シュタイナー教育に興味があっても、実践方法が分からない方もいらっしゃると思います。わが家ではシュタイナー教育関連の本を何冊か読み、やってみたい部分だけ我流で無理なく取り入れました。
シュタイナー教育というと難しそうなイメージがありませんか。専門機関での教育法と思っている方も多いでしょう。しかし、決してそんなことはありません!工夫次第で、家庭でもシュタイナー教育のエッセンスを取り入れることができます。
わが家では、共感できる部分を選択し実践しました。実際にどんなふうに取り入れたか、そしてわが子がどのように成長したかをご紹介します。
自由な生き方のできる人間が育つシュタイナー教育って?
シュタイナー教育とはオーストリアのルドルフ・シュタイナーにより提唱された教育法です。子どもの個性を尊重し、学力でなく芸術活動や、体を動かす活動を大切にしています。
シュタイナー教育では、人間は7年周期で成長すると考えます。0歳から7歳までは意思や体、7歳~14歳までは感情、14歳~21歳までは思考を中心に育みます。
知的教育に重きを置いていません。自然のもとで体や心を豊かにします。自分で考え行動し自由に人生を創造する、そんな子どもが育つ教育法と言えるでしょう。
シュタイナー教育では哲学者的な専門用語が多く難解ですが、わかりやすい書籍も多く出版されていますよ。
プラスチックのおもちゃをさけ、天然素材のものを!
シュタイナー教育では電子機器、プラスチックやキャラクターのおもちゃを使用しません。子どもたちは木の温かみを感じる手作りおもちゃや、ウォルドルフ人形でごっこ遊びをし想像力を高めます。素材にこだわり、手触りも大切にしているのです。おもちゃも想像力を発達させる大事な教材です。
青山にあるクレヨンハウスではシュタイナーで取り入れている蜜ろうクレヨンやウォルドルフ人形、木のおもちゃなど幅広く扱っています。通信販売や絵本の宅配もありますが、お子さんと訪れてみるのも楽しいと思います。
ドイツの木のおもゃは高額ですが、特別な記念日に少しずつ集めるのも楽しいですね。大人も夢中になるほど素敵なものが多いです。我が家ではウォルドルフ人形は購入せず、私が手作りしたお人形を子どもにプレゼントしました。
見た目は購入したものには劣りますが、子どもは気に入りいつでも持ち歩いてくれました。ママが作ってくれた!という愛情が伝わっているのかもしれませんね。ウォルドルフ人形もキットを販売しているので手作りしてみるのも楽しいのではないでしょうか。
制作や絵画で色彩感覚や創造性を養う
公園でどんぐりや木の葉を拾い、工作活動もたくさんしました。どんぐりを使ったおもちゃ作りや、葉っぱを使った絵の制作などです。絵を描く時も、指定せず好きなように書かせました。ただ色を塗るだけのこともありましたよ。
色彩感覚を養うために、にじみ絵にもチャレンジしました。濡れた紙に絵具で色をつけ、色が段々にじんで広がる様を楽しみます。
自由に書かせているときの子どもの満足そうな顔を見るのはうれしいものです。自由に創作することは子どもの創造性を刺激します。
テレビは絶対悪ではない?!時間制限を設けて良質な番組を選択
日々の生活の中、テレビやWEB上で公開された全ての動画を子どもから遠ざけるのは至難の業です。我が家では時間を制限して視聴させていました。テレビ番組や動画から良い影響を受けることも時にはあるはずです。
良質な番組を選べば多少の視聴はよしとしていました。その間に家事を大急ぎですることも。シュタイナー教育ではタブーとされているテレビですが、我が家では柔軟に付き合いました。
特にNHKの「ダーウィンが来た!」は生物に興味を持つきっかけになりました。毎週録画して親子で鑑賞していましたよ。良質の映画を選び、親子で鑑賞したのもいい思い出です。
10歳までは自宅で宿題以外の学習はせず読み聞かせを!
