2018年11月25日 公開
霜柱探しに出かけよう!寒い季節に霜柱ができる仕組みとは?
寒い朝の風物詩ともいえる霜柱。どのような仕組みでできるのかご存知でしょうか?霜柱ができる仕組みや、発生する条件をご紹介します。子どもと一緒にできる冬の外遊びとして、霜柱探しを取り入れるのもおすすめ。ザクザクという感触がしたら、足元に目を凝らしてみましょう。
寒い朝の風物詩ともいえる霜柱。どのような仕組みでできるのかご存知でしょうか?霜柱ができる仕組みや、発生する条件をご紹介します。子どもと一緒にできる冬の外遊びとして、霜柱探しを取り入れるのもおすすめ。ザクザクという感触がしたら、足元に目を凝らしてみましょう。
霜柱(しもばしら)とは
寒い朝に土の上を歩くと、ザクザクとした感触を感じることがあります。それが霜柱(しもばしら)です。
冬の気温が寒い日、地面の表面にある水分が冷やされて氷になります。地表にできた氷の粒に引き寄せられるように、地表にある水分が毛細管現象で土の狭いすき間を通って表面に集結。集まってきた水分も次々と柱状に凍り、ついには土が上部に押し上げられるようにして氷柱ができあがります。これが霜柱ができる仕組みです。
霜との違い
霜柱よりも、「霜」のほうがなじみ深いという方も多いのではないでしょうか?気温が低い日の天気予報で、「霜が降る朝」などという言葉を聞くことがあります。
地中の水分が凍る霜柱とは反対に、霜は地表近くの空気中の水蒸気が凍ったものです。地面や車のフロントガラス、草の葉など、物質の温度が0℃よりも低い場合に発生するもの。その物質の表面に触れた瞬間、空気が凍って「霜」が発生するのです。
霜柱はどこにできるの?
霜柱は単純に寒い日であればいつでも発生するというわけではありません。霜柱ができるにはさまざまな気象条件があります。
時期
霜柱は、晩秋から春先の寒い季節に発生しやすいとされています。北海道や東北地域では10月の終わりごろに初霜が観測されるのが一般的。その頃から霜柱も発生しやすくなります。日本の北部から徐々に南の方にもおりてくるような形で、関東地方では11月~12月ごろから見られるようになるでしょう。
場所
毛細管現象で地表の土の隙間を水分が通りぬけて霜柱ができるため、硬い土よりも柔らかい土のほうが発生しやすくなります。庭の花壇や畑、田んぼなどでよく見られるのはそのためです。
時間
霜柱はできる時間帯が限られています。地表の温度が氷点下になる朝が、霜柱の発生する時間です。寒ければ寒いほど良いというわけではなく、寒くなりすぎてしまうと、地中の水分が凍結してしまい霜柱はできません。
その他の条件
晴れた風のない日は放射冷却が進みやすく、霜柱ができる条件に近づきます。風の強い日は空気が動きやすいため、水分が凍りにくく霜柱の発生条件には適さないと言えるでしょう。
霜柱は作ることもできる!
霜柱は人工的に作ることもできます。子どもの夏休みの自由研究などにいかがでしょうか?
【手順】
1.ひと口大のゼリーカップに、お湯でしっかり湿らせた花壇の土を入れます。
2. 1の上に湿っていない土を少しだけ被せてください。
3.カップ麺など、発泡スチロールでできた容器の中に細かく切った新聞紙を敷き詰め、2を中央に置きます。
4. 3を冷凍庫に入れて1~2時間冷却。時間経過後に取り出すと霜柱が確認できるでしょう。
「シモバシラ」という花もある
「シモバシラ」という名前の植物を聞いたことはあるでしょうか。シソ科の多年草で、学名は「Keiskea japonica」。雪のように真っ白な花が咲くのですが、シモバシラと呼ばれるのはその白い花が理由ではありません。
シモバシラが枯れると、茎の根元に霜柱ができるという特徴があります。枯れた茎が根から水分を吸い上げ、それが外気に触れて凍ることで霜柱のような氷柱を作りあげるためです。そのときの水分量や気温など気象条件によってできる形は異なり、自然の神秘を楽しむことができます。
寒い朝には霜柱を探してみよう
土の水分が凍ってできる霜柱は、触ったり踏んだりすると独特の感触があり、冬の朝の遊びとしてはピッタリです。寒い日は家に閉じこもっていたくなりますが、霜柱ができる期間は限られています。しっかり防寒をして、親子で季節の風物詩探しのお散歩に出てみてはいかがでしょうか?