2018年10月08日 公開

『ひとまねこざる』シリーズ全6冊!わんぱくなジョージの世界

1941年の発行以来、世代を超えて愛され続けてきた『ひとまねこざる』シリーズ。知りたがりで冒険好きな子猿「ジョージ」の様子は、天真爛漫な子どものようです。躍動感ある文章・愛らしい絵柄が特徴の絵本。親子で楽しめる『ひとまねこざる』シリーズ全6冊をご紹介します。

1941年の発行以来、世代を超えて愛され続けてきた『ひとまねこざる』シリーズ。知りたがりで冒険好きな子猿「ジョージ」の様子は、天真爛漫な子どものようです。躍動感ある文章・愛らしい絵柄が特徴の絵本。親子で楽しめる『ひとまねこざる』シリーズ全6冊をご紹介します。

1.『ひとまねこざるときいろいぼうし』

タイトル:ひとまねこざるときいろいぼうし
著者  :H.A.レイ(文・絵)、光吉 夏弥(訳)
出版社 :岩波書店

自然豊かなアフリカでバナナを食べて、のんびり暮らしていた子猿のジョージ。ある日、大都会から黄色い帽子をかぶったおじさんがやってきます。

まねっこ大好き、しりたがりのジョージは、おじさんの黄色い帽子に興味津々。おじさんの真似をして帽子を被ったら、急に目の前が真っ暗になってしまいます。

ジョージはおじさんにつかまり、船に乗って都会の動物園まで連れて行かれることに。突然のピンチもなんのその、知りたがりやのジョージはカモメに興味を持ち、「飛ぶこと」について考えるなどして楽しんでしまいます。

アニメでは寛大で優しい黄色い帽子のおじさんですが、原著ではかなりイメージが違います。ジョージとの出会い方に衝撃を受けるパパママも多いのでは。現代の感覚からすると、自由な生活から一転、動物園に連れて行かれるのはかわいそうな気もします。

作者であるH.A.レイ夫妻は動物園好きだったため、設備の整った動物園に入れられることに悪いイメージはなかったのかもしれません。

2.『ひとまねこざる』

タイトル:ひとまねこざる
著者  :H.A.レイ(文・絵)、光吉 夏弥(訳)
出版社 :岩波書店

動物園で暮らしているジョージは、外の世界が気になって仕方がありません。ある日、ジョージは飼育員のポケットからこっそり鍵を盗み取り、動物園を抜け出てしまいます。

バスの上に乗って町へ出たジョージは、不安を感じますが持ち前の好奇心で皿洗い・窓拭きの仕事に挑戦。「知りたがりや」で「ひとまねが大好き」なジョージでしたが、やがてトラブルを起こし入院するはめになります。

そんなトラブルをきっかけに、黄色い帽子のおじさんと再会を果たしたジョージ。なんとおじさんの手配で映画俳優となり、大成功を収めます。

動物園から出たジョージの大胆な行動に、子どもも大喜びすることでしょう。レストランの厨房で食べ物を勝手に食べたり、他人の部屋をジャングル模様にペイントしたり。ドキドキしながらも、ジョージの行動力と運の良さに脱帽します。

3.『ろけっとこざる』

タイトル:ろけっとこざる
著者  :H.A.レイ(文・絵)、光吉 夏弥(訳)
出版社 :岩波書店

黄色い帽子のおじさんと暮らしているジョージ。家にひとりでいるときに、ジョージ宛の手紙が届きます。字が読めないジョージですが、返事を書こうと思い立ちました。

ひとまねが大好きなジョージは、おじさんの机から紙・ペン・インクを取り出し手紙を書き始めます。ところがインクがこぼれて、床を汚してしまうことに。掃除しようと粉石けんをまきますが、部屋が泡だらけになるばかりでした。

これをきっかけに大騒動となっていきます。この騒動から博物館に逃げ込んだジョージは、館長さんから「実験用ロケット」の搭乗員に任命されてしまい……?

