失敗が怖くて尻込みしてしまう……。親としては、うじうじめそめそしている子どもの姿を見ていると心配になりますよね。周りに積極的な子どもがいると、なおさらではないでしょうか。すぐにあきらめてしまいがちなタイプの子どもに、親ができる声掛けや対処法を考えてみませんか?
「はじめて」が怖いのは子どもも大人も一緒
大人でもドキドキしてしまう「はじめて」に、子どもだってドキドキ、ビクビクするのは当たり前のこと。特に、子どもにとっては出会うもののほとんどが「はじめて」で、大人が思っている以上に緊張していると考えていいでしょう。
「はじめましてのものは怖いよね。ママもはじめては怖いよ」と伝えてあげることで、少し落ち着いてくれるかもしれません。
子どもの感情を頭ごなしに否定しないことが大切です。
「はじめて」では失敗するのが当たり前だと伝えて
そもそも、はじめてなのに成功する方がすごいことですよね。わが家ではフィギュアスケートをテレビ観戦していたときに、「みんな、いきなりこんな風にジャンプしたりクルクル回れたりしたわけじゃないんだよ」と伝えました。
また、筆者は5歳からピアノを習っていたので、「ママも最初は何にも弾けなかったんだよ」と話したこともありました。
まだはじめてが怖いという気持ちがぬぐえない息子ですが、「いっぱい練習して、何度も失敗して、そうしてできるようになることはいっぱいあるんだよ」というメッセージを、これからも何度も伝えていきたいと思っています。
親はどんと構えて!心配なそぶりを子どもに見せない
保育園や幼稚園へ入園した当初、お母さんと離れるときに号泣してしまう子どもに対して親ができることは、「笑顔で半ば無理やり送り出し、ダッシュで立ち去る」ことだという話を見聞きしたことはありませんか?
何かに挑戦するときも同じです。子どもが内心不安に思っているなと感じても、「大丈夫!やれるよ!」「失敗してもいいんだよ!やってみようよ」と笑顔で応援してあげましょう。
「失敗どころ」はチェックだけ。転ぶ経験は大切
小さなうちの失敗体験は、内容もささやかなものが多いものです。折れた骨が治るときに丈夫になるように、傷ついた心は、その分強くたくましくなっていきます。
親に必要な力は、取り除く力ではなくて、見守る勇気。「あ、失敗しそうだなあ」というポイントに気づいても、命にかかわらない限りはぐっとこらえて見守りましょう。
失敗してしまったら、そこから学べばいい。
実際に、「あれ、そうやってやる方法があったの!?」と親がびっくりしてしまう対処法を子どもが編み出すこともあるものですよ。
「ママがやって」の言葉を受け止めすぎない
場合によっては、全部が全部子どもだけでできるものではないかもしれません。しかし、だからといって何でも親が手を出し続けていると、いつまで経ってもひとりでできないままになってしまいます。
「まずやってみて、それでもできなかったらママを呼んでね」と促すことが大切です。「ここまではできたね。次はきっと全部できるんじゃない?」「3歳のときは難しかったけれど、上手になったね。さすが4歳さんだね!」など、ポジティブな声掛けを意識したいものです。
友達・兄弟姉妹と比較しない
また、兄弟姉妹間で打たれ強さや必要となる勇気の大きさが全然違うこともあるでしょう。筆者の息子たちも、めそめそする長男に対して、次男は果敢に挑んでいくタイプです。
このとき、つい言ってしまいそうになるのは、「みんなできているから大丈夫だよ」という言葉。親としては、励ましの意味で使っているつもりでも、言われている子どもにとっては、「自分はダメなんだ」という気持ちになってしまう可能性のある言葉ではないでしょうか。
「あの子はできるのに、なんであなたは……」という言葉だけが比較表現ではありません。大人にもタイプがいろいろあるように、子どもも全員が無鉄砲に挑戦できる子ばかりではないのです。
「あ、この子は怖がりだな」と感じる子どもにこそ、少しずつでも挑戦するチャンスを作るように心がけ、危険を先取りしないように気をつけられるといいですね。
「ママは子どもの頃、緊張してできなかったんだよ。やってみようって思えたの、すごいね!」など、何かに挑戦できたときは、その結果ではなく、「挑戦できた」ことを認めて褒めることも忘れずに!
長所と短所は裏表!子どもの個性を受け入れて
親が無理やり子どもの背中を押し続ける必要はありません。大切なことは、恐々としながらも、子ども自身が「やってみよう」と思えたときにチャンスの芽を取り除かないこと。そのときに、「いいじゃん。やってみなよ!」と軽く背中を押せることなのはないでしょうか。