子どもへのわかりやすいルールの教え方と、オセロで得られる知育効果を紹介します。
ぜひ親子でオセロを楽しんで、おうち時間の遊びのレパートリーに加えてください。
子どもでも楽しめるオセロ
オセロは日本生まれのボードゲーム
発案者は、長谷川五郎という少年。第二次世界大戦終戦後まもなく、戦争で校舎が焼け、青空授業が行われていた学校でのことです。長谷川少年の考えた碁石を使った遊びが、生徒の間で人気の遊びとなりました。これがオセロの原型です。
その後、大人になって会社勤めをしているときにこの遊びを思い出します。牛乳瓶の蓋で作った試作品を玩具メーカーに持ち込んだところ採用。1973年に「オセロ」という登録商標で販売され、人気のボードゲームとなりました。オセロの石が白と黒なのは碁石での遊びが元だからです。
オセロという名前は、長谷川五郎氏の父であり英文学者であった長谷川四郎氏がつけたものです。シェイクスピアの4大悲劇のひとつ「オセロ」が由来。黒人将軍のオセロを中心に登場人物が寝返っていくストーリーが、オセロのゲーム展開に似ていたからでした。
オセロをはじめたきっかけ
どうせやるならもっと本物に近いものをと思いましたが、私自身が将棋のルールはうろ覚えなので、子どもに教えるのはとても苦労しそう。
まずはもっと簡単なボードゲームをということで、定番のオセロをやってみることにしました。
家庭に合ったオセロを選ぼう
定番からキャラクターものまで、そしてわが家が買ったオセロを紹介します。
オセロ選びの参考にしてください。
オセロの種類
オセロと同じ遊び方で、「リバーシ」という名の商品もあります。オセロとリバーシは元々別のルールの遊びとして存在していましたが、今出ている商品はどちらも同じ遊びのことです。「オセロ 」が登録商標であるため、「リバーシ」という名の商品も売られています。
■日本オセロ連盟公認!「オフィシャルオセロ」
世界オセロ選手権大会にも使用されるという公式のオセロ。発売以来モデルチェンジしていないというスタンダードなものです。
子どもとちょっと遊ぶには少しお高めかと思います。公式のものがあるのだというご参考まで。
子どもとの対戦におすすめなのが、ゲーム中の石のズレを防ぐマグネットタイプ。
ついほかの石に触ってしまったりしても安心。中断もしやすいです。
盤を折りたたんだところに石を入れられるものなら、よりコンパクトで片付けもしやすく、車中や旅先などでも気軽に楽しめます。
石を無くしてしまいそうと思われる方もいるのでは⁉
盤に石が埋め込まれている回転式のものなら、そんな心配はいりません。
石の誤飲が心配ないので、幼い兄弟がいてもこれなら安心。
片付けも不要で、子どももママも楽なオセロです。
オセロといえば、緑の盤に白黒の石が基本ですが、ほかにもさまざまなデザインのものがあります。
まずはオセロに興味を持ってほしいということなら、好きなデザインやキャラクターものから始めるのもいいかもしれません。
わが家が購入したのは100均のオセロ
まずはお試しで一番安価なものを買ったのですが、これで十分事足りています。
マグネット式の石で、折りたたんだ盤の中に収納できるタイプ。
サイズが小さいのでひっくり返すのが大変かなと思いましたが、特に問題ありませんでした。子どもの指は細いので、意外と大丈夫なようです。逆に大人のほうが大変かもしれません。
購入時は石がすべて繋がっていて自分で分解しなければなりませんが、値段のことを考えれば十分な商品だと思います。
子供へのオセロの教え方・遊び方
そのくらいルールが簡単なゲームですが、子どもにとってはそうはいきません。
子どもにはどのように教えたらいいのか、実体験と共に解説します。
基本的なルール
公式ルールでは、持ち石の色や勝敗の決め方などが細かく定められていますが、子どもに教えることを前提とした簡単なルールのみピックアップします。・スタートは中央に白黒各2個を対角になるよう置いたところから
・黒が先攻
・自分の色の石で相手の色の石をはさんだらひっくり返せる
