日本では「保活が大変」ということをまわりの友人やニュースなどで見聞きしますが、世界に目を向けて比べてみると、他の国にはどのような制度や状況があるのでしょうか。筆者が現在住んでいるアメリカの制度とともに、ハワイでの保育園事情もご紹介します。
アメリカ人は共働きが当たり前!産休・育休制度は?
筆者がアメリカに住みはじめた頃、「こんなにも共働きのご家庭が多いのは、きっとアメリカの産休・育休制度が整っているからだろう」と思っていたほど。しかし、こちらに長く住むにつれ、想像とはかけ離れていた現実が目の当たりに……。
アメリカ企業で働く友人から話を聞いてみると、「日本の産休・育休制度よりも恵まれているとはいえない」ということがわかってきました。アメリカの産休・育休事情を知れば、「どちらかといえばまだ、日本の方が恵まれている?」と感じられるかもしれません。
アメリカの産休・育休制度は優しくない
この12週間は、子どもが生まれる前後に自由に取得できるそうで、妊娠中から早めに産休を取り、生まれたらすぐに復帰する人、または、生まれる直前ギリギリまで働いて、生まれてから12週間とる、ということでもよいようです。なので、今にも生まれそうな大きなお腹を抱えて、仕事をしている姿もよく見かけます。
生まれたらほとんどの場合、すぐに職場復帰しなくてはならないので、事前に保育園(ナーサリー)を探しておく必要があります。
アメリカの保育園は超高額!
残念ながら保育園事情も、とても厳しいのが現実のようです。
まず、月々の保育料が目が飛び出るほど高いです。アメリカは広いのでピンキリですが、ここハワイでは生後3カ月くらいの乳児だと、1,500ドルから1,800ドルくらいが相場だと思います。日本円にすれば、1カ月15万円以上。
そして、それは国や自治体から補助が出るわけではなく、自腹です。保育園以外だと、フルタイムでナニー(乳母)を雇う家もありますが、これもまた高額……。
小さい子どもを預けて仕事をするというのは、精神的にも、経済的にも大きな負担。子どもが大きくなるにつれて、月々の保育料は下がりますが、3歳くらいでも、800ドルから1,000ドルくらいが相場です。しかも今アメリカはインフレなので、保育料も値上がりが続いているよう。
余談ですが、自宅マンションの賃貸料も年々上がっています……。
ハワイではおじいちゃんおばあちゃんが大活躍!
ハワイで暮らすには、とてもお金がかかるわけです。
そこで、共働き夫婦をサポートするのが、おじいちゃん、おばあちゃんの存在。
ハワイにはアジア的な文化が根付いており、家族をとても大切にします。「孫のためなら」と、おじいちゃん、おばあちゃんも、学校や習い事の送迎などに大活躍してくれます。
物価の高いハワイですが、そんな風に家族全体で支え合っているように思います。
最後に
日本に住んでいると、「働きたいのに、保育園がない。どうしたらよいのだろう?」という声を多く耳にしますが、ここアメリカでは「出産しても働くのは当たり前」「保育園はあるけれど、とても高額。それでも、入れるしかない」という現実があります。
社会的な背景は違いますが、それでもやはり厳しいのが保育事情。さまざまな考え方があると思いますが、みなさんはどうお考えになるでしょうか。