2022年08月11日 公開
サイエンスレシピ

【動画】科学実験サイエンスレシピ・暑くても溶けないアイス?!を作ろう

冷凍庫から出しても溶けない不思議なアイスキャンディのレシピ、実験をご紹介します。溶けない秘密は融点にあった!?不思議なアイスキャンディを親子で作ってみよう!

サイエンスレシピ

夏休みも始まり毎日暑い日が続いていますね。普段は涼しいイギリスの夏ですが、今年は熱波で40度まで気温が上がるなど記録的な夏を迎えています。

そんな暑い日に食べたいのが“アイス”。ひんやり美味しいアイスはこども達も大好きですよね。そんなアイスがずっと溶けないとしたらどうでしょうか?

今回は、冷凍庫から出しても外で食べても溶けないアイスの作り方、実験例をご紹介します。

ひんやり冷たいのに溶けないアイスとは?!

その名の通り、溶けないんです!(笑) 普通のアイスなら、冷凍庫から出しておいたら溶けてしまいますよね。それが今回ご紹介するアイスは溶けずにそのまま、ずっと固まったままのアイスです。

しかもちゃんとひんやりと冷たいんです。実際に作って、部屋に置いて普通のアイスと比較してみましたが本当に溶けませんでした。そんなことがどうして起きるのか、その仕掛けをご紹介します。

溶けないカギは○○にあった!

寒天

どうしてアイスが溶けないのか。そのカギはズバリ「融点」。固形が液体になり始める温度のことですね。このアイスを作るときに欠かせない材料が寒天

液体を固めることができる寒天を使ってアイスを作るのですが、一度固まった寒天が溶ける融点はなんと85度以上。そのため冷凍庫でカチカチに固まった寒天入りのアイスを室温に出しても溶けないというわけなのです。

寒天の特徴

ここで詳しく寒天について説明しましょう。寒天とは天草やオゴノリなどの海藻を原料として作られています。食物繊維が豊富に含まれていることやほとんどカロリーがないためダイエット食品としても知られる寒天ですが、今回注目したいのはその融点。先ほどご紹介したとおり、一度固まった寒天は85度以上にならないとまた溶けることはありません。

寒天とよく似たゼリーがありますが、ゼリーは牛や豚の骨や皮に含まれるコラーゲンで作られたゼラチンによって固められています。寒天と比べるとプルプルと柔らかく、口に入れるとすーっと溶ける食感です。ゼラチンの融点は23度から30度と低く、常温では溶けてしまいます。

その他にアガーと呼ばれる、これまた海藻で作られたものもあります。性質は寒天によく似ていて、融点も60度以上と室温では溶けません。寒天と比べた時の一番の違いは寒天は白濁していますが、アガーは無色透明の透き通ったゼリーを作ることができるのが特徴です。ゼラチンと寒天の中間のようなプルっとした食感で近年注目を集めています。

溶けないアイスを作ってみよう!

では実際に、溶けないアイスを作ってみましょう!

材料

アイスキャンディー4本分

牛乳  300ml
粉寒天 3g(液体量の1~1.5%程)
砂糖  30g
フルーツ 適量

準備するもの

アイスキャンディー型、鍋、泡だて器

作り方

1.粉寒天と砂糖をあらかじめ混ぜておきましょう。
2.1で混ぜた寒天と砂糖を牛乳にいれて泡だて器でよく混ぜます。
3.寒天のダマなどがなくしっかり溶けたら中火にかけます。(ダマになっているとうまく固まらないことがあります)
4.なべ底にくっつかないように混ぜながら火にかけ、沸騰したら弱火にして少しとろみがつくまで混ぜましょう。
5.先にフルーツを入れておいた型に、寒天液を流し入れます。
6.粗熱が取れたら冷凍庫で4時間以上凍らせて完成です。

凍らせたアイスが取り出しずらいときは容器を手で温めたり、周りに水をかけてあげると取り出しやすいです。

とけないアイスと普通のアイスの溶け方を比べてみよう

こんな不思議なとけないアイス。本当に常温においても溶けないのか、普通のアイスと比較実験してみました!

気温27.4度でスタート

5分後 気温27.2度 ぱっと見た感じ変化はなさそうですが、よく見ると普通のアイスのふちが溶け始めていました。

10分後 気温27.0度 普通のアイスは下のほうから溶け出してきました。

15分後 気温27.1度 さらに溶けていきます。溶けないアイスは変わらずそのまま。

20分後 気温28度  普通のアイスは半分ほど溶けてしまいました。

25分後 気温26.9度 普通のアイスは1/3を残してほとんどどろどろに。溶けないアイスはそのまま!

30分後 気温27.1度 完全に溶けてしまいました。そしてなんと溶けないアイスは本当に溶けずにそのままでした!

固体が溶ける温度に注目してみよう

さて今回は、寒天の融点(固体が液体になるときの温度)を利用した常温でも溶けないアイスをご紹介しました。

さらに、寒天と似ているゼリーやアガーについてもご説明した通り、見た目の似ているものでも融点というのは違っています。このことからさらに発展させて、いろんなものの融点を調べたり、温度の違いについてなぜか考えてみるのもおすすめです。

お子さんがまだ小さくて科学的なことはまだわからなくても、違うフルーツを試して手作りアイスを作るだけでも楽しいですよね。ぜひ親子で楽しめる方法を見つけてみてくださいね。

次回予告

まだまだ続く暑い夏。今回はひんやり美味しい溶けないアイスをご紹介しました。

そして次回はこれまたひんやり系スイーツ「二層ムース」を予定しています。混ぜて固めるだけなのに二層になる不思議なムース。お楽しみに!

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

BLUNDEN
BLUNDEN

食べる事が何よりも大好き!国際結婚を機にイギリスに移住して5年、子育て奮闘中の主婦です。海外での文化の違いや食べ物の違いを楽しみながら暮らしています。日々の工夫から生まれたレシピや日本では知られていないイギリスの料理、その他食べる事に関する記事を主に書いています。