子どもにとってはじめての社会生活の場として、幼稚園への入園を検討している家庭も多いことでしょう。「いざ入園」の前に考えておかなければならないのが、保育料などの幼稚園にかかる費用。公立か私立かによっても、かかる費用には違いがあります。保育園との違いや平均的な費用など、幼稚園入園に向けた基礎知識をご紹介します。
幼稚園の基礎情報を知ろう
保育期間
設置者による種類
調査からは、多くの子どもたちが私立幼稚園に通っていることがわかります。この背景には、少子化による閉園や認定子ども園への移行が進んだことで、公立幼稚園の数が減少していることもあるようです。平成28年度から平成29年度の1年間で、公立幼稚園は4,127園から3,952園に。175園の減少となっています。
保育園との違いを確認しよう
・管轄と根拠法令
保育園は児童福祉法に基づくもので、厚生労働省が管轄しています。幼稚園は学校教育法に基づいており、文部科学省が管轄しています。
・対象年齢
保育園は保育に欠ける0歳以上の未就学児、幼稚園は満3歳以上の未就学児が対象です。
・1日の保育時間
保育園の平均的な保育時間は午前7:30~午後6:00ごろまでの原則8時間。幼稚園の場合は午前9:00~午後2:00ごろまでの4時間程度です。
・保育料
認可保育園の場合、自治体が保護者の所得に応じた階層ごとに保育料を設定しています。また、保育料には自治体からの補助金も反映されるため、同じ所得の世帯でも居住する自治体によって保育料が異なります。そのほか、子どもの年齢やひとり親かどうか、きょうだいも保育園に通っているかなどによっても保育料は変化します。
認可外保育園の場合は、それぞれの施設が保育料を定めているので、金額は施設ごとで異なるでしょう。
幼稚園の保育料を決めているのは、私立は設置者、公立は自治体です。平成27年4月に「子ども・子育て支援新制度」が導入されて以降、公立幼稚園の保育料は保護者の納める税額等によって算定されるようになってきています。
公立の平均費用
内訳は以下の通りです。
・授業料 62,049円
・修学旅行・遠足・見学費 2,031円
・教科書費・教科書以外の図書費 1,092円
・学用品・実験実習材料費 7,484円
・教科外活動費 641円
・制服代 3,657円 など
そのほかにPTA会費や学級費、通学用品費などの負担があります。
私立の平均費用
内訳は以下の通り。
・授業料 215,933円
・修学旅行・遠足・見学費 3,895円
・教科書費・教科書以外の図書費 2,051円
・学用品・実験実習材料費 8,555円
・教科外活動費 1,910円
・制服代 5,245円 など
公立幼稚園同様、上記に加えてPTA会費や学級費、通学用品費なども準備が必要です。
保育料以外に必要な費用
また、習字やピアノ、水泳、サッカーなどの習い事の月謝代や教材費、図書費、体験活動や地域活動でかかる費用、お友達との付き合いにかかる費用なども考えておく必要があるでしょう。
経済的な負担だけでなく、幼稚園によってはパパママの出番が多いケースも。通園バッグなどの学用品を手作りしなければならない園もあるようです。
補助が受けられるか確認しよう
申請は各幼稚園に対して行い、自治体による審査を経て、補助金の支給可否や金額が決定されます。私立幼稚園への入園を検討している方は、補助が受けられるか事前に確認しておくとよいでしょう。