秋が深まってくるにつれて耳に届いてくるのは、虫たちが奏でる美しい音色です。力強く、でもどこか物悲しく感じるその音色にはどんな物語が隠されているのでしょうか?今回は、秋を感じられる「秋の虫」がでてくる絵本を4冊ご紹介します。
たくさんの虫が登場!『むしたちのおんがくかい』
著者 :得田 之久(文)/久住 卓也(絵)
出版社 :童心社
秋の虫たちが街中の公園で音楽会をはじめようとしますが、「ジャジャジャーン!」と大きな音が上がり、中止になってしまいます。
虫たちは、新しく音楽会を開ける場所を探して出かけますが……。
都市開発で、居場所を追われてしまった虫たちが新天地を求めるストーリー。いろいろな虫の名前や鳴き声を覚えたりと、小さなお子さまでも楽しめる内容になっています。
「この虫のお名前は?」
「どんなふうに鳴くのかな?」
そんな会話を親子で楽しめる作品です。
大興奮サッカー絵本『むしサッカーはらっぱカップ』
著者 :杵川 希(文)/近藤 薫美子(絵)
出版社 :教育画劇
虫たちが参加するのは、ミドリス対クロッコのサッカーの試合「はらっぱカップ」。
ゴールキーパーのクツワムシやフォワードのナナフシ。シュートを決めるのは、ヘラクレスオオカブト!そして、なぜかボールに紛れるダンゴムシ!?
子どもたちが大好きな虫たちが、熱いサッカーの試合を繰り広げる楽しいサッカー絵本です。
登場する虫たちも応援する観衆も、みんな個性豊かで物語を盛り上げてくれます。
何度も読み返したくなるような、とても楽しい虫たちが大活躍するオススメの絵本です。
ラスト1ページにサプライズ!『だんまりこおろぎ』
著者 :エリック カール(作)/工藤 直子(訳)
出版社 :偕成社
主人公は、暖かいある日に生まれた「こおろぎのぼうや」。
大人のこおろぎのように、小さな羽根をこすって挨拶しようとしますが音がでません。
ばったやかまきり、いもむしなど、いろいろな虫たちに出会った「こうろぎぼうや」は、その都度小さな羽根をこすって挨拶しようとしますが、やはり音がでないのです。
そして、次に出会ったのは仲間のおんなのこ。「こおろぎぼうや」はうまく挨拶できるのでしょうか?
視覚に訴える鮮やかな色彩と、聴覚に訴える最後のページに隠されたサプライズな仕掛けが楽しい絵本です。
最後のページで、ずっとだんまりだった「こおろぎぼうや」が本当に鳴き声をあげるとき、さわやかな感動が子どもたちの瞳を輝かせることでしょう。
秋の虫たちが大集合!『むしのチロリンコンサート』
著者 :菅野由貴子(作・絵)
出版社 :教育画劇
「リーン、リーン」と森の中ではじまったのは、秋の虫たちが奏でる素敵なコンサート。
森中に響き渡る素敵な音色にみんながうっとりしたそのとき、大きな羽音を立ててハチの大群がやってきたのです……。
最初は少しハラハラするストーリー展開ですが、スズムシやマツムシ、コオロギなどの秋の虫の鳴き声も知ることができ、仲間で音楽を奏でることの楽しさが伝わってくる物語です。
虫好きなお子さまには特にオススメの一冊。
絵本を読みながら親子で秋を満喫してみませんか?