シュタイナー教育では知識を得るための学習ではなく、芸術性や創造性を大切にしています。我が家でもその考えに賛同し、10歳までは自宅で宿題以外の学習はしませんでした。
学年が上がるにつれ中学・高校受験に向けて学習塾に通う子ども増えてきます。その状況の中、焦りが全くなかったわけではありません。しかし、家庭で学習をしない代わりに我が家では毎日読み聞かせをしていました。
読み聞かせる絵本を吟味することで全ての教科の知識を網羅
読み聞かせには、子どもの情緒を安定させる効果があります。ママの優しい声で絵本を読んでもらう時間は子どもにとって愛情を感じる至福の時です。さらに、語彙力、読解力を鍛える効果もあります
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正しい日本語を読み書きする能力は、全ての教科の基本です。正しい日本語でリズム良く書かれているもの、絵が美しく色彩が鮮やかなものを基準に選んでみましょう。
科学や数学に関する物語や世界各国の本を読めば、見聞が広がり自然と知識が身に着きます。
体を使って自由に遊ばせ、自然や動物にふれる経験を
シュタイナー教育では体を使い、自然と触れ合う遊びを大切にしています。わが家でも外遊びは積極的に取り入れました。近所の公園で自由に走りまわったり、芝生の上を転げまわったりと体をたくさん動かす活動です。
他に、どろんこ遊びもたくさんしていました。おかげで子どもは日に焼けて真っ黒になり、野生児そのもの。自宅でも活発に動けるようにミニ滑り台や鉄棒を置きました。
週末には少し遠いアスレチックや海や山で自然とふれあう時間にしていました。雄大な自然にふれるために長期休暇を使った旅行は数知れず。距離を実感してもらいたくて新幹線は使用しません。一週間かけて東京から岐阜県白川郷まで行ったのは親子の大事な思い出です。
芸術にふれる機会をふやし自由に創作活動を
シュタイナーでは、「オイリュトミー」という言葉や音楽を体の動きに変換して表現する運動芸術を用います。わが家では子どもと二人で音楽に合わせ動きをつけたり、自由に歌ったりしていました。二人だけでも楽しいですが、大人数だともっと盛り上がりそうです。
時には大自然のもとで自由に踊ることも!オイリュトミーのおかげか、子どもは自由に自己表現することが大好きです。絵を描いたり、絵本や物語を作成したり、自発的に創作活動をしていました。
10才を過ぎると、国内にある美術館、科学館、博物館に親子で通いました。科学館は無料で科学実験等のワークショップに参加できることもあるので特におすすめです。
芸術にふれさせるというと難しく感じるかもしれませんが、国内にある美術館や科学館、博物館は気軽に行くことができ、レベルも高いです。中には無料で入場できるところもありますよ。
なんと今では海外の有名な美術館をバーチャルで楽しむこともできます。今度の週末には親子でオルセー美術館鑑賞なんてことも可能ですね。こちらももちろん無料です!シュタイナーでは電子機器の使用は推奨していませんが、時には柔軟に親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
現在中学生の子どもはどのような子に育ったのか
現在子どもは公立中学校の2年生となりました。人前にでることが苦手で目立つタイプではありませんが、意思がはっきりしており、自分の意志で行動できます。
中学1年になったときに無理やり入れた進学塾は半年で勝手に辞めてしまいました。子どもいわく、理解していることを何度も説明されるのは時間の無駄だそう。自分で分からない部分だけyoutubeで説明している動画を視聴した方が効率的だと言い放ち、塾長を説得して退塾の手続きをしてしまいました。
塾を辞めた方が成績を上がることを証明すると約束し、次の期末テストで見事トップクラスに。部活動では陸上部に入部し、仲間とリレーで参加した都大会で準優勝しました。
勉強に、部活動にと充実した中学生生活を送っています。シュタイナーの理念通り、自分で考え行動し自由に人生を創造する子に成長中です。
自由で楽しいシュタイナー教育を取り入れてみましょう!
わが家で取り入れたシュタイナー教育は本から得た知識のみの我流です。専門的な方法ではないかもしれませんが、どなたでも気軽に楽しく実践できるものばかりですよ。
決まったルールを順守するのではなく、お子さんの成長や個性をよく見極めて、その時々で必要なものを与えてあげることが重要だと思っています。習い事や塾に任せなくても、ママの温かいまなざしでお子さんの個性や成長を見守るだけで十分です。全てを取り入れる必要もありません。
シュタイナーの思想を理解し、自分らしくらしくアレンジしてできることを取り入れるだけ。自由なシュタイナー教育を親子で楽しんでみませんか。