佐々木マキさんは、ユーモラスで味のある絵本を数多く出されている絵本作家です。はじめは漫画家としてデビューした経歴を持ち、村上春樹さんの本のイラストを手掛けていることでも有名です。そんな佐々木マキさんの絵本で、親子一緒にそのユーモアたっぷりの世界観に浸ってみませんか?
自分らしく生きることの大切さを教えてくれる絵本
著者 :佐々木 マキ(作・絵)
出版社 :福音館書店
親も子も、「〇〇ちゃんがうらやましい」「〇〇ちゃんはできるのに、どうしてうちの子はできないの」と、思わず自分と周りを比べてしまうことがあるのではないでしょうか。そんなときに読んでみてほしいのがこの絵本です。
この絵本の主人公は、一匹だけ生き残っていた子どものおおかみ。周囲の動物たちは、おおかみを怖がり逃げてしまうのでいつも一人ぼっちです。「自分と似た子なら友達になってくれるかも」と探してみますが、おおかみと似た友達を見つけることはできません。
「しかになれたら楽しく遊べるのかな?」とも考えます。でも結局は、「自分はおおかみなんだから、おおかみとして生きるしかないんだ」と気がつくのです。
これは子どもも同じこと。みんなそれぞれ個性があり、だからこそ面白い。人と比べるのではなく、自分らしく生きることが大切なのだとあらためて気づかせてくれる絵本です。
シュールな世界観がたまらない
著者 :佐々木マキ(作)
出版社 :絵本館
佐々木マキさんの絵本といえば、シュールでユーモラスな世界観が人気の秘密。この絵本は、そんな佐々木マキさん独自の世界観を思いっきり堪能できます。
この絵本の主人公は足の遅いおおかみ。足が遅すぎてぶたを捕まえることができず、生まれて一度もぶたを食べたことがないのです。どうしてもぶたを食べてみたいおおかみは、「きつねはかせ」に相談します。きつねはかせはそんなおおかみに、「ぶたのたね」を渡しました。おおかみは、無事にぶたを食べることができるのでしょうか……。
強くてカッコいいイメージのおおかみ。それなのにこの絵本のおおかみは、どことなくまぬけでカッコ悪い。でもそのギャップが面白く、子どももきっと最後までワクワクしながら見ることができるのではないでしょうか。子どもに絵本の楽しさを知ってほしいときにピッタリです。
想像力がかきたてられる絵本
著者 :佐々木マキ(作)
出版社 :絵本館
「ヤギのムッシュ・ムニエルはまじゅつしなのです」そんな言葉から始まるこの絵本。「まじゅつし」という響きにドキドキしてしまう子どももいるのではないでしょうか。でもこのムッシュ・ムニエルは、ちょっぴりいたずら好きだけど心優しい魔術師。子どもは、ムッシュ・ムニエルの楽しい魔術のとりこになりそうですね。
絵本の設定も登場人物も現実離れをしていて、お子さまの想像力がかきたてられそうです。
ハラハラドキドキのストーリー展開
著者 :佐々木 マキ(作)
出版社 :福音館書店
絵本の中の「魔女」というと、怖いイメージを持っている子どもも多いのでは?確かにこの絵本に出てくる魔女も、魔法で動物たちを缶詰に閉じ込めるなど怖い雰囲気の持ち主です。でも、絵本を読み進めるうちに、なんだか憎めないと感じるように。
ハラハラドキドキするストーリー展開ですが、最後はちょっとほっとして楽しい気持ちになります。単純に「悪者がこらしめられる」というだけのストーリーではないので、小さな子どもにも安心して見せることができそうです。
この絵本には「まじょのすいぞくかん」という続編もあります。あわせてご覧になってはいかがでしょうか。
ただ見るだけじゃなく頭を使って楽しめる絵本
著者 :佐々木マキ
出版社 :理論社
この絵本は、女の子が山道で出会う動物にピンチに遭わされ、なぞなぞで切り抜けるというお話。「次はどんななぞなぞで切り抜けるのだろう?」と、ストーリーを追うだけでもハラハラします。
それとともに、この絵本には女の子が出すなぞなぞの答えを考える楽しみもあります。女の子と動物たちの掛け合いもユーモアたっぷり。これなら絵本が苦手なお子さまも、飽きずに最後まで楽しむことができそうです。
親子で絵本を楽しんで
筆者も、佐々木マキさんをはじめて知ったのはやはり村上春樹さんの本でした。村上春樹さんの不思議な世界観を見事にイラストで表現しており、印象に残っていたのです。
佐々木マキさんの絵本には、子どもだけではなく大人もひきつける魅力があります。ただ読み聞かせるだけではなく、お子さまと一緒に絵本の楽しさを共有してみませんか。