・打つところがない場合はパス、ある場合には必ず打つ
・盤がすべて埋まるか、2人とも打つ場所がなくなったら終了
・最後に自分の色の石が多いほうが勝ち
大人ならこのくらい簡単な説明でゲームを始められそうですが、子どもにはそうもいきません。
ひとつずつわかりやすい順番で教えていきます。
子どもへの教え方
①はじめに自分の石の色を決める
②自分の色の石で相手の色の石をはさんだらひっくり返せる(タテ・ヨコ・複数・ナナメ)
③ひっくり返せる場所に1枚ずつ交代で置いていく
④最後に自分の色の石が多いほうが勝ち
口で言うより実際にやりながらのほうがわかりやすいので、ゲームを進める中で教えます。
■①白黒の石があり、自分の石の色を決める
白と黒が裏表になっていることを説明し、自分の色を決めます。
わが家では白チーム・黒チームと呼んでいて、どちらが良いか娘が選ぶスタイルです。
本来は黒が先攻と決まっているのですが、じゃんけんで決めたり、娘に決めさせたり、ここは自由にやっています。
■②交互に1枚ずつ置き、自分の石で相手の石をはさんだらひっくり返せる
(タテ・ヨコ・複数・ナナメ)
自分の色の石で相手の色の石をはさんだらひっくり返せるということを教えます。実際にオセロをやりながら、子どもの番にはどこに置けるか、どれがひっくり返せるか、一緒に考えながらやっていきます。
まず簡単なタテ・ヨコで1枚はさんでひっくり返すパターン。その後、はさむ石の数を増やして、何枚でもはさんでひっくり返せるパターン。
子どもは、ナナメにはさむことを理解するのが難しいようでした。ナナメがわかりにくいときは、指や鉛筆などまっすぐのものをあててあげると良いです。
とにかくゲームを進めながらいろんなパターンをやって見せます。
慣れてきたらステップアップ
タテ・ヨコ・ナナメではさむことを覚え、慣れてきたらステップアップしましょう。相手に勝つためのちょっとした技、盤の端を取ると良いこと、特に4つ角を取ると強いと教えました。教えたところですぐ角を取れるようにはなりませんが、どちらかが角を取るたびに「やったー」「取られちゃった」とひと盛り上がりしています。
ハンデのつけ方
あまりに負け続けると子どものモチベーションが下がりそうですが、わざと負けるのではなく、どうせなら親も楽しみたいですよね。
そこで役に立つのがハンデ。子どもが勝てるチャンスを広げ、親もより楽しむことができます。オセロのハンデとして一般的なのが4つの角に先に石を置く方法。これだけでも親はけっこう頭を使う必要があるので、ハンデのない状態よりもゲームを楽しめます。これで慣れてきたら、3つ、2つと角に置く石を減らしていくと良いでしょう。
ただし、このハンデのつけ方は、素人とオセロチャンピオン程の実力差を埋めるのには十分ではないという研究結果もあります。角に加えて、辺にも石を置くほうがその差が縮まるそうです。4つ角+4辺に石を置くのが最大のハンデとなります。
子どもと親の実力差に応じて、お互いに楽しめる適当なハンデを見つけてみてください。
オセロの嬉しい知育効果
記憶力
この効果は子どもだけのものでなく、脳に障害のある方のリハビリや、高齢者の認知症の予防などにもオセロが取り入れられています。
集中力
論理的思考
我が家の娘がオセロで成長したこと
負けると泣いて騒ぐことの多かった娘ですが、だんだんと負けても癇癪を起こさないようになりました。「もう1回やろう」と負けてもそこで諦めない気持ちを持つことが、少しずつできてきたように思います。
また、勝敗を決めるために石を数えることは、数字の理解に役立ちます。数の数え方はもちろん、多いのはどっちかという問題を視覚的に捉えることも可能。今は1つずつ数えていますが、2個ずつ数えたり、10のかたまりを作って数えたり、今後いろいろな数の学びへと発展できそうです。
オセロは親子で楽しめる優れたボードゲーム
まずは楽しむことを目標に、ぜひ親子でオセロに挑戦してみてください。
<参考サイト>
オセロのハンディキャップに対する研究
日本オセロ連盟
株式会社メガハウス