2016年09月15日 公開

妖しい魅力を待つ「彼岸花」ってどんな花?

地面からすっと伸びた葉のない茎の先に咲く大輪の赤い花は、美しいけれどどこか妖しい魅力にあふれています。実はこの彼岸花は有毒で、たくさんの別名があることをご存知でしょうか?今回は、彼岸花の名前の由来や別名、種類などの豆知識をご紹介します。

地面からすっと伸びた葉のない茎の先に咲く大輪の赤い花は、美しいけれどどこか妖しい魅力にあふれています。実はこの彼岸花は有毒で、たくさんの別名があることをご存知でしょうか?今回は、彼岸花の名前の由来や別名、種類などの豆知識をご紹介します。

「祖先はひとつの球根」彼岸花のプロフィ―ル

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[彼岸花(ヒガンバナ)のプロフィール]
・学名:Lycoris radiata
・科・属名:ヒガンバナ科・ヒガンバナ属
・原産地:中国

学名の 「radiata」は放射状の意味で、彼岸花の咲き方に由来しています。

日本には中国から稲作が伝わったときに土に紛れて入ってきたと言われていて、現在日本に存在している彼岸花は遺伝子的に見て、ひとつの球根から株分けされて広まったものだと分かっています。

秋のはじめに茎だけが地面から生えて、9月中旬ごろに赤や白の花を咲かせます。花が散った後、冬から春にかけて線状のツヤのある深緑色の葉を伸ばしますが、春になると枯れてしまいます。

球根に「リコリン」というアルカロイド系の毒を持つため、食べると吐き気や下痢などの症状を起こし、最悪の場合は中枢神経の麻痺により死に至ることも……。

花と葉を同時に見ることができないことから「葉見ず花見ず」と呼ばれ、秋の彼岸の期間だけに花を咲かせることや毒性があることも相まって、昔は人々から畏怖の対象とされていました。

彼岸花の別名には吉と不吉、両方の意味をもつものが

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正式名称は彼岸花(ヒガンバナ)ですが、そのほかにもたくさんの別名があります。

歌や映画のタイトルに使われていることから、いちばんなじみ深いのは「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」でしょうか。
「曼珠沙華」の語源はサンスクリット語で「天上に咲く紅い花」を意味していて、吉祥の証しとされています。
その他には、 虫よけや動物よけのために墓地に多く植えられたことや、お彼岸の時期に花を咲かせることなどから「死人花(しびとばな)」、「地獄花(じごくばな)」、「幽霊花(ゆうれいばな)」、「狐の松明(きつねのたいまつ)」など、少し怖いイメージの別名がつけられています。

同じ花の別名に吉と不吉、両極端の意味があるのはとても興味深いですね。

数百にのぼる品種の多さに反して需要が少ない彼岸花

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赤い花のイメージが強い彼岸花ですが、赤のほかにも白い花の「リコリス・アルビフローラ」、黄色の花の「鐘馗水仙(ショウキズイセン)」、淡いピンクの花の「チェリーピンク」など花色も豊富で、その種類は数百にのぼります。
ただ、日本では一般での園芸用の需要が少ないため、あまり多く流通していないのが現状です。

飢饉のときには、毒抜きして食用に大活躍!

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彼岸花の球根には危険な毒が含まれていますが、いも類と同様にデンプンも多く含まれています。そのため、飢饉などのときには毒抜きをして食べられていました。
お墓に植えられていたり毒があったりして、あまりいいイメージがない彼岸花ですが、昔の人々にとっては命を繋いでくれるありがたい救世主でもあったのです。

500万本の曼珠沙華が一面に咲きほこる名所!

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日本最規模を誇る彼岸花の名所である埼玉県日高市巾着田曼珠沙華公園では、恒例の曼殊沙華祭りを開催。500万本もの花が、まるで一面の赤いじゅうたんのように広がる美しい光景を堪能することができます。
祭りの開催期間中は地元の商店による屋台村が設置され、日高の特産品を味わうこともできます。
美しい花を愛でながら屋台で旬の食材を味わう、素敵な時間をお子さまと一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか。

【イベント名】
曼殊沙華祭り
【所在地】
埼玉県日高市巾着田曼珠沙華公園
【開催日・時間】
2016年9月17日(土)~10月2日(日)
午前9:00~午後4:30
【アクセス情報】
電車:最寄駅西武池袋線高麗駅 徒歩15分
JR高麗川駅から飯能駅行き バス20分
車:圏央道狭山日高ICから秩父方面へ
※期間中は交通渋滞が予想されます。最寄駅からのハイキングを兼ねた徒歩がおすすめです。

いろいろな顔を持つ彼岸花について知識を深めて語り合おう!

妖しい魅力を待つ「彼岸花」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?日本の彼岸花がひとつの球根から増えていったことや、吉と不吉、両方の別名を持つことなど……その背景や歴史を調べてみると意外な事実が隠れていたりして、とても興味深いですよね。
ぜひ、この機会にお子さまと一緒に秋の花、彼岸花について語りあってみてくださいね。

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この記事のライター