何とかトラブルを解決しようとして、よりひどい状況を招くジョージの行動には、子どもも目を丸くするはず。持ち前の明るさと行動力で宇宙での任務を成功させる姿は、自分で考え行動する強ささえ感じます。最後にはジョージに「おめでとう!」と声をかけたくなるでしょう。

4.『じてんしゃにのるひとまねこざる』

タイトル:じてんしゃにのるひとまねこざる
著者  :H.A.レイ(文・絵)、光吉 夏弥(訳)
出版社 :岩波書店

ジョージがアフリカからやって来て、3年を迎える日のお話。その日の晩に黄色い帽子のおじさんが、ジョージをサーカスに連れて行ってくれると言うのです。

大喜びのジョージは、おじさんからプレゼントされた素敵な青い自転車で出かけました。すると自転車の曲乗りをするジョージをサーカスのおじさんがスカウトし、団員として連れて行くことに。

ラッパを使った曲乗りをすることになったジョージ。ダチョウにラッパを飲み込まれてしまうなど次々とトラブルを起こします。いよいよ本番、ジョージは無事に技を成功させられるでしょうか?

ジョージがサーカスに連れて行かれるシーンは、つい手に汗を握ります。破天荒なジョージはさらに公演前に次々とトラブルを起こしますが、自由な発想と機転でサーカスは大成功。決して憎めない愛らしいキャラクターに、自然とお子さまも笑顔になってしまいます。

5.『たこをあげるひとまねこざる』

 (106458)

タイトル:たこをあげるひとまねこざる
著者  :M.レイ(文)、H.A.レイ(絵) 、光吉 夏弥(訳)
出版社 :岩波書店

知りたがりやのジョージがひとりでお留守番。じっとしていられるわけがなく、子ウサギとかくれんぼをして遊んでみたり、魚釣りに挑戦してみたり。モップの釣竿にケーキの餌で奮闘しますが、ジョージは水に落ちてしまいます。

凧揚げもやってみようとするジョージですが、とうとう自分ごと浮き上がって……。どうやって降りれば良いのかわからず、大ピンチのジョージの様子は見ているだけでハラハラします。

また目につくものすべてに興味を持ち、挑戦しようとする姿は好奇心旺盛な子どもとよく似ているでしょう。ボール遊び、子ウサギとのかくれんぼ、釣り、自分ごと上がってしまう凧揚げ。めまぐるしく変わる遊びの場面は、テンポよく一気に読めてしまうはずです。

6.『ひとまねこざるびょういんへいく』

 (106460)

タイトル:ひとまねこざるびょういんへいく
著者  :マーガレット・レイ(文)、H.A.レイ(絵) 、光吉 夏弥(訳)
出版社 :岩波書店

はめ絵遊びをしていたジョージは、パーツをキャンディーと間違えて飲み込んでしまいます。お腹が痛くなり、苦しむジョージを黄色い帽子のおじさんは病院へ連れて行きました。

入院・手術をすることになったジョージですが、病院でも変わらずトラブルメーカー。遊戯室のレコードプレーヤに乗って遊び、車椅子で大騒ぎをし、病院中を大騒動に巻き込みます。一方でジョージの破天荒な行動は、入院患者の子どもを笑顔にすることに。

パズルを「はめ絵」とするレトロな表記が新鮮です。パズルのピースをキャンディーと間違える、ジョージらしいミスにはびっくり。誤飲の怖さを子どもに伝えるきっかけにもなるでしょう。

レントゲン・バリウム・注射など、検査の様子が細かく説明されており、子どもにとって怖い場所になりがちな病院を明るく楽しく描いている作品です。

ボリュームのある文章量で読書力アップ

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『ひとまねこざる』シリーズは、文・絵ともにボリュームたっぷりです。特に文字数は一般的な絵本のなかでも多めです。1冊50ページを超える絵本はなかなかありません。

ただ表記のほとんどはひらがな。たまに簡単な漢字で出てきますが、ふりがながついているので未就学児も読むことができます。愛らしく生き生きとしたイラストと波乱万丈なストーリー展開で、長い文章も飽きることなく読めてしまうでしょう。

読み聞かせ・ひとり読みどちらを行うにせよ、幼いうちから長い文章に触れるのは良いことです。読書の習慣づけと読解力向上につながります。

■ひとまねこざるについて詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。
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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。