします。

志望校の学校説明会の予約がとれなかった場合

多くの中学校では、学校説明会に来られない受験生のために、説明会や校内ツアー動画を公開しています。

また学校説明会以外にも、文化祭、オープンキャンパス、クリスマスイベントなどで学校公開をする中学もあります。
こちらも予約制であることが多く、人気校はすぐに埋まってしまうので注意が必要です。ただ夏休み前に開催される学校説明会よりは、予約しやすいです。

平日に学校周辺をチェック

どのイベントの予約も取れない場合は、学校によっては、事前連絡をすれば学校内を見学させてくれることもあります。公式サイトに、「個別の訪問は応相談」の旨の記載があれば、問い合わせてみましょう。

どうしても見学ができない場合は、放課後時間帯にお子さまと一緒に学校周辺を散策するのも良いでしょう。学校周辺の環境、下校の生徒の様子、部活の様子などを、学校の外からでも体感できます。

学校説明会でわかること

校長先生、教頭先生、学年主任、進路指導部の先生、生徒会役員などの生徒代表・・・学校説明会では、学校の代表となる教師や生徒が学校の特長を紹介します。
この章では説明会でわかる8項目について解説していきます。

教育方針

「その中学がどのような人材を育てたいか」を聞くことで、その学校の特長がつかめます。

「自由な校風だが、自学力がないとついていけない」

「校則が厳しく、課題も多いが確実に学力は伸びる」
など、メリット・デメリットも見えてきます。
すべてが理想通りの学校を見つけることは難しいでしょう。しかし教育方針から、「お子さまが目指す将来像」に近づけそうな教育をする学校を、見極めることはできそうです。

教育体制

「中高一貫6年間で難関大合格を目指す」

「早期のクラス分けで無理のない学習進度で学べる」

「付属の高校生と受ける授業がある(学年を超えての学び)」
など、公立中学に比べて、国公立、私立中学校は教育体制が多種多様です。
お子さまが学びやすい学習環境を探しましょう。

教師陣の雰囲気

学校説明会、オープンキャンパス、公開授業などを担当する先生は、学校の中で「イチオシ」であることが多いです。どの学校も指導力が高く、人望のある先生が説明会を担当します。まずは、イチオシの先生方のプレゼン内容を聞くことで、校風や教育の質がわかります。
教師たちの受験生や親との接し方や、校長、理事長との関係性を観察することで、我が子との相性も見えてくるかもしれません。

部活動

心も体も急成長する中学生にとって、打ち込める部活動があることは重要です。
「できることが増えて、成果が実りやすい時期」に、お子さまが没頭できる部活はあるでしょうか?
また部活動に対する、学校の熱量がお子さまと合うかどうかの確認も大切です。例えば、ゆるく部活動をしながら、塾や習い事も頑張りたいお子さまですと、「平日、土日も部活動に参加するのが当たり前」の中学校は厳しそうです。

校外活動

登山、文化施設見学、宿泊研修、留学、修学旅行など、校外活動の行先、費用、全員参加か否か?などを確認できます。

教育カリキュラム

受験、受検をしない公立中学校に比べて、私立・国公立中学校はフレキシブルな学び方ができる学校が多いです。
例をあげると、

私立中学・・・中学時に高校の範囲まで先取り学習を進めて、高校からは大学受験対策に集中する。

都立中学・・・中学から英語で授業を受け、英語でプレゼンテーションするクラスを設けることで、海外でも学べる英語力を身につける。(留学に備えて)

のように、大学進学・海外留学が有利になる先取り教育をする学校も多いです。

大学合格実績

国公立大学の実績が高いのか、私立大学合格の実績が高いのか、どちらも平均しているのか・・・
大学の合格実績から、その学校の学習指導の特長や、学力レベルがわかります。

施設・設備

学食の有無、グラウンド、体育館の場所(学校の敷地内にない学校もあり。)、軽食の自販機の種類や数、緊急時の非常食の有無などを、確認しておきましょう。
また電車通学の場合、登校時に交通系ICカードなどで「出席確認」ができるシステムの有無もチェックします。

