日本の学童保育と少し似ているイギリスのアフタースクールクラブ。一体どんな活動をして過ごすの?利用できる時間帯や値段は?ブレックファーストクラブやアウトドアクラブなども含め、気になるポイントをリサーチしてきました!
アフタースクールクラブってなに?
共働き家庭が多いイギリス。しかし、小学校高学年になるまで一人で登下校をすることができません。必ず誰か保護者が付き添う必要があります。
就業時間帯によっては、下校時間に学校へ迎えに行くのが難しいということもありますよね。そんなときに便利なのが、アフタースクールクラブです。日本の学童保育に似ています。
アフタースクールクラブは、私立で運営されているもの、学校や自治体で運営されているものなどさまざまです。学校で運営されているものは、学校からの移動が不要で便利なのはもちろん、信頼できるなどの理由で、人気が高いです。
活動内容はどんな感じ?
今回お話を伺ったのは公立小学校で運営されているアフタースクールクラブです。この学校は学年に関わらず午後3時15分に授業が一斉に終わるので、アフタースクールクラブを申し込んでいる生徒は、放課後に直接専用の教室へ向かいます。クラブ専用の教室では、活動時間中、担当の職員が常に待機しています。
専用の教室にはボードゲームやスポーツ用品、アートやクラフトなどの道具がたくさん用意してあります。子どもたちは興味がある活動内容を自由に選んで、自主的に時間を過ごすことが可能です。運動場でサッカーをしたり、持参したスクーターに乗ったり、遊具で遊んだり、友だちと楽しそうに過ごしている姿をたくさん見かけました。
どんな方針で運営されているの?
アフタースクールでの職員の子どもたちへの関わり方をお聞きしたところ、「安全面の監視・関与のみ」を心がけているそう。その理由は「学校・授業の延長とならないように考慮」しているためです。クラブ活動中は、「子どもたちの遊びに大人がなるべくかかわらず、自由に興味ある遊びをさせることによって、自主性・社会性を伸ばす方針」とのことです。
とはいえ、サッカーなどスポーツをする子ども、屋外遊具で遊ぶ子どもなどそれぞれが自由に動きまわっていると、体格の違いによる怪我なども心配ですよね。そこで、基本はYear RとYear 1(4〜6歳)、Year 2からYear 4(6〜9歳)、Year 5とYear 6(9〜11歳)の3つのグループに分けて、活動を行うように工夫されているようです(Yearというのは「学年・年生」のような単位です)。
利用できる時間帯と費用も気になるところ…
※値段は、運営団体や地域によって異なります。
忙しい朝には、ブレックファーストクラブ
学校の迎えの時間には間に合うけれど、通勤の都合で「朝から学校に送っていくことができない!」というパパママもいます。そんなときは、学校運営のブレックファーストクラブを利用します。この学校では朝7時45分から専用の教室が開き、出勤前の親が子どもたちと早めの登校をします。その後、子どもたちは他の生徒と一緒に朝ごはんを食べることができます。
この学校のブレックファーストクラブの参加費は£3.10/回です(日本円で約470円ほど:2018年1月のレート)。
アウトドアクラブなどに参加することも可能
学校によっては学童保育的なアフタースクールクラブとは別に、日本の部活のような放課後のスポーツクラブ、アウトドアクラブなどに参加することも可能です。日本の部活との違いは、期間が決まっており、活動も週1回のものが主だという点です。
内容はサッカーや空手など日本でもよくあるものから、クロスカントリーやホッケー、ガーデニングのようなイギリスらしいクラブまで、選択肢が多いです。
学校が運営しているものは1回£1程度と安く、気軽に参加できるのが魅力です。
クラブ参加中の子どものパパママの声
イギリスではアフタースクールクラブなどの活動を上手に利用することで、忙しい子育て時代を乗り切る家庭が多くなっています。学校の始業時間前も終業時間後も、仕事を頑張るパパママ世代にとって大きな支えとなっているといえるのではないでしょうか。
「他の子どもたちと過ごす時間を通して社交性も育つし、良い経験となっていると思う」という声も多く聞きました。
これから、日本もイギリスも、ますます共働きが増える時代になるでしょう。子育てを頑張るパパママにとって、安心して子どもを預けられる場所が、今後さらに増えてくるといいですね。
取材・文・イラスト:いしこがわ理恵
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。
※いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの過去記事はこちら↓↓↓