2022年09月21日 公開
お菓子と女の子

このお菓子は安全? 子どものために知っておきたい添加物

市販のおやつで気になるのが添加物。子どもにはできる限り安全・安心なお菓子を食べてほしいですよね。身近なお菓子に含まれる添加物の知識と上手な付き合い方、選び方について、添加物講座の講師に話を聞きました。

お菓子と女の子

子どもには安心・安全でおいしいお菓子を食べさせたいですよね。
そう思っていても、いつもおやつを手作りするのは大変だし、市販のお菓子を全く食べさせないというのも現実的ではありません。

市販のお菓子で気になるのが添加物。
知っているようでよく知らない添加物について、添加物エキスパートであり、食で楽しく賢く健康な身体づくりをサポートする季節の手しごと講師えがしらせいこさんに話を伺いました。
身近なお菓子に含まれる添加物の基礎知識と上手な付き合い方、お菓子の選び方について紹介します。

添加物とは?

添加物イメージ

添加物について、良くないイメージはあっても詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
まずは基本的なことを知っておきましょう。

添加物の基礎知識

食品添加物は、食品衛生法で「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義されています。
日本では厚生労働省で安全性と有効性が認められたものが使用を認められており、その数はおよそ1500品目。化学合成添加物と天然添加物の2つに分けられます。

厚生労働省の調査によると1日に約2.8g、年間約1.2kgの添加物を摂取しているそう。しかし、この調査には対象外となっている添加物もあり、実際には数倍から数十倍摂取していると考えられています。

表示のルール

お菓子にどんな食品添加物が含まれているのか、その見方はご存じでしょうか。
パッケージの裏面などにある食品表示を見ればわかりますね。内容量や賞味期限などが書いてある欄です。

表示の仕方は、原材料名と添加物の項目を分けて表記するか、原材料名欄にスラッシュで区切ったり改行して分けたりする方法があります。
いずれかの方法で、含まれている量が多い順に記載する決まりです。

メリットとデメリット

メリットorデメリット

食品添加物はなんらかの目的で使用されるのですから、メリットがあることも事実です。食品を長期保存できたり、見た目を良くしたり、栄養価を高めたり、その役割はさまざま。
昔日本では食中毒で亡くなる人が多くいましたが、戦後その数はグンと減りました。それに大きく関わったのが、食品添加物である保存料の登場でした。
こうした役割を考えると、一概に添加物は不要だとは言い難くなりますが、デメリットがないわけではありません。

日本の添加物は安全性や有効性が認められたものと先述しましたが、動物を使った試験で認可されたものであり、人間でも同じように考えていいものかは疑問に思うところ。
また添加物によっては、発がん性や免疫機能などの低下、アレルギーを起こす可能性も議論されています。
味覚を麻痺させる恐れもあるので、3歳までの子どもの味覚形成の時期には特に気をつけたいとのこと。

身近なお菓子に含まれる添加物との安全性

お菓子がいっぱい

普段子どもが口にするお菓子にはどんな添加物が含まれているのでしょうか。
よく目にする添加物について、その役割と安全性をせいこさんに聞きました。

できれば避けたい添加物

私が普段よくみる添加物を挙げたところ、その多くがせいこさんとしてはできれば避けたいと思っている添加物でした。いくつかピックアップして紹介します。

甘味料(アスパルテーム・アセスルファムK)
食品に甘みを与える添加物です。認可されているものとはいえ発がん性や腸内環境への影響などの懸念も。
人工甘味料は砂糖の何百倍もの甘さをもち、ゼリーやチョコレート、カロリーオフの食品にも多く使われています。依存性があり、味覚を鈍らせるとも考えられており、味覚が完成していない小さい子どもには特に注意が必要です。

わが家にあったチョコ菓子、スナック、クッキーのパッケージを見てみると、3品ともソルビトール(ソルビット)という甘味料が使われていました。この物質は植物に含まれていたり化粧品や医薬品にも使用されていたり、甘味料の中では安全性が高いと言えそうですが、同じく依存性はあるようなので安心はできません。

着色料
食品の着色目的で使用されています。カラフルなお菓子は子どもにとって魅力的ですよね。

春にはピンクのお菓子が出回りますが、それらによく使われているのがコチニール色素という赤い着色料だそう。原料はなんとサボテンなどに生息する昆虫!アレルギーを持っている方は避けたい添加物ということですが、私は原料を知って食べる気を無くしてしまいました。勇気のある方はぜひ画像を検索してみてください。

そのほか、赤色2号や黄色4号など、タール系色素と呼ばれる合成着色料の中には、海外では禁止されているにもかかわらず日本では使用可能となっているものがあり注意が必要です。最近は天然由来の着色料を使用することも多くなっているようですが、昔ながらの駄菓子や安価なかき氷のシロップに含まれていることもあるので、チェックしてみてください。

