雪の多い地方に住む人にとって、雪は喜びを運んでくれる贈り物とはかぎりませんよね。でも、いつの時代も、またどの国においても、子どもと雪はつねに仲の良い友だちです。雪と子どもの楽しく、美しい時間を描いた英語絵本の名作・傑作をご紹介します。
「雪」を描いただけなのに押し寄せる深い感動
著者 :Uri Shulevitz
出版社 :Farrar Straus & Giroux
「雪」というシンプルなタイトルが印象的な絵本。
灰色の空から舞い落ちてきた雪のかけらを見つけた少年は、「It's snowing!(雪だ!)」と叫びます。
大人たちは「It's only a Snowflake(ただの風花だよ)」とそっけない態度。
次第に雪は本降りになり、町が雪に覆われると、少年は踊りながら大喜び!
最後は「Snow!」という少年の台詞で幕が下ります。
英文は平易ですが、「Snow」と「Snowflake」の違いという微妙なニュアンスが説かれています。
芸術と呼べるほどの素晴らしい作画なので、英語のニュアンスが理解できなくても楽しむことのできる名作です。
「子どもにとっての雪遊び」をしみじみ描いた古典
著者 :Ezra Jack Keats
出版社 :Viking Books for Young Readers
黒人の男の子が一人で雪遊びをするお話です。
そう書くと、なんだかなんの特徴もないつまらない絵本に思えてきますね。
でも本作は、もっともすぐれた絵本に与えられるコールデコット賞を1963年に受賞している古典的名作です。
物語はシンプルそのもの。
男の子が、雪に足跡をつけたり、木に積もった雪を棒で落としたり、雪だるまをつくったり。
ポケットに入れた雪がいつのまにか溶けてしまって悲しくなったり。
そんな何気ない情景の積み重ねなのに、読み終えてみると心にいつまでも残る静かな感動を与えてくれます。
その理由は、シンプルだけど情緒豊かな素敵な作画のおかげ。
英文がわからなくても、絵の力だけで子どもの心にたくさんのギフトを与えてくれる傑作です。
笑顔がとまらない!冬眠中のカエルの雪遊び
著者 :Jonathan London
出版社 :Puffin Books
大雪のふった朝、カエルの子どもFroggy は、ベッドから窓の外をみて大喜び!
「Snow! snow! I want to play in the snow!」
(雪だ!雪遊びしたいよ~)
でもお母さんがたしなめます。
「Go back to sleep. Frogs are supposed to sleep all winter. Wake up when the snow melts.」
(ちゃんと寝ていなさい。カエルは冬のあいだは冬眠するものよ。雪が溶けるまでね)
ユーモラスなやりとりにワクワクしてきますよね!
結局、Froggy は外で遊ぶことを許されるのですが、靴下やマフラーや手袋など、たくさんの防寒具を身につけていく過程がとても面白おかしく描かれています。
大人気キャラクター「ビスケット」と楽しむ雪遊び!
著者 :文 Alyssa Satin Capucilli ,絵 Pat Schories, Mary O'Keefe Young
出版社 :HarperFestival
海外で人気の「犬のビスケッ」トの絵本は100冊以上あり、日本でもファンが多いのですが、なぜか日本語版を見かけず困っているパパママも多いのでは?
でも大丈夫!
ビスケットシリーズの対象年齢は乳児からなので、英文がとてもやさしく、日本の子どもでも十分に理解できます。
本書のあらすじは、ビスケットが飼い主の女の子や友だちと雪の日に外でたくさん遊ぶというもの。
雪だるまをつくったり、そり遊びをしたりと、雪の日に大はしゃぎする子どもと犬の情景が楽しく描かれています。
さわって楽しめる!雪だるまの作り方を学べる一冊
著者 :Scholastic Inc.
出版社 :Cartwheel Books
たった6ページのかわいい絵本です。
タイトルのとおり、雪だるまの作り方が描かれています。
特徴は変わった素材がページに使われていること。
雪だるまの材料である雪、木、にんじんなどを触ると、ざらざら、つるつるといろいろな感触をたしかめることができます。
ページを開くたびに違った素材がでてくるので、子どもも夢中になって読み進めることでしょう。
英語の「雪の絵本」には傑作がたくさんありますよ!
雪がふれば子どもは大はしゃぎするし、雪を描いた絵本も子どもは大好きです。
どうせなら、英語で書かれた傑作絵本をたくさん使って、英語の知育にも活用しましょう!