日本では最近、働き方が話題になっています。フランスはワーク・ライフ・バランスの先進国。なんと5週間の有給休暇があり、有給消化率はほぼ100%なんです。また、1週間の労働時間が35時間に法律で制限されているなど、労働者にやさしい制度も充実。そんなフランス人の働き方を、現地からお伝えします!
週35時間労働制
そんなフランスですが、1848年には84時間、1936年には40時間、1982年に39時間、そして2002年に35時間と、徐々に労働時間を減らしてきました。その目的は、ワーキングシェアによる雇用と生産性の拡大、生活・健康状態の改善、男女家事の分担だとされています。2000年以降出生率が増加したフランスでは、これが労働時間の減少の成果のひとつだと言われています。
そんなフランスも、去年から労働時間の増加が論議され始めました。それと同時に、出生率が下がったので、労働時間と出生率の関係は密接なものだと指摘されています。
病欠は国民保険から支払い
被雇用者は病欠から48時間以内に医師による病欠証明書を提出することで、医師によって指定された期間、病欠することができます。
フランスの有給休暇
このため、8月のパリは閑散としていますし、テレビ番組も再放送ばかりになります。しかし一般的なフランス人はこの期間、長期旅行に旅立っていて、ビーチで日光浴をしたり、山登りなどをしたりしています。テレビを見ることもないので、意外と困ることがないんですね♪
ヴァカンスの家族旅行は国民行事♪
筆者の周りのフランス人を見てみると、独身のときは海外旅行をする人が多いです。子どもができてからしばらくは家族が所有している別荘でゆっくり過ごしたり、田舎に友達家族と一軒家を借りてシェアしたり、という過ごし方が多いです。日本人にとって「別荘」というと高級なイメージがありますが、休暇の多いフランスでは、その分利用する回数も多くなるので、多くの家庭が親の代から所有しています。
また、子どもたちを1週間から2週間程度のコロニー・ド・ヴァカンスと呼ばれる林間学校のようなものに送り出し、パパ・ママはゆっくりカップルの時間を過ごすという家庭も多いです。
それで大丈夫?フランス人の働き方
フランスで働いてみると、有休や病欠、労働時間の考え方が全然日本とは違うな、と実感します。法律で決められているため、企業側も労働者側も、こういった働き方を当然だと捉えています。
でもついつい、それで大丈夫?と不安になってしまいますよね。
2015年のOECD加盟国の時間当たりの労働生産性を国別に比較した調査によると、フランスは世界で6位、日本は20位です。実は労働生産性はフランスの方が高いんですね。
確かにフランスで暮らしていると、サービスの質や日常の便利さなどには疑問を持ちます。プラス面としては、長期休暇と少ない労働時間が守られて、家族と過ごす時間や、趣味に費やせる時間が多いです。マイナス面としては、日本のように24時間開いているお店はなかったり、何か問題があったときにすぐに解決されなかったり、どうしても不便だと感じることが多いです。
どこまで個人の生活の質を優先して、どこまで日常の便利さを優先するか、そのバランスが大切なのではないかと思います。こういったいろんな面を考えて、日本でもよりよい家庭生活が実現できるようになるといいですね。