南北に長い日本列島では地域によって田植えの時期が3カ月も異なります。各地域の気候風土に思いをはせながら読んでもらいたい田植えの絵本を紹介します。田植えを実際に見られるとさらに良いですね。機会がありましたらぜひ田園風景の広がる土地へ足を運んでみてくださいね。
「おむすびさんちのたうえのひ」
著者 :かがくい ひろし
出版社 :PHP研究所
のどかな田園風景が広がる、ほのぼのとした田植えの絵本。
主人公は、おむすびです。
村のみんなと助け合って田植えをする一日のお話です。
登場人物がおむすびの具であるようなしゃけや、うめぼしといったもので、ちょっとワクワクします。美味しいおむすびができるようにと田植えをするのです。
田植のシーンがとてもリアルに描かれているのでとてもわかりやすいのが特徴です。
「おじいちゃんちのたうえ」一家総出の田植え!
著者 :さこ ももみ
出版社 :講談社
稲作農家がねばり強くものを作っていく様子や収穫のよろこび、自然のすばらしさが伝わる絵本です。
春の田んぼの気持ち良い風や香りを感じられそうなタッチの絵と文章です。
日本人の故郷のような心地よさと、大人が忘れてしまった感情を想い出すようなそんな絵本に仕上がっています。
田植えが一家の総出の大仕事であることが分かりやすく描かれています。
「どろだらけのじぞうさん」田植祭りの由来を知ろう
著者 :文 谷真介 絵 赤坂三好
出版社 :佼成出版社
病気で田植えができなくなったウメばあさんのもとへ、ひとりのお坊さんが訪ねてきて「田植えは俺に任せろ!」と代わりに田植えをします。そのお坊さんが実は……というお話です。
ここから田植祭りがはじまったともされる昔話ですが、田植えの大変さを実感できる絵本です。
「くずのはやまのきつね」豊作ときつねのお話
著者 :文 大友康夫 絵 西村繁男
出版社 :福音館書店
数年間、飢饉でコメがとれずにに困っていた村人たち。
キツネが嫁入りするときには、豊作になると言う伝説があり忙しい時期なのにキツネを探しに出る兄弟がいます。
キツネを見つけて帰る兄弟に、村人もキツネにかまっているより田植えをしろと言います。
果たして、村は豊作になるのでしょうか?キツネはどうかかわるのか?目が離せない内容です。
「おさなぶり」昔ながらの田植えを知ろう
著者 :文,みなみ信州農業協同組合 絵,肥後耕寿
出版社 :農山漁村文化協会
昔ながらの田植えや稲刈りなどの農作業がわかる絵本です。
機械がない時代には、家族総出で農作業をしなければならなかったことが分かり、農家の往時の苦労がしのばれます。
ふるさとの農業を見直すという地域の教育の一環として作られた絵本ですが、食物を育てることがいかに大変か、食料の大切さがわかる一冊です。
昔の田植は重労働!
また、昔の農作業が描かれた絵本を読むことで、小さなお子さまにも食料を作ることの大変が理解できますね。
田植えをテーマにした絵本はお米ひとつぶの大切さ、食べ物を無駄にしてはいけないということを教えるのにもおすすめです。