そのほか増粘剤や香料、乳化剤など、お菓子によって使用される添加物はさまざま。
添加物は使用したすべての物質名を表示することが原則ですが、香料や乳化剤など使用目的を表す一括名で表示が認められているものも複数あるため、含まれる添加物をすべて正確に把握するのは困難です。

一括表示でなくても、カラメル色素は製造方法の違いからI〜IVまで種類があり危険性が異なるものの、すべて”カラメル”と表記されてしまうため区別がつきません。

添加物ではないけれど避けたいもの

添加物だけ避ければ安心かというとそうでもなく、それ以外でも気をつけたい物質があるそうです。

それが、うま味調味料である調味料(アミノ酸)、たんぱく質加水分解物、〇〇エキス
安く手に入り食品をおいしくする作用があるものの、特に味覚形成段階では接種を避けたい物質です。
〇〇エキスは、〇〇に入るものが食品だと安全そうに感じますが、その抽出方法まではわからず、化学的なものが入っていないとは限らないとのこと。

これらは食品扱いのため、使用されていても無添加と言えてしまいます。

子どものお菓子の選び方

お菓子を食べる女の子

避けたい添加物や注意するものがわかたっところで、お菓子の選び方を考えていきましょう。
添加物との付き合い方と、手に入れやすい安心なお菓子を紹介します。

添加物とは上手に付き合う

冒頭でも触れたように、現代社会において添加物を全く取らないというのはかなり難しいこと。
私も子どものおやつはできるだけ気をつけていますが、娘が幼稚園生となってからは園で市販のおやつが出たり、友だちに貰ったり、そこまで制限はできない/しない場面も多くなりました。無添加のものは価格が高くなりがちというお財布事情もあります。

今回話を伺ったせいこさんも、表示をチェックして選ぶことはしていても、全く添加物を摂らないというわけではないそうです。
大事なのは、商品表示を見ること/見られるようにすること、加工度合いが少ないものを選ぶこと、産地がわかるものを選ぶことだと言います。そうした上で、選択肢があるときにはなるべく安心なほうを選んだり、そういった選択の自分軸を持つことも大切です。

スーパーでも買える安心なお菓子

無添加商品を多く扱う専門店もありますが、身近なスーパーでも無添加または添加物の少ないお菓子は手に入ります。

例えば大手スーパーのライフでは、BIO-RAL(ビオラル)という身体に優しい素材や製法にこだわったプライベートブランドがあります。化学調味料不使用のお煎餅やポテトチップ、無添加のチョコレートなど、お菓子もいろいろと発売されています。
イオンでもトップバリュ グリーンアイフリーフロムという添加物や原材料に配慮した商品を扱うプライベートブランドがあります。こちらも無添加のおせんべいやビスケットなどさまざまな商品が出ているので、お近くにある方は見てみてください。
どちらもほかの添加物を使用しているような普通の商品よりは価格が高くなりますが、スーパーなので比較的手に取りやすい価格にはなっています。

そのほか、宅配でも生活クラブのように添加物に気をつけているところがあったり、全国に店舗のある洋菓子店シャトレーゼでも無添加のものを取り扱っていたり、探したり比較したりするといつも買い物に行くお店でもきっと安心な商品を見つけられます。

乳児用=安心ではない

安心なお菓子というと、赤ちゃん用のものが思い浮かぶ方もいるのではないでしょうか。
ある程度配慮されているとは思いますが、添加物の面で安心かというとそうではないこともあるので注意が必要です。

例えば、乳児用規格適用食品という1歳未満の子ども向けに販売される食品。これは赤ちゃんにあげるのに良い食品というわけではなく、あくまで放射性物質の基準が乳児用の規格を満たしているだけというから驚きです。
キャラクターが描かれ、子ども用に販売されていると思われているようなものでも、実際に食品表示を見てみると添加物は通常品と変わらないということもあります。

やはり自分で表示を見て選択するということが大切ですね。

安心なお菓子で、おいしく楽しいおやつ時間を

お煎餅を食べる女の子

お菓子の食品表示を気をつけてみてみると、シンプルそうなお菓子に意外と余計なものが入っていたり、見た目で添加物が多そうと思っていたものが実はそれほど添加物が入っていなかったりという発見がありました。
ぜひ安心なお菓子を選ぶ目と軸を持ち、添加物とうまく付き合いながら、おいしく楽しいおやつ時間を過ごしてください。

今回お話を伺った えがしらせいこさんは、添加物講座のほかに卵・乳製品・白砂糖不使用のデコ巻き寿司や手作り味噌の講座なども開催しています。
講座情報やSNSはこちらから↓
https://lit.link/cookingspacewa

参考URL:
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/shokuten/index.html

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この記事のライター

かすみ
かすみ

東京都在住、2016年生まれ女児の母。大学卒業後は料理教室、食品マーケティング会社に勤務。出産を機に専業主婦となったものの、子どもと2人きりの日々から抜け出したく、地域のママ向けフリーペーパーの製作に携わるように。そこからライター・デザイナーとして活動中。