文部科学省が進めている「プログラミング教育」の必修化。2020年度には小学校から導入されることとなりました。しかし「プログラミング教育って何?」と不安を感じているパパママも少なくないはず。そこで「プログラミング教育」の目的や必要性などについて詳しくご紹介しましょう。
そもそも「プログラミング」って何?
この指示を人間がコンピューターに与えることを「プログラミング」と言います。とはいえコンピューターに「動け!」と日本語で言っても、当然ながら動きません。そこでコンピューターにわかる言葉「プログラム」を使って伝える必要があるのです。
人間に多くの言葉があるように、「プログラム」にもさまざまな専用の言葉があります。こういったコンピューターにわかる言葉を学び、コンピューターにわかるような指示を作ることが「プログラミング」です。
世界的にも需要が高まる「プログラミング」の必要性
海外ではこういったIT人材の不足に対応するため、相次いでプログラミング教育に取り組んできました。たとえばイギリスでは、2013年から義務教育でプログラミング教育を必修化し、プログラミング言語やアルゴリズムを学んでいます。フィンランドでは2016年から小学校でプログラミング教育が必修化されました。
こういったことから日本もコンピューターを「使える人」だけではなく、「作ることができる人」を増やす対策をとることに。そして2020年度から小学校でプログラミング教育を必修化する運びとなったのです。
「プログラミング教育」必修化の目的とは?
文部科学省「学習指導要領」改訂の一部として実施
プログラミング教育以外にも、「英語を教科として取り入れる」などこれまでの学習指導要領から大きく変更となるポイントがいくつかあります。今後社会はIT化だけではなくグローバル化も進むと考えられています。こういった社会の大きな変化に対応できる人材を育てるため、教育も大きく変える必要があるのです。
プログラミング的思考を育む
プログラミング的思考には、論理的思考や問題解決能力などがあげられます。プログラミング教育のなかで試行錯誤を繰り返し、トライアンドエラーを経験することで、こういった思考は養われるでしょう。
そしてこの思考はプログラミングだけではなく、ほかの教科を深く理解することにも役立つと考えられます。社会に出てから、さまざまな問題にぶつかり、自分の力で解決しなければならない場面は数多くあるもの。そういったときにもプログラミング的思考は活用できます。
第4次産業革命への対応、IT人材不足の解消
その一方で、日本は海外よりもさらにIT人材の不足が深刻化すると考えられています。経済産業省によると日本のITに関する人材は、2020年には約37万人、2030年には約79万人不足するとの予想に。こういった大きな社会の変化に対応し、活躍できる人材を育てる必要があるのです。
また今後どんな職業についても、多かれ少なかれIT力は必要となります。そのためたとえプログラマーにならなかったとしても、小学校のプログラミング教育で培った能力は役立つでしょう。
「プログラミング教育」必修化にむけての準備
PCやタブレットなど最低限の学習環境を整える
しかし子どものなかには、初めてのものに苦手意識を持つ子も少なからずいます。小学校に入る前にパソコンやタブレットなどを用意し、操作に慣れておくと安心です。
数学や言葉など創造力を伸ばす
また第4次産業革命により、AIの苦手な分野である「創造力」が鍵を握ると言われています。小さな頃から生活や遊びのなかで、創造力を促すような取り組みを意識的に取り入れると良いでしょう。
親も積極的にプログラミングに興味を持つ
「パソコンは苦手」というパパママもいるかもしれません。そんなパパママは、お子さまと一緒にプログラミングを学んでみてはいかがでしょうか。子どもは適応力が高いため、パパママをすぐに追い越し、子どものほうがプログラミングに詳しくなる可能性もあります。
そんなときは子どもに「わからないから教えて」とお願いしてみましょう。パパママに教えることで、さらにモチベーションがアップするのではないでしょうか。
プログラミング教育必修化で注意すべきこと
算数や理科の教科に「プログラミング」の要素が組み込まれる
プログラミングという教科が新設されるわけではなく、算数や理科などもともとの教科のなかで、プログラミングの要素を取り入れるというのが正解。そしてその取り組み方は、各学校や先生に任されています。
プログラミング言語やコーディングなどのスキルは学ばない
教科で学ぶ内容に絡め、自然な形でプログラミングを導入するよう工夫されています。
必ずしも授業でPCやタブレットを使用するわけではない
しかし文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引(第二版)第2章」では、プログラミング教育においてパソコンやタブレットの使用が推奨されています。そのため今後さらに小学校のITやICT環境が整えられ、プログラミング教育にパソコンやタブレットが使われることは増えるでしょう。
「プログラミング教育」より大切なこと
大切なことを見失わず、言葉・数学・創造力などを、遊びや生活を通してしっかりと身につけられるように導いてあげましょう。