「おむつなし育児」という言葉を聞いたことがありますか?言葉だけ聞くと、おむつをまったく使わない育児法のように思われがちです。しかし、本来の意味は、おむつの外で自然に排泄する機会を意識的につくる育児法のこと。そのメリットや実践方法についてまとめました。
アジア諸国ではなぜ、おむつが取れるのが早いの?
ネパールやインド、中国をはじめとするアジアの発展途上国では、紙おむつはまだまだ高級品。その上、洗濯機がなかったり、そもそも家の中に水道が引かれてない環境ですから、できるだけ布おむつの洗い物も増やしたくないと思うのは当然のことなのです。
だから、アジアのママたちは、赤ちゃんにおむつをつけていても、できるだけおむつの外でおしっこをさせるように日頃から心がけています。
そのせいでしょうか、1歳過ぎにはおむつが取れる子どもも珍しくありません。けれども、これは何も特別なことではなく、紙おむつがなかった時代のちょっと昔の日本でも同じような状況だったのです。
「おむつなし育児」といっても、おむつは使います!
ただ、おむつなしといっても、おむつを全然使わないということではありません。トイレやおまるなど、おむつの外でなるべく自然に排泄する機会を増やしてあげようというのがおむつなし育児です。排泄物を垂れ流すという風に誤解されることも多いのですが、決してそんなことはありません。
赤ちゃんの発する排泄サインを読み取って、なるべくおむつの外に排泄できるようにサポートするのがパパママの役目。紙おむつや布おむつを使いながらも、赤ちゃんに気持ちよく排泄してもらうことを目指しているのが一般的です。
トイレトレーニングではなく親子コミュニケーション
でも、おむつなし育児は、トイレトレーニングとは全く違うものです。アメリカでは、おむつなし育児は、Elimination Communicationと呼ばれます。「Elimination」とは排泄という意味ですので、直訳すると排泄コミュニケーションという意味になります。
トイレやおまるで排泄させるのが目的ではなく、赤ちゃんの排泄したいというサインをどこまでキャッチできるか、親と子のコミュニケーションに重きがおかれているのです。
赤ちゃんがおしっこをしたがるタイミングは、最初はなかなかつかめないかもしれません。でも、気にかけて観察していれば、だんだんと赤ちゃんのちょっとした仕草やサインから、排泄のタイミングがつかめてくるものです。
大切なのは、この親と子のコミュニケーション。おむつなし育児は、パパママと赤ちゃんの絆を深めるツールでもあるのです。
おむつなし育児のメリットは?
●おむつが取れるのが比較的早くなる(1歳後半くらいにはおむつが取れる子もいます)
●おむつの中で排泄することが減るため、おむつかぶれしにくくなる
●おむつが汚れることが減るため、赤ちゃんの機嫌の良い時間が増える
●おむつの使用量が減る
●排泄のタイミングがわかるようになると、赤ちゃんの他の欲求についてもわかるようになる
忙しいパパママは、どんな風に実践できる?
でも、毎日ではなくても、仕事がお休みの日だけ実践するということでもいいのではないでしょうか。親自身が時間的、精神的に余裕があって、赤ちゃんと十分に向きあえる時間帯におこなうのがベストです。
たとえば休日に、朝の寝起きと、お風呂に入れる前後、夜寝る前というような、多くの赤ちゃんに共通する排泄のタイミングで試してみるというのはどうでしょうか?だんだんとタイミングがつかめてくると、親にとっても自信になりますし、赤ちゃんにもパパやママが自分のことを気にかけてくれているということが伝わるものです。
一番大事なのは赤ちゃんとのコミュニケーション。ささいな仕草やサインから赤ちゃんの欲求を察知して、お互いの絆をより深めていけると良いですね。