授業外のゼミ、講習など

授業時間外ゼミや講習などがある学校も多いです。
漢字検定、英語検定などの資格試験を推奨する学校では、検定試験に向けての勉強会を放課後開催することもあるようです。

「どのくらいの頻度であるのか?」

「自由参加か、全員参加か?」
など、気になる点は説明会で確認しましょう。

授業外の学習時間が多い学校は、相応の覚悟が必要です。

入学後の通学経路、通学時間に無理がないかチェック

「行きたい学校が遠い。でもどうしてもあきらめられない。」
というお子さま、親御さんもいらっしゃるかと思います。

受験生として数回、見学に行く程度でしたら1時間以上の通学時間も耐えられるかもしれません。しかし合格したら、天候や交通トラブルに関わらず”毎日”通わなくてはいけません。
部活や委員会などで疲れる日、体調不良の日もあるでしょう。よほどの強い意思と体力がない限り、長時間の通学は心身ともに疲弊します。
通学時間を勉強や読書に充てることで、有意義な時間とすることも可能ですが、できれば1時間以内で通えるのが望ましいでしょう。

筆者の娘の同級生の通学時間アンケート(受験組10名)
15分~30分 3名

30分~60分 5名

60分~90分 2名

実体験:筆者親子の学校説明会1 私立C中学

学校長の教育方針の話が20分、教頭先生による学習カリキュラムと進学実績の話が20分中等部の生徒によるプレゼンテーションが20分質疑応答が15分という構成でした。

校長先生、教頭先生の話は、
「難関国立、私大合格のために1クラスに担任が3名いる。学習指導要領より、かなり授業数が多く、放課後の学習指導もある。」
「運動系の部活が盛ん。全国大会出場する部もあり、土日も練習する部が多い」
「校則が厳しく、抜き打ち服装チェックがある。」
「英語スピーチコンテスト、資格試験のための合同授業がある」
など、厳しい指導を感じさせるものでした。

しかし、その後の中等部の生徒による学校生活の紹介は「学校の良さ、楽しい一面」を感じられるものでした。

生徒さんは女子生徒(中1、中2)と男子生徒(中3)の3人。司会の教頭先生と打ち解けた感じで、理科の実験、班で取り組む各教科のレポート、体育祭、文化祭の話を、冗談を交えながら話してくれました。
また、「彼らが中学受験の時に、どんな勉強をしていたか」、「普段の勉強時間」、「好きなゲーム」などについても教えてくれました。先輩方の堂々とした発表とリラックスした様子は、会場の受験生たちの緊張を解放するものでした。在校生の素の姿が垣間見れた、非常に良いプレゼンでした。

実体験:筆者親子の学校説明会2 私立D中学

学校長の話が10分。英語教育に力を入れていて、中一から放課後に英語ゼミを行っているとのこと。ネイティブの講師による、英語漬けの授業で「ネイティブに通じる英語力」を養います。
また論理的思考力を高める指導を行っていて、各教科「自分で問題を作り、解法をクラスメイトにプレゼンする」ことを日常的に行っています。

英語講師(日本人)による、中1の英語の授業の進め方についての説明が10分。映像と実際のテキストを使ったミニ授業を行ってくださいました。受験生もテキストの音読や単語クイズに積極的に参加して盛り上がりました。

その後、国語の先生による、「物事を端的に説明するゲーム」が15分
受験生1人、1人にタブレットが渡され、「先生が出したお題」がどんなものなのかを、できるだけ短い言葉で書き込みます。例えばストーブであれば、「ガス、石油、電気などを使い、空間を暖める暖房器具」のように答えるゲームです。
全員分の回答が会場の電子ホワイトボードに映されて、先生がランダムに説明を求めていきました。どの答えも否定せずに、「なぜそう考えたか」を皆の前で説明することが主体でした。

体験授業がメインの説明会でした。受験生たちの出番が多く、子ども主体で進める授業でとても楽しかったです。入学後の授業をイメージしやすい、良い説明会だったと思います。
 
