筆者が中学生のころ、米国の少女から「ぬいぐるみの身代わりの旅」を依頼され、写真と英文レポートをまとめて送ってあげたことがあります。その経験が、世界や他の国々、英語に興味を持ったきっかけとなりました。どんなふうに身代わりの旅を実行したのか、紹介します。
はじまりは米国から届いた小包から
英語で書かれた手紙を当時の力で訳してみると、
「私の名前はウィットニーです。9歳です。米国ケンタッキー州に住んでいます。私は学校のプロジェクトで、私のお気に入りのクマのぬいぐるみに世界を旅させることにしました。あなたの街をぬいぐるみに見せてください。一緒に写真を撮って、写真と何をしたかを書いて私の住所に送ってください。ぬいぐるみは、この手紙と私の写真と一緒に他の国の知り合いに送ってください。◯月◯日までに私の元にぬいぐるみが戻ってくるようにしてください」
と書いてありました。
家族に聞いてみると、父の知人の知人の子どもから届いたことがわかりました。そして、なんだか面白そうなこのプロジェクトに協力してみようという気になりました。
1通のエアメールがきっかけで、世界の距離が縮まった
続いては、手紙です。どうして浅草を選んだのか、雛祭りとはどんな行事なのか、辞書を引きながらのたどたどしい作業でしたが、なんとか英語で完成させました。
そして次の目的地は、父のつてで香港に決めました。
当時は一文一文英語で伝えるのも、自国の魅力を紹介するのも、郵便局でエアメールを送るのもはじめての経験!ウィットニーちゃんのプロジェクトに参加することで、一気に外国との距離が短くなった気がしました。そして、外国への興味が自分の中で湧いたのを覚えています。
身代わり世界旅行を成功させるポイントは?
通常、筆者が現在住んでいるスウェーデンなど欧米諸国では、子どもや学生の研究プロジェクトに親が参加することに慣れているので、どの家庭も協力的、好意的であることが多いです。さらに、子どもが同世代のホストファミリーを選ぶと賛同してくれやすい傾向です。
できるなら次の送り先へ事前に親からメールなどで確認をとってから送るとよいでしょう。欧米だと長期休暇などをとって家族でバカンス、ということもよくありますし、不在で受け取ってもらえないとプロジェクトが中断してしまいます。
協力者に負担がかからないように工夫するのも必要です。たとえば、次の目的地までの郵送料を負担してもらうことになるため、同封するぬいぐるみなどはできるだけ軽く、封筒に収まるようなコンパクトサイズだと扱いやすいかと思います。
もし行き先が不安なら、あらかじめ外国在住の知人を集めたリストを同封し、次の送り先を提示するのもひとつの案です。送り先住所をシールで同封すれば、相手にとってはさらに手軽になり、協力しやすくなりますね。
メールやSNSを活用すればもっと気軽に!
ほぼリアルタイムでやりとりが可能で、スケジュール管理もしやすいですよね。その分、いろんな国へ身代わり旅行できるチャンスが広がったといえそうです。
自分の分身が大冒険する姿にワクワクドキドキ!
世界が身近に感じられる絶好のチャンスになるはず!ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてほしいです。
もしいきなり海外が難しければ、国内の代行旅行からはじめてもいいかもしれませんね。知らない場所を冒険するというのは、国内外問わず、ワクワクドキドキするものです。
また、知り合いが現地にいないのでお願いする相手がいない、という場合は、ぬいぐるみ専門の旅行代理店を利用するのも手ですよ。
身代わり旅行が、知らない世界に目を向けるきっかけになったら嬉しいです。