『おかあさんといっしょ』11代目うたのおにいさん、だいすけおにいさんといえば「かぞえてんぐ」を思い出す方も多いでしょう。このキャラクターがきっかけで、天狗に興味を持ったお子さまもいるはず。今回は、天狗が主役として活躍する絵本を集めてみました。
お友だちとの関わりが増えてきたら
著者 :加古 里子(作・絵)
出版社 : 福音館書店
この絵本に出てくるてんぐちゃんは、「天狗はおそろしいもの」といった印象をくつがえすかわいらしいキャラクター。そんなてんぐちゃんに憧れるだるまちゃんの様子が、ほのぼのと描かれています。
だるまちゃんは、珍しいものをたくさん持っているてんぐちゃんを羨ましく思っています。だるまちゃんの思いに答えてあげようとパパが奮闘しますが、だるまちゃんは納得できません。そんなだるまちゃんは、とうとうてんぐちゃんの長い鼻まで欲しくなってしまい……。
「大好きなお友だちの真似をしたい」という気持ちは、多くの子どもが味わったことがあるはず。人との関わりが増えてきた頃に読んであげると、きっと共感できるでしょう。本作を含む「だるまちゃんシリーズ」では、だるまちゃんといろいろなお友だちとの交流を描いています。この絵本が気にいったら、シリーズのほかの作品も読んでみてはいかがでしょうか。
怖い天狗が描かれたスリルある作品
著者 :杉山 亮(作)、加藤 休ミ(絵)
出版社 :ポプラ社
この絵本では、言い伝えに出てくる恐ろしい天狗の姿が描かれています。「怖いもの」に興味をひかれる子どもは多いもの。絵本は退屈で苦手と感じているお子さまも、スリルたっぷりなお話なら興味を持ってくれるかもしれません。
また恐ろしいだけでなく、最後はほっと胸をなでおろす展開になっています。「怖かったけどよかったね」と、ドキドキのストーリーを親子で楽しんでみてください。
言葉を覚え始めのお子さまに
著者 :フィリケえつこ
出版社 :学研
絵本には「ぴよーん」「すーいすーい」「ひらひら」といったオノマトペが登場し、思わず一緒に口ずさみたくなるはず。お子さまのおはなしの練習にも役立つのではないでしょうか。
イラストは小さな子どもの注目をひきそうな単純な線と、コントラストの強い色で表現されています。お子さまのファーストブックにも最適です。
むかしばなしに親しむきっかけに
著者 :赤羽末吉(絵) 神沢利子(かんざわとしこ)(文)
出版社 :偕成社
この絵本は、たたくと天狗のように鼻が伸びる不思議な太鼓のお話です。ユーモラスな内容なので、昔話にあまり興味のないお子さまでも楽しめるはず。古い物語に親しむきっかけにもなるでしょう。
鳥の魅力がつまった絵本
著者 :やぎたみこ(作・絵)
出版社 : 文溪堂
ある日カラス天狗は、危ないところを人間に助けられました。「何か恩返しをしたい」と考えたカラス天狗は、天狗学校を作り、鳥たちを天狗にして人間たちの手助けをすることを思いつきます。その一員として選ばれたのがインコのてんちゃん。てんちゃんは、立派な天狗になれるのでしょうか?
鳥が天狗になり、お世話になった人間たちに恩返しをするというなんとも奇想天外なストーリー。ユーモアもあり、ハラハラする展開もありで、飽きずに最後まで読むことができます。
バラエティ豊かな天狗の物語
天狗は伝説上の生き物で、謎に包まれています。子どもは謎が多いものや不思議なものにひかれるもの。天狗の絵本もきっと、お子さまの興味を引きつけてくれるのではないでしょうか。