説明会後は部活動の見学もできました。運動部、文化部共に中高一緒に練習している部が多かったです。先輩方が真剣に、かつ楽しく取り組んでいる様子は、娘の憧れを高めたようです。

ママ友から聞いた話 国立付属G中学

ママ友Eさんの息子さんの第一志望は、国立大学付属中学。説明会は、人気のため予約がとれず、説明会はWEB説明会のみだったそうです。
そのため、学校の雰囲気を直に感じることができる、オープンキャンパスには絶対参加したかった!
予約がとれたのは10月。こちらは学校説明会よりも予約が取りやすかったとのこと。

オープンキャンパスは、運営を生徒会が行い、先生はほとんど関与しません。学校の紹介も、学習カリキュラム、校外活動、留学の説明も中学1年生~高校2年生の生徒が分担して行うのです。

修学旅行について、留学について、ボランティア活動について・・・さまざまなテーマを掲げた教室で、担当の生徒たちが受験生と保護者を待機。知りたいテーマの教室に行くと、先輩たちが各テーマに関する受験生の質問に丁寧に答えてくれます。
理路整然と、笑顔を絶やさず回答する先輩たちに、Eさんと息子さんは圧倒されたそうです。

帰国子女も多く、国際色豊かな学校で、中一から英語で授業を行うクラスがあり、中学校3年間でほとんどの生徒が「ネイティブ講師とのコミュニケーションがスムーズにできる」ようになるそう。

一緒に行った息子さんは、同世代の先輩たちのキラキラした姿に感動し、より受験勉強に熱が入ったとのことでした。

校風を確認するならオープンキャンパス、文化祭で

学校説明会では、学校の教育方針、教育カリキュラム、進学実績など、「学習環境の質」を確認することができます。ただ、リアルな校風・・・つまり、在校生たちの学びや部活動など、日常の様子を知ることは学校説明会では難しいかもしれません。

生徒の自由な発言や行動を見ることができるのは、オープンキャンパスや文化祭のような学校行事。
受験生が在校生と交流できることも多いです。

説明会では「ガチガチの進学校で厳格な学校」と感じていても、オープンキャンパスで生徒たちの様子を見ると自由で開放的であることもあります。またその逆で、説明会では比較的自由な校風を謳っていた学校でも、在校生たちに確認すると課題やゼミが多く、1日の学習時間が長時間であることがわかることも。

お子さまの性格に合うかどうかは、学校説明会+オープンキャンパスで確認することをおすすめいたします。

早めの学校説明会で当事者意識を持たせよう

中学受験を予定しているご家庭の中には、お子さまの意欲が低く、親御さん主導の受験勉強になっているケースも多いかと思います。特に低学年の時期から、「自らの意思で志望校を決め、受験勉強に集中できる」ことは難しいのではないでしょうか。
大抵は親御さんが「子どもの将来の選択肢を増やす」ために、中学受験を勧めているのでは。

しかし、「親に言われたから」、「親に褒められたいから」、という受動的な姿勢(親のために受験する)で受験勉強を続けてしまうと、モチベーションが続きません。「自分が行きたい中学に、合格するための勉強をする」という、当事者意識を持つことが、モチベーションを上げ、日々の学習効果も高めるのです。

自分のための受験勉強であることを意識させるには、興味のある学校の説明会に積極的に行きましょう。何校もめぐるうちに、自分の「行きたい学校像」が見えてくるはず。
志望校が絞り込まれてきたら、可能な限り何度も足を運びましょう。お子さま自身の目で確かめ、将来のビジョンを持つことで、志望校への思い入れが強くなります。

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この記事のライター

KOMETA
KOMETA

ライター業と服飾関係のフリーランスで働く兼業主婦です。南関東在住。小6・秋に中学受験を決意した娘の数カ月間の奮闘をまとめました。途中生活リズムが崩れたり、情緒不安定になったりもありましたが(親子共に)、無事、志望校の私立中高一貫校に合格。中学受験のスタートが遅れてしまった、受験が近づくにつれて自信がなくなってきた、勉強のモチベーションが保てない…親御さん、お子さま方の不安が解消出来たら嬉しいです!