2019年10月02日 公開

これからの英語力、4技能を育てるために家庭でできることは?

日本の英語教育は、これまでの文法や長文読解を重視したものから、聞く・読む・話す・書くの4技能を学ぶ方向へと変わりつつあります。未就学児や小学校低学年のお子さまを持つご家庭では、どんなことをしたらよいでしょうか?オーストラリアで子育て中の筆者が、おうちでできることを提案します。

日本の英語教育は、これまでの文法や長文読解を重視したものから、聞く・読む・話す・書くの4技能を学ぶ方向へと変わりつつあります。未就学児や小学校低学年のお子さまを持つご家庭では、どんなことをしたらよいでしょうか?オーストラリアで子育て中の筆者が、おうちでできることを提案します。

これからの英語に必要な「4技能」とは

Beautiful Child Cute - Free photo on Pixabay (146920)


昨今の英語教育を語る上で欠かせないキーワード「4技能」。「読む・書く・聞く・話す」の4つの能力を表します。
文法や長文読解に偏重したこれまでの日本の英語教育では「対面でコミュニケーションできる英語力」が育たないという反省と批判から、4技能をバランスよく学習する英語教育へのシフトが望まれています。

就学前や小学校低学年のお子さまがいるご家庭では、まだ本格的な英語学習は学校ではじまっていないものの、4技能を育てるために家庭でできることはないかと関心を持つ方もいるでしょう。

筆者は6年前からオーストラリアに家族移住し、2人の子どもたちはローカルスクールで学んでいます。こちらの5~8歳くらいの子が、学校で英語の4技能をまんべんなく学ぶ過程を見てきた経験から、日本の家庭でも取り入れられそうな方法を紹介します。

「聞く・話す」を学ぶには?

Girl Child Female - Free photo on Pixabay (146923)

日本人は一般的に、英語の「読み書き」の方が得意で、「聞く・話す」、いわゆる「会話」の方が苦手だといわれます。しかし、言語を学ぶ上では、基本的に「会話」の方が「読み書き」よりも先に発達します。日本語でも、小さい子どもが文字が読めなくとも、ある程度「話せる」ことを考えれば実感できるのではないでしょうか。

筆者の住む西オーストラリアでも、4~5歳前半の子どもが学校で学ぶのは、「聞く・話す」が中心です。しかし日本の場合は、英語環境ではないため、英語の会話を覚えるのは難しいことかもしれません。

家庭で取り入れられる簡単な方法は「英語のDVDやYouTubeなどの動画を見る」ことです。たとえ直接人と英語で会話する機会がなくとも「英語での会話がどんなふうに進むのか」「こんなときにはどう言うのか」を、音声と映像で知ることができます。

ただし、日本の子どもたちに人気の『きかんしゃトーマス』やディズニーアニメの英語版は、英語に慣れていない子にはちょっと難易度が高いかもしれません。

筆者のおすすめは、「In the Night Garden」や「Peppa Pig」など。幼児用に簡単でゆっくりな英語が使われていますし、映像だけでも楽しめる作品です。慣れたら少しずつ難しい作品に挑戦しましょう。

In the Night Garden 418 – What Loud Music, Tombliboos! | Videos For Kids

🔴 Peppa Pig Official Channel | Peppa Pig Live

「読み書き」を学ぶ方法は?

Toddler Reading Kids Fashion - Free photo on Pixabay (146934)

オーストラリアでは、4歳で幼稚園に入ると少しずつ読み書きの練習がはじまります。アルファベットを練習しながら、自分の名前を書いて、2~3文字の簡単な単語の読み書きへと進んでいきます。小学校1年生くらいから文の読み書きへと発展しますが、進み具合は個人差が大きいです。

日本の未就学児から小学校低学年くらいの子が読み書きをはじめる場合、アルファベットを覚えたら、ごく簡単な単語を覚えることからはじめるとよいのではないでしょうか。

英語では、サイトワード(sight words)と呼ばれる単語リストがあります。これは、日常で頻繁に使われる英単語であり、「つづりのルールを考えずに、スペルと音そのものを覚える」必要がある単語です。

サイトワードにも難易度のランクがありますが、一例としてまず以下のリンクにあるサイトワード100単語を覚えると、初歩的な読み書きをはじめるのに役立つといわれています。

家庭学習の際に注意すべき点は?

Girl Father Portrait - Free photo on Pixabay (146938)

日本のご家庭で英語の読み書きを練習する際に、注意したい点があります。英語は日本語と違い、文字(アルファベット)単位ではなく、音節、または単語ひとまとまりで、発音を覚える必要があります。読み方を覚える場合は、日本語のカタカナ発音で覚えないように注意しましょう。

ご家庭で正しい英語発音を指導できる環境でない場合は、電子辞書やアプリなどを利用し、お子さまが、「英語発音」とスペルを正しく関連付けられるようサポートしてあげるとよいでしょう。

サイトワードなど、ある程度単語が読めるようになったら、たとえば英語DVDのサブタイトル(英語字幕)を表示させながら視聴してみると、発音と文字を関連付けて覚えることができます。また、サイトワードを組み合わせて、3~5単語くらいの簡単な英文を作る練習も「書く」「話す」のスタートによいでしょう。

焦らず!子どもの思いを尊重して

Kids School Emotions - Free photo on Pixabay (146941)

英語環境で英語を覚えるのと日本語環境で英語を学ぶのは、多くの違いがあります。特に5~8歳くらいの時期は、日本語でも読み書きをはじめる大切な時期です。

日本の環境であれば、まず日本語がしっかりできないとすべての学習が難しくなります。ご家庭での英語学習は、お子さまの学校での学習や興味、得意不得意を考慮しながら、「日常のお楽しみ」として取り入れていくとよいのではないか、と筆者は思います。

この年齢の場合、ご家庭では「英語が正しく言える」「正しく読める」ことにこだわらず、お子さまが「英語が面白い」と感じたその思いに賛同してあげることが大切です。それがやがて後の本格的な英語学習につながっていくでしょう。それぞれのご家庭に合った動画や題材を探してみてくださいね。

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この記事のライター