2019年03月26日 公開

大学入試共通テストに必要な英語4技能とは?民間試験8種の特徴

2020年度以降これまでのセンター試験に代わり、新たに「大学入試共通テスト」が始まります。これに伴い従来の「読む・聞く」のみが重視されていた英語試験から、より幅広い能力を測るべく8種類の検定が活用されることになりました。それぞれの試験の特徴をご紹介します。※2019年11月1日、文部科学省による英語民間試験活用延期が発表されました(2019年11月6日追記)

2020年度以降これまでのセンター試験に代わり、新たに「大学入試共通テスト」が始まります。これに伴い従来の「読む・聞く」のみが重視されていた英語試験から、より幅広い能力を測るべく8種類の検定が活用されることになりました。それぞれの試験の特徴をご紹介します。※2019年11月1日、文部科学省による英語民間試験活用延期が発表されました(2019年11月6日追記)

大学入試の英語試験が変わる?

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2021年1月より、大学入試は従来のセンター試験から「大学入学共通テスト」に移行します。大学入学共通テストの対象となるのは、2020年度に高校3年生になる子どもたち以降です。英語の試験に関しては2023年度まで、大学入試センターが出題する問題と英語の民間資格・検定試験との併用が決まっています。

2024年度からは民間資格・検定試験に一本化する予定。この背景には従来の「読む・聞く」の2技能のみに限定されたマークシート形式から、さらに「話す・書く」の2技能をプラスした4技能を測る意図があります。

※2019年11月1日、文部科学省による大学入学共通テストへの英語民間試験活用延期が発表されました。当初は2020年度から導入予定でしたが、2024年からの予定に変更されています。今後も情報が変更になる可能性がありますので最新情報は文部科学省の公式サイトなどをご確認ください。(2019年11月6日追記)

大学入試で使える英語試験は8種類

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ここまでの内容をまとめると、入試時の英語試験には大学入学共通テスト(従来のセンター試験の内容)と大学ごとの個別試験、さらに4技能を測る検定試験が実施されるということになります。大学入学共通テストで使える英語の民間資格・検定試験は8種類。これらの試験を「出願資格」とするか、「加点」「出願資格としたうえで加点」するかは大学・学部ごとでさまざまです。

なお、いずれの試験結果も、CEFR(セファール)という数値に置き換えて計算されます。一般的に高校卒業時点では、「A2(ごく基本的な英語表現を理解できるレベル)」「B1(仕事や学校など身近な内容に関する英語表現を理解できるレベル)」に到達できていることが目標。では、英語の4技能を測る8つの資格・試験をご紹介します。

おなじみ「英検」「TOEIC」

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英検とTOEICは多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。それぞれの特徴と、CEFRで換算したときにA2~B1ランクに相当するスコア・レベルをご紹介します。

実用英語技能検定

日本英語検定協会が実施している検定試験で、日本の英語検定の中では最もポピュラーといえます。年間300万人以上が挑戦しており、全都道府県どこでも受験できる手軽さが魅力です。入試にあたってはA2~B1にあたる準2級~準1級程度が必要になるでしょう。

TOEIC

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会によって実施されている検定試験です。実際のビジネスで使われる英語を想定して出題しており、会社の人事評価でも活用されています。スコアの目安としては625~1555が、CEFRでいうA2~B1レベルです。

そのほか6種の英語試験

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英検、TOEIC以外で大学入試英語成績提供システムに参加している試験には、下記の6つがあります。

ケンブリッジ英語検定

イギリスのケンブリッジ大学試験機構が実施している英語検定で、主にヨーロッパで主流となっている試験です。実用性の高い問題が出題されます。CEFRの開発に携わるケンブリッジ大学試験機構が実施しているため、そのレベルはCEFRに準拠しているのが特徴。A2~B1はA2 Key(KET)、あるいはB1 Preliminary(PET)に相当します。

GTEC

ベネッセコーポレーションが実施している検定試験です。ほかの試験に比べると知名度はまだ高くありませんが、各都道府県で受験できます。レベルにはCore、Basic、Advancedの3段階があり、それぞれCEFRのA1~A2、A1~B1、A1~B2を測定可能です。いずれを受験した場合も、690~840程度のスコアが必要になります。

IELTS

ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシルによって運営されている検定試験です。イギリス、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアのほぼすべての高等教育機関で認められており、これらの国への留学のために受ける人も多くいます。この試験ではCEFRのB1~C2レベルを測定でき、バンドスコア4.0以上(B1ランク相当)が必要になるでしょう。

TEAP

上智大学と日本英語検定協会が開発した英語検定です。主に大学教育で必要な英語能力を想定して作られたもので、高校生や浪人生に多く利用されています。CEFRでいうA2~C1レベルを測定でき、400点満点中135~224あたりのスコアは必要です。

TEAP CBT

TEAPのCBT版(Computer-Based Testing)で、コンピュータを使って受験します。測定できるCEFRは同じくA2~C1で、スコア800点満点中235~415は必要になるでしょう。

TOEFL iBTテスト

米国非営利教育団体Educational Testing Service(ETS)が認定する、世界的に有名な検定試験。多くの大学の入学選考基準として利用されており、アカデミックなシーンにおける英語力が問われます。CEFRでいうB1~C1レベルを測定でき、120点満点中42~71点(B1ランク相当)が必要になるでしょう。

子どもに合った選択をしよう

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「8種類のうちどれを受けても同じ」というわけではなく、試験ごとにアカデミックなもの、ビジネスシーンにおける英語力を問うものなど特色があります。

英検は学校で受検者を募っていることも多く、生徒にも身近で教材が豊富です。日本の大学受験と並行して海外留学を考えている場合は、IELTSやTOEFLを選択したほうが便利かもしれません。大学卒業後の就職先でのキャリアアップも見据えるのであれば、TOEICという選択肢もあります。お子さまに合った試験を選び、早めに準備を進めるようにしましょう。

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この記事のライター