「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」は、スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで開催される、世界最大規模の絵本原画展です。絵本のイラストレーターにとって名誉ある賞で、日本からもこれまでに何点か入選しています。今年の受賞作や過去の受賞作をチェックしてみましょう。
ブラティスラヴァ世界絵本原画展とは?
絵本といっても文章は選考対象ではなく、原画だけで審査が行われるのも特徴。最終選考で11名に絞られたのち、グランプリが1名、金のりんご賞が5名、金牌が5名に贈られます。
これまでに日本人画家も多数受賞。今年2017年に行われたコンクールでは、荒井真紀さんが金のりんご賞を、ミロコマチコさんが金牌を受賞しました。どのような絵本か、見ていきましょう。
2017年 金のりんご賞『たんぽぽ』
著者 :荒井真紀( 文・絵)
出版社 :金の星社
タンポポの一生を繊細な細密画で描いた作品です。細部までしっかり描かれていることから、植物に興味のあるお子さまにもぴったり。
観察のヒントにもなるので、この本を読んでからお散歩に出かけるとタンポポを探すのが楽しくなりそうです。
2017年 金牌『けもののにおいがしてきたぞ』
著者 :ミロコマチコ(作・絵)
出版社 :岩崎書店
暗い色調ながら力強さを感じる画風が魅力の作品です。けものみちのおどろおどろしい雰囲気がよく表れています。
「けもののにおいがしてきたぞ」というタイトルどおり、「本当にけもののにおいがする!」と感じる人も。お子さまと一緒に、けもののにおいを感じてみてください。
1967年 グランプリ『ふしぎなたけのこ』
著者 :松野 正子(作)/瀬川 康男(絵)
出版社 :福音館書店
ブラティスラヴァ世界絵本原画展における、記念すべき第一回のグランプリ作品です。上着をかけておいたたけのこがぐんぐん伸びて、雲より高くなって……というお話。読んだ記憶のあるパパママも多いのでは?
テンポの良い文章と、自然が生き生きと描かれた絵がとても印象的な一冊です。ワクワクしながら読み進めることができるでしょう。
1977年 金のりんご賞『あいうえおの本』
著者 :安野光雅(作)
出版社 :福音館書店
表紙に載っている下駄箱のようなあいうえお表が目を引きます。見開きの左のページにはひらがなが、右ページにはそのひらがなからはじまるイラストが載っているという構成。たとえば左ページに「あ」と書いてあったら、右ページにあんぱんのイラストがあるという具合です。
しかしこの本のすごいところはそれだけではありません。あんぱんのそばにありが書かれていたり、外枠にあひるやあさがおが隠れていたり、とにかく奥が深いのです。お子さまと一緒になって言葉探しをすると、盛り上がること間違いなしです。