野菜が苦手な子どもたちに、野菜を食べるように言うと「じゃがいもを食べてるから大丈夫」と言われてしまったことはありませんか?でも「じゃがいもって本当に野菜なの?それとも別のもの?」という疑問も。そこで今回、じゃがいもは野菜なのか?そうでないのか?について、徹底的に検証してみました。
じゃがいもとは?
じゃがいもが成長し花が咲いたあとには、チェリートマトそっくりの小さな実がなります。じゃがいもとトマトがファミリーだという証でしょう。
ところで私たちが食べているじゃがいもは、植物のどの部分なのでしょうか?根だと思っている人が多いかもしれませんが、正確には大きく成長した茎の部分なのです。
さて、世界中で食べられているこのじゃがいもは、野菜でしょうか?
そもそも野菜とは?
たとえば、農林水産省では野菜を「食用に供し得る草本性の植物で、加工の程度の低いまま副食物として利用される」とし、次の5つに分類しています。
根菜類:にんじん・じゃがいもなど
葉茎菜類:キャベツ・たまねぎなど
果菜類:なす・トマトなど
果実的野菜:いちご・すいかなど
香辛野菜:しょうがなど
この農林水産省の分類と考えると、じゃがいもは野菜で決定と思ってしまいたくなりますが……。
「じゃがいもは野菜」に異議あり!?
実はじゃがいもは穀類だという意見には一理あります。園芸学的には野菜のじゃがいもですが、食品学的には「穀物に準ずる主食となる農産物」とされている「いも類」に分類されているからです。
たとえば、じゃがいもは食品成分表では「いも及びでん粉類」に、厚生労働省の国民健康・栄養調査でも「いも類」に分類されています。
じゃがいもの分類は難しい
農林水産省の分類をご紹介しましたが、実は残念ながら野菜の一般的な定義は現状ではっきりとは決まっていません。またいも類が野菜に含まれるのか、それとも独立しているのかについても、はっきりとした統一の見解は現在ではありません。
つまり、じゃがいもは野菜ともいえるし、野菜ではないともいえるという曖昧なものなのです。
じゃがいもの栄養素は魅力的
実はビタミンCがとても豊富で、その量はなんとみかん並み!しかもデンプンに守られているため、加熱しても壊れにくいという嬉しい特徴もあります。また余分なナトリウムを体外に出す働きを持つカリウムもたっぷり。
この豊かなビタミンCとカリウムからじゃがいもはフランス語では「大地のりんご」と呼ばれています。
じゃがいもは、その他葉酸などのビタミンB群、食物繊維など、身体が喜ぶ栄養素も含まれている食材の優等生なのです。
じゃがいもは他の野菜と組み合わせて日々の食事に
消化もいいため小さなお子さまにもおすすめで、日々の献立にぜひ加えたい食材です。
しかし、じゃがいもだけで必要な野菜の栄養素すべてをカバーするのは難しいので、他の野菜と組み合わせて献立をたてましょう。