「インクルーシブ・リーダーシップ」をご存じですか?国際化が進み、価値観が多様化している現代社会で、注目されはじめている力です。これに着目し、教育に取り入れている学校もあります。そこで今回は、インクルーシブ・リーダーシップと、教育への活用方法についてご紹介します。
インクルーシブ・リーダーシップとは?
一つの企業に、年齢や性別、考え方の異なる人々がいるのは普通のこと。最近は国籍が異なる場合も珍しくありません。多様性のある社会では価値観も人それぞれ。そんな集団をまとめるには、「自分についてこい!」というだけでは上手くいかないことも。そこで注目されているのが「インクルーシブ・リーダーシップ」なのです。
インクルーシブは「包括的な」という意味。インクルーシブ・リーダーシップでは、「先頭に立って集団を引っ張る力」とともに、「サポート役に回り集団を導く力」も重要視されます。それぞれの個性や強みを引き出し生かすことを求められているのです。
今後、社会の多様性はさらに増していくと考えられます。インクルーシブ・リーダーシップは、これからの子どもたちには欠かせない能力かもしれません。
インクルーシブ・リーダーシップに着目する「東京女学館」
東京女学館では、教育目標に「国際社会で活躍する女性リーダーの育成」を掲げています。これは、今後ますます国際化が進んでいく社会を見据えたものです。「インクルーシブ・リーダーシップ」はこの「女性リーダー」の姿として挙げられています。
では、東京女学館では「インクルーシブ・リーダーシップ」の育成のためにどのような教育をしているのでしょうか?
東京女学館の教育その1.日本の伝統文化を知る
その取り組みが、「すずかけ」というプログラム。日本の伝統文化を学ぶ授業で、茶道や華道、日本舞踊などを体験し、伝統的な作法や礼儀などを学びます。
「すずかけ」の授業を通して自国の伝統文化にふれることで、心豊かな人間として成長することをねらいとしています。日本と外国との違いやその良さにも、より多く気がつくことができるはずです。
東京女学館の教育その2.国際理解を深める
その内容は、ブリティッシュスクールとの交流や大使館訪問、イングリッシュキャンプや海外語学研修と多様。楽しみながら海外の国々や言語に関心が持てるように工夫されています。
東京女学館の教育その3.課題を解決する力をつける
その一つが縦割りグループでの体験学習です。遠足や社会見学、宿泊体験などにおいて、上の学年の子どもたちは、下の学年の子どもたちのことを思いやりながら活動しなければなりません。また、グループでの活動内容については子どもたちで話し合って計画します。
この経験によって、課題解決の力やコミュニケーション力の育成が促されるのです。そしてこれらの能力を育てることが、インクルーシブ・リーダーシップにもつながると考えられています。