冬が近づくと、虫たちはだんだんと姿を消し、見かけなくなっていきます。しかし、虫たちは死んでしまったのではなく、どこかで寒さをしのぎつつ冬を越しているのです。ここではそんな虫たちの冬の居場所や、冬でも見られる虫をご紹介。お子さまと一緒に探してみてくださいね。
てんとうむし
見た目もきれいで子どもたちも大好きなてんとうむし。飛んでいるてんとうむしが見られる時期は4月上旬頃からです。
では、冬はどこで身を隠しているのかというと、集団で冬眠をしているんです。一匹でいると熱や湿気が逃げやすいため、おしくらまんじゅうのような状態で密集することで空気に接する部分を減らし、冷えや乾燥を防ぎます。
落ち葉の下、木の割れ目、木の皮の下などに身を寄せ合っているので、驚かさないようそっと探してみましょう。白い石の下や、ボイラー室など温かい場所の近くが穴場です。
ミノムシ
木や枯れた枝にぶら下がっている姿がなんともいえない愛嬌のあるミノムシ。オオミノガ、ニトベミノガ、チャミノガなどいくつか種類がありますが、どれも幼虫の状態で巣にくるまって冬を越します。袋状のミノで体を覆うことで、ほかの虫たちから身を守り、寒さに耐えているのです。
実はミノムシは、外国の寄生バエの影響で数を大きく減らしており、見つけようと思ってもなかなか見つからないかもしれません。庭木や街路樹を注意深く探してみましょう。
カブトムシの幼虫
夏にカブトムシを採ったり、飼ったりするお子さまも多いと思います。カブトムシは冬の間、幼虫として、落ち葉が積もっている場所や、腐葉土などふかふかの土の上で冬眠しています。
夏によくカブトムシが見られた木の下などで見つけやすいでしょう。ただし、私有地を掘り返すときは許可を得るのを忘れずに。
クヌギカメムシ
クヌギカメムシの越冬は卵の状態。成虫は長い触角が特徴の12mmほどの姿をしていますが、大人は冬を越せないため、寒い時期に見かけることはまずないでしょう。秋の終わりころに交尾をし、クヌギの木のすき間へ卵を産んで次の世代へ交代します。
クヌギカメムシは名前のとおり、一生のほとんどをクヌギやコナラなどの上で生活しています。クヌギの木を見つけたら、緑色のまとまった卵を探してみましょう。
並んで産みつけられるため、ひものように見えるかもしれません。また、卵はゼリー状のものに包まれていて、春に孵化した幼虫はこのゼリー状の物質を食べて成長します。
ザリガニ
夏休みに池でザリガニ釣りを楽しんだ思い出のあるお子さまは多いでしょう。冬は、池の近くや池の淵に穴を掘り冬眠しています。湿った土の落ち葉の下に身を隠していることも。
夏に見かけると活発なイメージのあるザリガニですが、寒い冬は物を食べることもせず、じっとしているので、見つけて観察しやすいです。
飼っているザリガニも水温が下がると冬眠しますが、春になっても目覚めなかったり共食いをしてしまったりという危険も。冬眠前に十分栄養のあるものを食べさせてあげましょう。